『大怪獣プルガサリ』(1985年/監督:申相玉)
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国一番の鍛冶屋・タクセは、軍備強化を図る郡代によって農民から集めてきた釜や農具を槍や刀に鋳なおすように命じられる。タクセの弟子・インデは役人の暴虐を見かねて立ち上がるが役人に捕えられてしまう。タクセは村々から奪われてきた金物をプルガサリに食べられたと言って隠し、役人に拷問される。娘のアナとアミが食事を届けるが、役人に追い返されてしまう。タクセは最後の力をふりしぼって、残った一握りの米粒でプルガサリの人形を作る。タクセが死に、形見の人形が娘のもとに届けられる。その夜、針仕事をしていたアミは過って指を刺し、その血が人形の上に落ちる。すると人形は動き出し、またたく間に針を食べ、さらに身近にある金物を食べつくす。人形は金物を食べて巨大化していき…… 映画好きのキム・ジョンイルが企画製作した北朝鮮映画で、東宝の特撮陣が協力しています。プガサリはゴジラ役者の薩摩剣八郎が演じています。 日本の『大魔神』に似た設定ですが、北朝鮮の状況を皮肉っている感じですね。農民の困窮を権力で押さえつけて、軍備ばかりに力を注ぐキム・ジョンイル政権がプルガサリに倒されるんですよ。 申相玉は北朝鮮に拉致されてきた監督で、完成後の86年3月に脱北に成功し、無事亡命しています。その後、どうなったかは……? |
『怪獣大決戦ヤンガリー』(2000年/監督:シム・ヒョンレ)
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2億年前の大怪獣が、地球征服を企てる宇宙人によって復活し、大暴れする…… ヤンガリー(ヨンガリが正しいのかな?)は、韓国では誰もが知っている古典怪獣のキャラクターとのことですが、出演者は全てアメリカ人で、舞台もアメリカの地方都市。監督は韓国人ですが、CGを駆使したハリウッド産ゴジラと似たような作り方をしていますね。 宇宙人が怪獣を操って地球を征服だなんて、東宝の怪獣映画の悪影響を受けたような物語展開で、思わずズッコケましたよ。珍品以外の何物でもない作品で〜す。 『ガメラ』の特撮を担当した大映のスタッフが協力した純韓国産の『大怪獣ヨンガリ』が、1967年に制作されているそうです。 |
『グエムル 漢江の怪物』(2006年/監督:ポン・ジュノ)
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パク一家は漢江の河川敷で売店を営んでいたが、そこへ正体不明の怪物が現れ、河川敷にいた人々を襲いはじめる。パク一家の長男・カンドゥ(ソン・ガンホ)の一人娘ヒョンソ(コ・アソン)が怪物にさらわれる。一家は怪物のウイルスに感染した疑いで隔離されるが、携帯電話にヒョンソから助けを求める声が…… 怪獣映画かと思ったのですが、家族の連帯を謳った映画でした。国家の不手際によって危難を受けた家族が、あてにならない国家を頼らず、自分の力で道を開けという映画なんですね。怪獣映画であれば、怪物が生まれた原因や怪獣の特徴が説明されなければなりませんが、怪物は国家の不手際の象徴なので、どうでもいいわけです。 コミカルな部分に愚かしい庶民の姿を具現化しており、結末も単純なハッピーでなく辛口になっているところに、凄さを感じましたね。 ハリウッド的怪獣映画を期待した人はガッカリでしょうが、私にとっては意外な掘出物で満足で〜す。 |
『ディー・ウォーズ』(2007年/監督:シム・ヒョンレ)
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竜になろうとする大蛇が暴れまわって都会をブッ壊すだけの物語で、ストーリーや人間ドラマはないようなものです。 竜になって世界を支配しようとする邪悪な大蛇とその軍団が、竜になるための力を宿している女性(アマンダ・ブルックス)を狙うんですな。その女性を守るのが500年前から宿命づけられた青年(ジェーソン・ベア)で、二人はひたすら逃げ回るだけね。 500年前に邪悪な大蛇が竜になるのを防いだ韓国の男女が、何でアメリカで輪廻したのかわかりませ〜ん。 |