『かんかん虫は唄う』(1955年・大映/監督:三隅研次)
|
愛称トムで皆から慕われている富彦(勝新太郎)は、弟分の恩師・岡田が石炭成金の高瀬夫人の腕輪を盗んだ疑いで警察に拘引されたことを知り警察にかけあう。トムは盗難騒ぎの時、現場にいて岡田がなにもしていないことを目撃していたのだが相手にしてもらえない。高瀬(市川小太夫)は、岡田に貸している孤児院の土地にホテル建設を計画しており、岡田がジャマで警察に圧力をかけていたのだ。トムは高瀬に談判しようとするが…… カツシンの主演第1作目で、中村玉緒との初共演作。主題歌も歌っています。美声で歌も上手いのですが、後年の『座頭市』の主題歌のような深い味わいはありません。 かんかん虫というのは、船体についた牡蠣ガラやサビをハンマーで落とす職人の蔑称ですが、この時代設定がよくわかりません。服装や雰囲気は戦前の感じがしますね。 原作が吉川英治にしては珍しい現代物ですが、登場人物のキャラに時代劇の臭いがしま〜す。 |