今まで日本は“国民感情”においては中東に中立的な立場でしたし、向こう側も日本に対してはかなり好意的でした。危険を承知で自らアフガンやイラクなどの地域に入るNGOが好意的に受け止められるなど、日本“政府”のアメリカ万歳主義に対してはいささか疑問視する声があがっていたとしても、日本人そのものに対する認識はひどいものではありませんでした。 しかし小泉総理は、アメリカでさえ賛否両論(というより、ここ最近は反ブッシュ派が増えている)なイラク情勢で「ブッシュとの約束」という理由(もっと色々あるでしょうけどね)で派遣を急いでいるように見えます。自衛隊派遣の理由としている「国際協調の~」に関しても、従来通りの対応を放棄してでもアメリカに追従する姿勢としか見る事が出来ません。 ※ 彼は「日米同盟の真価が問われる」などと言っていますが、本当に同盟だと思って、しかも日本の立場を表明するならば、本来はアメリカと中東の架け橋になるのが最良の選択でしょう。
よく中東地域の情勢は複雑という話は聞きますが、それでも“会話”という道を何千年(気が遠くなるような話だな・・・)もかけて行えば必ずお互いの妥協点というものを探し当てる事が出来るはずです。そして日本は今までその考えで中東と接してきたはずでした。 しかし今度は“会話を目的”とした人間ではなく、明らかに“武器(重いか軽いかは問題ではない。ミサイルだろうが口径数ミリだろうが、当たり所が悪ければ死ぬのだから)”を持った人間が押し寄せて来る訳です。その威圧感や恐怖心は簡単に想像出来ると思います。更に恐怖心が植えつけられたら、それを取っ払うにはしばらくの時間(5年?10年?あるいはもっとか?)が掛かります。宗教が少ない日本でさえアメリカへの恐怖は拭い去れていない(今は北朝鮮の恐怖の方が強いですけど)のに、宗教や民族が複雑な中東地域におけまして自衛隊を派“兵”するのは、更に現地の状況を悪化させるだけです。そして最悪の場合、日本に対する憎悪で東京に飛行機が突っ込んでくる恐れもあります。 ついでに「治安が良くなってから派遣しろ」と仰有る方もおられますが、個人的には「治安が回復してから派遣する意味はあるのだろうか」という疑問もありますけど(^^; <個人的な結論> 日本が自衛隊を中東に派遣する意義は皆無に近い。また、自衛隊派遣はテロリストによる日本標的率を高めるだけである。
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