リメイク映画


『地球が静止する日』(2008年/監督:スコット・デリクソン)

宇宙からの飛来物の調査のためにヘレン(ジェニファー・コネリー)たち科学者が集められる。飛来物から降りてきた宇宙人クラトウ(キアヌ・リーブス)は兵士の発砲により負傷し、国防長官(キャシー・ベイツ)の管理下におかれる。来訪目的を強制的に自白させようとする政府に対して、ヘレンはクラトウの脱出の手助けをする。クラトウが地球に来た目的は……

『地球の静止する日』(1951年/監督:ロバート・ワイズ)のリメークです。冷戦下の時代だった前作が核兵器の中止と地球平和がテーマだったのに対し、本作は環境破壊防止がテーマになっています。

前作が特撮よりもサスペンスを強調した作品だったのに対し、本作は特撮の進歩によりサスペンス部分が薄まり、ドラマとしては面白味のないものになっていますね。中途半端なSF映画で〜す。

 

『ウルフマン』(2010年/ジョー・ジョンストン)

1941年のロン・チャニー・ジュニアが主演したユニバーサル・ホラー『狼男の殺人』のリメークです。『狼男の殺人』は好評で、ロン・チャニー・ジュニアは立て続けに狼男を演じています。児玉数夫氏の資料によると、“狼男”の第1作は1913年の『The Werewolf』らしいのですが、狼男退治の唯一の方法といわれる銀の武器は『狼男の殺人』から確立したとのこと。『狼男の殺人』で、狼男が死ぬのは“狼と星”の銀の飾りがついた杖でしたが、『ウルフマン』にも出てきましたね。『ウルフマン』では、銀の銃弾で最期を遂げましたけど。

兄の恋人グエン(エミリー・ブラント)から兄が行方不明になったことを知らされた弟のロレーンス(ベニチオ・デル・トロ)が故郷の村に戻ってきます。兄は惨殺死体で発見されます。父(アンソニー・ホプキンス)から兄がジプシーとの交渉窓口だったことを聞かされたロレーンスはジプシーのキャンプを訪ねます。狼男がジプシーのキャンプを襲い、ロレーンスは狼男に噛まれて傷つき……

狼男への変身シーンやアクションはCGですが、顔だけはメーキャップというのが、昔ながらで嬉しかったです。ベニチオ・デル・トロは素顔からして狼顔なので似合っていましたよ。19世紀末の雰囲気もうまく表現されており、悪くない出来です。

ベニチオ・デル・トロとアンソニー・ホプキンスは、演技対決だけでなく、狼男対決もあるんだよォ。

 

『サブウェイ123 激突』(2009年/監督:トニー・スコット)

1974年の『サブウェイ・パニック』のリメイクというより原作があるので再映画化といえますかね。

ベラム駅1時23分発車の地下鉄が4人組の男に乗っ取られるんですな。1両目だけを切り離し、19名の人質の身代金として1千万ドルを要求してきます。1時間以内に金を届けないと、1分遅れるごとに人質をひとりずつ殺していくという要求に対して、地下鉄職員(デンゼル・ワシントン)と犯人(ジョン・トラヴォルタ)の間で丁々発止の駆け引きが開始されます。

1千万ドルがニューヨーク市長の決済権限だったり、トラヴォルタが事件の影響を考えて金投資していたり、ネズミに驚いて警官が発砲したり、ワシントンのプライベートが描かれたりと、前作より話を膨らませています。その分、車内の人質の描かれ方が希薄になっていますね。

本作品も悪くはないのですが、前作のウォルター・マッソーとロバート・ショーの駆け引きの方がユーモアあって面白かったです。ラストのオチも良かったしね。原作を読んでいないので、どちらがイメージに近いのかわかりませ〜ん。

 

『エルム街の悪夢』(2010年/監督:サミュエル・ベイヤー)

鉄の爪フレディが夢の中から現れて殺しまくるホラーヒットシリーズのリメークです。

前作は、ロバート・イングランドのメーキャップと怪演だけでヒットしたようなものでしたが、リメークではフレディのキャラ付けをしっかりとした正統派ホラーにしています。

フレディの異常性、親たちによるリンチ殺人、記憶を失った子供たちと丁寧に描いていますが、それが面白いかというと別物で、何故突然夢の中に現れるようになったかの理由づけがないのでモヤモヤしたものが残りますね。端からいい加減だった前作に、B級ホラーの面白さがあったと思いま〜す。

 

 

『ウィッチマウンテン/地図から消された山』(2009年/監督:アンディ・フィックマン)

ラスベガスのタクシー運転手(ドウェイン・ジョンソン)が宇宙からやってきた兄妹(アレクサンダー・ルドウィグとアンナソフィア・ロブ)を助けて、彼らの乗ってきた宇宙船を取り戻すために活躍するSF冒険映画です。

1975年の『星の国から来た仲間』のリメークらしいのですが、政府機関との追跡劇や、兄弟を殺しに来た宇宙人との闘いなど、アクション中心になっています。

少年少女を主人公に、彼らを助ける善い人たちと、彼らを狙う悪い人たちといった具合に、わかりやすい構造で、ストーリーもご都合主義的な展開ね。だけど、テンポがよくて退屈しません。ディズニーらしいユーモアあふれる健全娯楽作品に仕上がっていま〜す。

画像は、心を読んだり、物を動かしたりする超能力を持っている宇宙人少女のアンナソフィア・ロブ。美形少女です。ところで、ザ・ロックは、いつからドウェイン・ジョンソンになったの?

 

 

 

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