真・世紀エヴァンゲリオン Change Genesis EVANGELION

制作後記というこで。 (外伝掲載に伴う改訂版で〜す!外伝のは後半から始まります)
--何で今ごろエヴァのパロなんですか?(以下、1998年9月に行われたもの)

P.K. 8月に知合いのサイト一周年祝いで「24歳のパーティードレスを着た綾波レイ」を描いてイラストをプレゼントしたんです。 そこでそのシチュエーションを
    「プロポーズ直後」か「披露宴の2次会」としたんです。そのイラスト用の背景設定ですね。こういう話しの流れがあって、結婚しました、という。〈註1〉

--相手がシンジ君ですね。
P.K. ああ、その子がシンジ君好きだから。林原めぐみさんのファンで「レイちゃん好きですぅ!」から、それならばシンジ君と綾波の結婚する話もOKかな、と。

--でも、恋人同士でも良かったのでないのですか?
P.K. いや、話としてはイベントが必要ですからね。結婚するというのも一つの結末としては王道ですね。
   最後にヒーロー、ヒロインは結ばれました、という。
同人ネタでも多いでしょう。〈註2〉

--最初からシリアス路線で考えていたのですか?
P.K. 最初はギャグ路線でした。でも当たり前過ぎてどこでもやっている。 今川泰宏氏風に大胆にアレンジしようか、と。

--ああ、それで”おたく大学”で第一章のプロットを載せたんですね。
P.K. ええ、それと結婚式を結びつけて話にすれば面白いのでは、と。でも、まさかこんなにしんどかったとは後の祭りです、はい。
   非常に好評だったので纏めてサイトに公開しようという事になりました。

--でも、作品世界は元のエヴァとは全然異なりますね。何故ですか?
P.K. パロディなんだから中途半端じゃなくて原作無視の大胆アレンジが逆に心地よい筈だと。
--殆どGAINAXというか庵野監督なみに”俺のカラーに染めてやる”ですか?
P.K. テイストは残しつつ、全然別の話しにする。だから、架空のTV版の続編、という位置付けです。
--登場人物も組織や別で。NERVも出てきませんね。
P.K. ウルトラシリーズも作品毎に防衛組織が違うのと同じ。適格者を12人にするならNERVは要らない。エヴァだって、発掘されたものにして勝手気侭に起動して、
   感応した相手にしか動かせない。そうしないと綾波とシンジ君にしか初号機が動かせない理由にならない。エントリープラグは零号機も初号機も始めから二人
   乗りと設定しています。二人でシンクロしている時が最強のエヴァです。

--滅茶苦茶強いじゃないですか、シンジ君一人でも。地球から月面の使徒を攻撃できるなんて(笑)
P.K. ホーミングフェザー一発でもビームライフル並なのに万単位で使徒に全方位から降り注ぐ。 ATフィールドも穴だらけにされてズタぼろにされていく。
    これは失敗したかな、と。戦闘シーンが描けない。 じゃあ、端折って繋ぎの会話に勢力注ぐか、という。

--アスカをああした理由は?〈註3〉

P.K. 貞本コミックで精子バンクから精子を購入した、という自然生殖でない設定から、これもアリかなとしました。
    
*註:外伝第弐部で解明されているので是非、参照を。

--対して綾波レイは人間ですよね。
P.K. 厳密に云えば、設定上は殆ど人間に近い人間。月面基地L3の事故で全ての資料、データが消失してしまい、自治権が高い場所だったので記録が無い。
    でも、IDパスで名前と年齢だけが判明している、と。
*註:これも外伝を読んで

--架空のTV版では解明されているのですか?
P.K. いいえ、されていません。私自身、知らないから。(外伝でも明かしません)
--架空のTV版の話数も謎だし。
P.K. あれだけの使徒の数と適格者の数から26話で終わるわけが無い。試算してみたら100話近く必要になる。それぐらいでないと心の成長は描けない。
--でも、それじゃあガイナのみんな生きていけない(笑)。
P.K. でもそうでないと綾波とシンジ君の絆が深められていく、相手を好きなことを自覚していくのは無理ですよ。無口、無表情、無愛想、無関心、無感動で
    自分には何もない、EVA(初号機)とシンクロしか出来ない。それだけをアイデンティティにして生きていたのをシンジ君が変えていく。
   架空のTV版のメインはそれです。思いっきりシンジ君と綾波のラブラブなストーリー。
  (
この辺りは、劇場用特別編集版予告編を参照。全てを失ったのではなく、一つずつ人間らしさを得ていく象徴が綾波になっている。
   それは甘く切なく、過酷な戦闘よりも日常をきちんと生きる、人との触れ合いの中で自分と他者との関係を織り成していく。この点では
   本物の綾波以上に厳しい世界と思われる
)どんなに過酷な現実があっても、死んでいった人達の為にも、きちんと生きていく、それが大切という話です。

--それはもう、御自分の体験からですか?
P.K. 10代最後に海外で国際政治の汚さに撒き込まれますからね。大使館も動いたし、もう大変でした。結局、五大陸に行った訳ですし、日本以外で働きながら
    長期間生活したのは貴重な体験でした。相変わらずその後もアメリカの政治、世界戦略に撒き込まれたんですけれどね。

--その点、庵野には負けないぞ、と(笑)。
P.K. アニメの業界全体ですけれど、世界を知らなさ過ぎる。世界に誇れるもの、と喧伝しても内部は閉鎖的で、社会経験を積んでから業界に入るのは極僅か。
   外部のブレーンは必要不可欠ですね。でも、スケジュールに追われてどこも余裕が無い。あれ、話題がずれてきていますよ。

--ほんとだ。ところで、やっぱりキャラ萌えですか?
P.K. はいっ?! 何ですか、それ!?
--いや、だから、綾波がナイスバディじゃないですか。設定書見ると、T168,B95,W52,H88、体重51s男の煩悩入りまくりじゃないですか。個人的にアスカより綾波ですか?
P.K. ああ、それ。手元の雑誌のグラビアから3サイズ貰いました。現実にこのスタイルの女性は居ますよ。
   胸をIカップにしたのは母性の強調ですね。腰を細くしたのは対称的に尻が強調されて出産の暗示になります。
でも、これだとフェイですね。
--あ、ホントだ。声も林原めぐみだし(笑)。

--ところで、子供の名前は決まっていたんですよね。
P.K. 二人の子供は女の子です。名前は瑠璃。ネタばれですね、もう。
--ファッションはどうなんでうすか? 最初のイラストはパーティードレスだし、基本はデカダンですか?
P.K. デカダン。綾波はパンストを履きません。パンストを履くとお腹にへんなラインが残るから。普段着はラインを強調するのとゆったりめの組み合わせ。がさつなミサトの影響。
--じゃあ、家事一般はミサト並にずぼらなんですか?
P.K. すぼらです。炊事・洗濯・掃除もシンジ君が上手、という。ただ、紅茶だけは絶品という。
--それは、林原めぐみさんと同じですか?
P.K. 勿論、演じてのパーソナルが反映されますから。〈註4〉

--とりあえず、今回はここまでお届けします。

註1:リンクページのWebサイト:「MASA&FANAのSweetTimeExpress」参照。
註2:同人サークル「キタキツネほんぽ」のエヴァ本、EVALUTIONの各号参照。
註3:角川書店発行の新世紀エヴァンゲリオンコミックス第4巻参照。
註4:ぴあランキングルメ10月号「おいしい紅茶が飲みたい」参照。


ここから1999.Sep.26での外伝を踏まえたインタビューで〜す。

--またまた、インタビューです。
P.K. やだ、長いから。

--じゃあ、今回は短くいきます(笑)
P.K. 喋らないよ、ホント。
--それでは、外伝を執筆される切っ掛けは?
P.K. 最初に設定した内容の一割しか使わなかったので、残りでエヴァの世界を描きたかった。

--外伝1、2はアクション主体ですよね、だのに3はアクションが少ない、というか表に出てきませんね。
P.K.綾波とシンジ君の内面を描きたかったし、内面を描くと渚カヲルが出せるかと思って、「ToHe○rt」みたいにしたくて。
--どこが?(笑)NH○スペシャル見せられているような深刻な内容じゃないですか、かくも世界は過酷で陰惨だ、と。
P.K. う〜ん、でも、それがあるからこそ、正伝は生きてくると思うんですよ、外伝読んだ後で正伝を読みなおすとまた違った観点で
   感動できると思いますよ。
--貞本版のエヴァもラストはTV・劇場・ビデオ修正版とまるっきり異なるようですが、それが外伝に影響する事は?
P.K. 本編のラストがあれだから、貞本版の綾波の扱い如何ですね、でも、こっちのラストが決まっているからあんまり無いね。

--画集「Der Mond」から何かインスパイアされましたか?
P.K. ええ、充分。イラストとCGツールの使い方が同じやなあぁって、とか(笑)
--違うって(笑)、話の展開ですよ。
P.K. 勿論、外伝3は多分、5話か6話構成になる模様ですが、綾波萌え萌えの内容にして、最後に感動をね。

--期待しています。−で、別なパロ小説も予定を?
P.K. はい、エヴァキャラだけで、西部劇を。アメリカンパッケージを。
--まんまやんけ、アスカが主人公?
P.K. 当然、そんな話にならない(笑)、伝説のガンマンだけど、ゲンドウ一味と対決する綾波・シンジ夫妻を手助けする。
-- またかいな、夫婦もんを。−で、最後に「ア〜スカ〜、カムバッ〜ク!」ってやるの?
P.K. あ、それいいなあ、もう構成半分以上切っているけれど、参考にしておきますよ。

--じゃあ、今日はこの辺で。