ジェット・リーのアクション


『ローグアサシン』(2007年/監督:フィリップ・G・アトウェル)

ヤクザ同士の抗争の逮捕に向かったFBIのクロフォード(ジェイソン・ステイサム)とトム(テリー・チャン)は、悪名高き殺し屋ローグを追い詰めてトムがローグに銃弾を浴びせる。しかしローグは死んでおらず、トムは家族とともにローグに惨殺される。それから3年後、顔面整形したローグ(ジェット・リー)は、中国マフィアのチャン(ジョン・ローン)に雇われ、日本ヤクザのシロー(石橋凌)がサンフランシスコに運び込んだ宝物を奪う。クロフォードはローグを追うが、ローグは中国マフィアと日本ヤクザの抗争を激化させる動きをしており……

ジェット・リーが冷酷無比な悪役ぶりを見せるのかと思ったのですが、ラストは意外なドンデン返しでした。物語としては面白いのですが、ドンパチばかりでジェット・リーの肉体を使ったアクションが少なかったのが不満です。

人を殺す毎に腕に刺青をしていくヤクザの習慣など、変なニッポンが出てくるのは愛敬ですな。アメリカの観客レベルに合わせているのでしょう。ヤクザが経営する料亭に“下手の横好き”の垂れ幕がかかっていたのには笑ってしまいましたよ。石橋凌の娘が平安美人的なホッペのふくれたお多福顔のデヴォン青木とは、製作者はよくわかっている。(笑)

それにしても、こんなB級映画に出演するジョン・ローンは侘しいなァ。『ラストエンペラー』ではアジア系二枚目スターとして世界的人気があったのにねェ。

 

『ドラゴン・キングダム』(2008年/監督:ロブ・ミンコフ)

チャイナタウンの質屋の老主人から孫悟空の如意棒を託されたジェイソン(マイケル・アンガラノ)は、異次元トリップしてジェイド将軍(コリン・チョウ)の圧政に苦しむ古代中国へやってくる。ジェイド将軍の謀略によって石にされた孫悟空を甦らせるために、ジェイソンを助けて、道士(ジャッキー・チェン)、僧(ジェット・リー)、娘(リウ・イーフェイ)が共に旅をする。行く手にはジェイド将軍の命を受けた白髪魔女(リー・ピンピン)が……

カンフーオタクの少年がたくましく成長していくファンタジー・アドベンチャーで、健全な娯楽映画に仕上がっています。少年を指導するのが、ジャッキー・チェンとジェット・リーですから強くなるのは当り前なんですけどね。

往年の動きは期待できないものの、ジャッキーとリーの肉体アクションは見応えありますよ。それも、得意のカンフー・スタイルで見せてくれますからね。『酔拳』や『少林寺』で、ジャキーとリーのアクションに親しんできた私としては、それだけで嬉しいんだよォ。

 

 

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