映画は音楽から


『星の瞳をもつ男』(1962年・日活/監督:西河克己)

傷害事件の刑期を終えて榊英司(高橋英樹)が出所して家の戻ると、父はすでに亡くなっていた。弟の光郎(山内賢)は人気歌手になっていたが、家には寄りつかなかった。英司は幼馴染の冴子(吉永小百合)と逢い、彼女の父(中村是好)のオートバイ工場で働き始める。しかし、工場は借金で苦しく、冴子は芸大入学の夢をあきらめていた。元気を出そうと冴子が弾くオモチャのピアノの伴奏で英司が歌うのを、偶然河原で聞いた音楽事務所の香山千沙(吉行和子)は英司をスカウトする。光郎も千沙の事務所におり、兄弟で売出すが英司に人気が集まり、光郎は英司を恨む。英司は光郎を昔のような弟にしたいと思っていたが……

高橋英樹が歌う主題歌のレコードを持っていたので、内容が知りたくて観たのですが、トンデモ映画でした。高橋英樹が主題歌だけでなく、劇中で歌いまくる青春音楽映画で、山内賢や山内賢の恋人役・田代みどりの歌は聴けても高橋英樹はねェ。

ラストで仲直りした山内賢とミュジーカル仕立で歌うシーンは、あまりの陳腐さに目がテンになりましたよ。吉永小百合とのデュエット・シーンもあるし、珍品映画として記憶しておきましょう。

公開当時は裕次郎の『嵐を呼ぶ男』のセンを狙って、高橋英樹のカッコヨサを売出そうとしたのでしょうが……

 

『赤いグラス』(1966年・日活/監督:中平康)

航海から帰ってきた速水弘志(渡哲也)は恋人の典子(小林哲子)から、弘志の育ての親である東洋海運の速水社長が2ヶ月前に殺されたことを知らされる。速水社長が死んで一番得をしたのが副社長の神埼(神田隆)で、弘志は神埼が黒幕と考えるが証拠は何もなかった。典子の兄(六本木真)が何か知っているようだったが、彼も行方不明になり……

アイ・ジョージのヒット曲をモチーフにした作品かと思ったのですが全然そうなっていません。題名の赤いグラスだけが中に浮いている感じです。モノクロ映画なので赤いグラスを印象づけることができないと考えたのでしょうかね。

とにかく、理屈にあわない物語展開でシラケます。目撃者を殺さなかったマヌケな殺し屋、放っとけばいいのに不必要な行動をする黒幕、何も考えないで行動する頭の悪い主人公、主人公のジャマにしかならない恋人、目的がわからない流れ者(これがアイ・ジョージで、やたらとカッコつけていますが、本人だけが満足している感じです)、訳知り顔で語るだけの居なくてもいいような酒場のマスター、納得できない登場人物ばかりです。脚本もいい加減なら、中平康の演出も凡庸。怒りの大放屁、チャブ台返し!

ちなみに、志摩ちなみも歌手として出ていましたが、アイ・ジョージとの主題歌のデュエットはありません。

 

 

トップへ    目次へ