☆☆ 年  賀  印 ☆☆

ボタン 年賀印とは?

年賀印と云うのは、年末の一定期間内に、年賀状として差し出された葉書及び封書は、翌年一月一日の日付印を押し、翌年一月一日に配達されますが、その「年賀状」に押される日付印の事を「年賀印」と呼びます。

この印は、民営後は郵政事業会社だけで使われる印で、郵便局会社(窓口)では使われておりません。
しかし平成20年には一部の局で誤って使用された例が有ります。理由は子年で、局名に「鼠」という字の入った局が鼠ヶ関1局しか無く、この局の年賀印が欲しい、と言う人が多かったので、本来なら使用しない窓口のみの局なのですが、サービスとして使用したらしいのです。

この年賀取扱制度は明治32年(1899年)末に定められましたが、特別な印を使用する訳ではなく、単に翌年1月1日付けの印を押していたので、日付印としての変化は特に有りませんでした。

年賀印として特別な日付印を使用したのは、昭和10年末が最初です。1935年(昭和10年)12月1日、渡辺華山の、富士を描いた、本邦最初の年賀切手が発行されたのに伴い、鶴を描いた特別な日付印が使われる事になりました。この日付印は、年月日欄(B欄)と時刻欄(C欄)の部分が、絵の入った一つの活字として鋳造され、特別な印顆に挿入、使用されました。従って、(年数字.1.1)以外の日付は存在しません。機械印は、抹消部の「波」の部分に、同じ様な「鶴の模様を四角のラインで囲んだ」絵が入っています。

しかし戦況の悪化に伴い、昭和15年、この制度は中止されました。


《 絵 入 り 年 賀 印 の い ろ い ろ 》

11年
昭和11年印影

波に鶴
12年
昭和12年印影

松に雲
27年
昭和27年印影

南天
29年
昭和29年印影

旭日
31年
昭和31年印影

独楽(こま)

この印影はコピーから採りましたので、多少見にくいかと存じます。ゴメンナサイ。

(前章から続く)
 戦争が終わり、世の中も落ち着いて来た昭和23年末、「羽根を突く少女」を描いた2円の年賀切手が発行されるのと共に、この「年賀特別取扱制度」が再開されました。しかし、以前の様な「特別意匠」の印が使用されたのは、翌24年末からになります。

(25年用の印影を表示しようと思いましたが、印影のコレクションが有りませんので省略させて頂きました。)

 31年末の取扱い時から、この手押し印に一大変化が起きます。今まで毎年新しく調製され、使用されていた「BC欄一塊の活字」が、別々になったのです。おそらく、合理化による費用軽減が目的と思われますが、B欄に普段使用されている年月日活字(日付は1月1日付)。C欄には時間表示に替わって「年賀」と表示された活字を鋳造して、時刻活字の代わりに挿入した印が使用されたのです。これは現在の丸形印にも引き継がれています。

最近、西宮郵趣会会長、藤田 卯三郎 氏の研究により、純然たるC欄年賀の活字のみを填め替える様になったのは、37年末からだった事が判明しました。

ではその間は、どの様にしたのか、と言いますと、昭和31年末に使用した活字は、今まで絵を彫っていたのに換え、「BC欄一塊の活字」は同じですが、B欄に32.1.1、下のバー、C欄年賀、と表示された「BC欄一塊の活字」が調製されたのです。そして又33年末からは、この活字の年活字のみ交換出来る様な特殊な形状の活字を鋳造し、そこへ別に鋳造した年活字のみを入れ、多年度 (原則として3年) に亘って使用する、と言う事になりました。
しかし毎年年活字を鋳造するのはやはり面倒、と言う事で、37年末からはC欄年賀の活字のみを鋳造し、普段使っている印顆に入れて使用する、と言う様に改訂されたのです。

従ってこの間に押印された年賀状の中には、上のバーと下のバーが完全に平行になっていない物が見られます。

機械印は当初より、時刻欄活字の場所に、時刻に代わって「年賀」と刻印された活字が挿入されていました。
又、平成11年末の取り扱い時には、「ミレニアム記念印」(和欧印及び小型印等)が制定されて使用されました。
そして平成12年末の取り扱い時には、13年の印影に載せている様な「絵入り」の和欧式機械式年賀印が使われたのです。この印は、各府県ごとに異なっております。そしてもし不鮮明だった場合に押し直す為に、全く同じ図案、同じ大きさの浸透式ゴム製印も配備されました。
それが、その横に載せてある「手押し用機械印」なのです。


《平成12年の年賀印印影(ミレニアム年)》


12年度機械年賀印印影

ミレニアム2000年記念
和欧式機械印印影

手押し年賀印印影

2000年記念小型印
印影はバラエティ多数有り

《一昨年(平成13年)の年賀印印影》

 
13年度絵入り
機械式年賀印
絵入り機械式
年賀印(手押し用) ゴム製
手 押 印
手押し用小型印
機械式年賀印

絵入り機械式年賀印(手押し用を含む)は、各府県毎に図柄が異なります。又、機械式年賀印と手押し用機械印(変な呼び方ですが)とは『線の太さ』、などに相違が見られます。(手押し用の方が太いのです。)
これは、手押し用の機械式年賀印が、浸透式ゴムで作られているからなのです。
手押し用小型印も、局によって図柄が異なります。あまりにもバラエティが多過ぎる為、全て掲載する事が出来ませんので、大阪中央で使用した印を代表として載せました。
なお、平成13年は、和欧式機械印は使用されませんでした。


ボタン通常の年賀はがきには、なぜ消印をしないのでしょうか

最近、通常はがきの年賀状には、殆ど消印が押されていませんが、これはどうしてでしょうか? 私製葉書の年賀状ですと、100%押してありますね。
この理由は、普通の年賀はがきは、発売時に、すでに消印されているのです。と云うと、「そんな馬鹿な」と思われるでしょうが、表面の料額印面、いわゆる料金が書かれた場所の下に、「年賀」と印刷された模様がありますね。その模様が「消印」に相当するのです。つまり、『年賀特別取扱期間内に、年賀状として差し出された郵便物(通常葉書に限る)は、すでに消印された物とみなし、取り扱う。』と云う「約款」により、消印を省略する事が出来るのです。しかし、あくまでも「することがあります。」であって、「します。」では無い事に留意して下さい。ですから、特に局(干支に因んだ名前の局など)に依頼すれば、普通の年賀葉書でも消印して貰えます。(上の図がその例です。)
又、年賀取扱期間中でも、年賀状としない年賀葉書には、通常通り消印が押される事になります。但しこの場合、「年賀」の表示を「×」で消す必要が有ります。そうしないと年賀状として区分けされ、配達が遅くなりますからね。
又、期間経過後(29日以後です。)においても、1月7日までは年賀取扱期間中と同じ様に、消印が省略されます。
なお、平成12年は西暦二千年と云うので、特に「ミレニアム2000」の特別な機械印(上図左から2つ目の印)が全国の局の内、503局で使用されました。
又、小型印も多くの局で使用されました。(右端の印)

平成13年は更に特別な図柄の印( 上図左端の印で、府県毎に図柄が変わっています。)を使う局が有りました。

参考

【内国郵便約款第46条】 (切手類の消印)
 郵便に関する料金の支払いのために使用した郵便切手並びに郵便葉書及び郵便書簡の料額印面は、当社において、これを消印します。ただし、当社が別に定める場合は、この限りでありません。

(注)当社が別に定める場合は、次のとおりとします。
1 年賀特別郵便(配達地域指定年賀特別郵便を除きます。)の取扱いをする通常葉書(「消印」の文字その他消印を要する旨を明瞭に記載した付せんを添えて差し出されたものを除きます。) 年賀特別郵便の取扱いをする通常葉書及び12月29日から翌年1月7日までの間にその表面の見やすい所に「年賀」の文字を明瞭に朱記して差し出された通常葉書(「消印」の文字その他消印を要する旨を明瞭に記載した付せんを添えて差し出されたものを除きます。)の料額印面である場合
2 配達地域指定年賀特別郵便の取扱いをする通常葉書の料額印面である場合
3 12月29日から翌年1月7日までの間にその表面の見やすい所に「年賀」の文字を明瞭に朱記して差し出された通常葉書(「消印」の文字その他消印を要する旨を明瞭に記載した付せんを添えて差し出されたものを除きます。)の料額印面である場合

【内国郵便約款第144条】(年賀特別郵便の取扱い)
 当社は、郵便物を12月15日から12月28日までの間に引き受け(引受開始日については、1週間を限度として繰り下げることがあります。)、料金別納又は料金後納とするものの場合を除きこれに翌年1月1日付けの通信日付印を押印し、翌年1月1日の最先便からこれを配達する年賀特別郵便の取扱いをします。ただし、通信日付印の押印は、その郵便物が料額印面の付いた郵便葉書であるときは、これを省略することがあります。
2 年賀特別郵便の取扱いは、次に掲げる郵便物につき、これをします。
(1) 第一種郵便物(郵便書簡及び料金表に規定する定形郵便物に限ります。)
(2) 通常葉書
(3) 点字郵便物(料金表に定める定形郵便物の大きさ、形状及び重量に準ずるものに限ります。)
3 省  略


ボタン年賀印はバラエティの宝庫

年賀状が出される季節は、年末で慌ただしい季節です。従って郵便局は大忙し。消印もフル稼働されます。その為、今迄引き出しの中に眠っていた様な活字までが動員されて使用されます。その結果、印顆と活字の組み合わせによる様々な「バラエティ印」が出現する事になります。
 旧形式の「櫛形印」は勿論、新型印の印顆に上下櫛入り、局名櫛入り年賀櫛なし、又はその逆、古い印顆に新しい活字を入れた為に、明治時代に使われた様な「丸二印」迄登場します。最近の物の中にも、D欄にだけ櫛の入った物( 無論、区分する線は有りません。)や、右の図の様な、告示によって廃止された筈の、唐草模様入りの旧機械印( 「 けしいんの変遷 」 のページを参照して下さい。)を、そのまま使った物が有ります。
広尾局など今年も使っているんですよ。

皆様も捜してみられたら如何ですか。色々と出て来ると思いますよ。


平成12年

平成13年

平成15年

平成16年