超簡単”短波ラジオ”で海外放送を聴きましょう
('98.6.14)
■BCL(放送リスナー)への誘い
国内放送は中波帯ですが、夜間になれば、電離層反射で各地の放送が楽しめます。さらに短波帯になれば、電離層の反射も活発なので海外放送が目白押しで聴くことができます。中国、台湾、ドイツ、インドネシア、北朝鮮、韓国、モンゴル、ロシア、タイ、アメリカ、ヴァチカン、ヴェトナム・・・と、多くの海外局が日本語放送をしています。
こんな楽しいものを見過ごすことはありません。まだ海外放送を聴かれない方はぜひ体験されて下さい。きっと新しい発見をされるこでしょう。各局とも受信報告書を出すと、きれいなベリ・カード(受信証)を発行してもらいます。異国のカードはなかなか風情があり、コレクションにピッタリです。
私のBCL初体験は、今から39年前の中学2年生でした。自作の真空管式3球短波ラジオで聴いた北京放送局(現在の中国国際放送)の日本語放送が初めてでした。受信証にある記録では、1959年4月29日 第4回目 11945KC となっています。(当時の周波数表示は、Hz[ヘルツ]でなく、C[サイクル]でした。)

(写真:初めて海外放送を聴いて得た北京放送の受信証[ベリ・カード])
当時中国では毛沢東主席の時代でした。日本では大変な切手収集のブームで、私も切手、切手の日々でした。私の北京放送局への受信報告書に「切手も集めています」と書いたら、日本語スタッフの皆さんが、中国切手を集めてくれて、受信証と一緒に送ってくれたのです。ビックリと同時に涙がでました。 この受信証と切手を学校に持って行き、友人に見せびらかした記憶があります。
私のBCL事始めのエピソードですが、放送を聴くだけではなく、放送局の皆さんと心が通じ合ったことも、素晴らしい体験でした。
今、各国の日本語放送は、結構強力な電波ですので、ユッタリ聴くことが出来ますし、現地のホットなニュース解説を聴くことが出来るので、旅行好きな方には絶好の情報源にもなります。
リスナーになるには、何も資格は要りません。ただ聴く受信機と時間があればいいのです。あなたにも、ぜひおすすめします。
■超簡単短波ラジオでも結構楽しめます
BCLに必要な受信機は、高級品を狙えばキリがありません。入門偏として考えてみれば、自作の超簡単マスコット・ラジオでもでも十分楽しむことができます。
幸い、各国の放送は強力な電波ですので、簡単ナラジオでも充分に受信することが出来るのです。相手の放送局にとっても、高級品でなくとも、貧弱なラジオでバッチリ受信してもらった報告書も貴重なデータとして喜ばれるかも知れません。
これからご紹介するラジオは、再生部(トランジスタ)、検波部(ゲルマニューム・ダイオード)、低周波増幅一段目(トランジスタ)、低周波パワー増幅部(IC)の構成で、スピーカーを鳴らすことも出来ます。
この受信機でのバリコンは、特別な物ではなく一般的なポリバリコンで、どこでもすぐに手に入れることが出来ます。海外放送を受信する短波帯の周波数は、一番に海外放送で賑わっている6MHz〜13MHzがカバーする範囲に設定してあります。
東京・小平市の木造の家で、アンテナを張らずにアンテナ代わりにビニール線をACコンセントの一方に差し込み、それをラジオのアンテナ端子に接続して聴きました(鉱石ラジオで良く使用する方法です!)。
この状態で、短波ラジオの受信範囲の上限に近い周波数である11810KHzのKBS国際放送がSINPO:44444で受信できました。また、12055KHzドイチェベレが同じくSINPO:44444で共にガンガンと受信できました。
速、両局に受信レポートを送り、下記に示す受信証を頂きました。そのほか中国国際放送(北京放送)、自由中国の声(台湾)、ロシア放送の各日本語放送も同じくSINPO44444で受信出来ました。
10MHzの標準電波JJYは、夕方に33333で聴けました。超簡単では、あなどれない性能なのです。
●SINPO(シンポ)コードのお話
放送局への受信レポートに使用されるものに、SINPOコードがあります。国際統一コードですので、どの国への報告にも使用できます。このコードの意味を説明しましょう。
受信じた電波の状態を、信号の強さS(Signal Strength)、混信の有無I(Interference)、雑音の有無N(Noise)、フェーディングの有無P、総合評価のOについて、各5段階で評価します。
| 段階 | S:電波の強さ | I:混信 | N:雑音 | P:フェーディング | O:総合評価 |
| 5 | 非常に強い | 全然ない | 全然ない | 全然ない | 完全にわかる |
| 4 | 強い | 少しある | 少しある | 少しある | わかる |
| 3 | ふつう | かなりある | かなりある | かなりある | どうにかわかる |
| 2 | 弱い | 相当ある | 相当ある | 相当ある | 悪い |
| 1 | かろうじて聞こえる | 非常にある | 非常にある | 非常にある | 全然聞き取れない |
たとえば
SINPO44454は、信号の強さ(強い)、混信(少しある)、雑音(少しある)、フェーディング(全然ない)、
総合評価(わかる)ということになります。
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| ドイチェ・ベレ(ドイツ)からのベリ・カード | KBS(韓国)からのベリ・カード |
(超簡単短波ラジオで得たベリ・カード)
●超簡単短波ラジオの回路と動作
超簡単短波ラジオの回路を図に示します。
この回路図を良く見ると、ゲルマニューム・ラジオに良く似ています。基本的にはゲルマニューム・ラジオで、同調回路に超再生回路を構成させたものです。
自己発振寸前の状態になると、同調回路の性能を示すQが見かけ上高くなり、選択度を上げ感度を上げることが出来ます。この自己発振寸前をうまく作るのが超再生というテクニックなのです。
同調回路はレベルの低い発振回路を構成しています。ここで、トランジスタTr1(2SC1815)を発振寸前状態を作り、性能の良い同調回路を作ります。
損失の少ない同郷回路をで選択された電波は、ゲルマニューム・ダイオードD1(1N60)で検波され、電波が低周波(音声)信号に変換されます。
このラジオの回路を図に示します。ゲルマニューム・ダイオードD1で生じた低周波信号は、トランジスタTr2(2SC1815)の一段目の低周波増幅回路で、蚊の泣く声もシッカリ聞こえるレベルにします。さらに、スピーカー(エレキットA085:直径57mm小型スピーカー)を鳴らすために、IC1(LM380)の低周波パワーICで低周波信号をさらに大きく増幅することになります。
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(超簡単短波ラジオの回路図)
主電源は9Vで、寿命をもたせるために、単3アルカリ乾電池6本組みとし、低周波増幅回路部分を供給させています。トランジスタTr1による発振回路部に供給する電源は、シリコーン・ダイオード(1S1588)を3個使用して、簡単な定電圧回路を構成しています。ダイード3個直列にしていますから、およそ2V(製品のバラツキで多少の発生電圧の違いが生じます)の定電圧を作って、安定した発振が出来るようにしてあります。
以上ようにとても簡単な回路で構成されています。
本当にこれで海外放送がガンガン聴こえるのか・・・と思われるでしょうが、本当ですから安心して下さい。
●製作図や実体配線図、調整方法については電波新聞社発行『ラジオの製作・1997年10月号』に
発表しております。詳しくはこのバックナンバーをご覧下さい。
雑誌記事では、中波と短波の両方が聴ける2バンド用にしてあります。
■むすび
BCLの入門偏として格好の受信機になると思います。なお、ドイチェ・ヴェレの日本語放送スタッフの皆さんに、超簡単・短波ラジオでの受信レポートに対して、大変喜んでくれました。。