西洋チャンバラ


マスター・アンド・コマンダー(2003年/ピーター・ウィアー)

1805年、ナポレオンのヨーロッパ侵略に対して、ブラジル沖の海上でも英国の軍艦サプライズ号が、フランスの私掠船・アケロン号と戦火を交えていた。スピード・砲門数・装甲に勝るアケロン号の攻撃にサプライズ号は、からくも霧の中に脱出する。アケロン号のジャック艦長(ラッセル・クロウ)は、艦の修理を終えるとアケロン号の追跡を開始する……

本格的な海洋アドベンチャーで、期待していた以上に良い出来ばえです。女性が登場しないというだけでなく、男の生き方を描いた男の映画です。

見習い士官として3人の少年が登場しますが、一人前の男として扱われています。少年であっても、士官なのですから責任は重く、一人は片腕を戦闘で失い、一人は重責のあまり弾丸を抱いて投身自殺をし、一人は戦死します。結果だけを見れば暗い内容ですが、その行動のたくましさに感動しましたよ。

ジャック艦長とスティーブン医師(ポール・ベタニー)との友情の描き方も良し。続編を期待させる終わり方になっていますが、興行的にコケたそうですから期待できませんかね。

 

三銃士(1993年/監督:スティーブン・ヘレク)

時は17世紀、国王の近衛銃士隊に入るためにパリにきたダルタニアン(クリス・オドネル)だったが、狡猾なリシュリュー枢機卿(ティム・カリー)によって銃士隊は解散させられていた。しかし、リシュリュー卿に反抗する三銃士アトス(キーファー・サザーランド)、アラミス(チャーリー・シーン)、ポルトス(オリヴァー・プラット)と意気投合し、リシュリュー卿の野望を阻止することを誓う。リシュリュー卿は英国と手を結び、国王を失脚させるためにミラディ(レベッカ・デーモネイ)を条約締結の使者として派遣するが……

毎度おなじみアレクサンドル・デュマの“三銃士”の物語。ディズニー映画らしい単純明快・勧善懲悪な内容となっています。セットや衣装には結構金をかけているようで見応えがあります。

チャンバラは上手とはいえませんが、オドネルとマイケル・ウィンコット(ロシュフォール伯爵)のラストの階段での決闘は、それなりに見せてくれましたね。

悪女としては物足らなさがあるけど、レベッカ・デーモネイは、やっぱりイイなァ。

蛇足ですが、主題歌「オール・フォー・ラブ」は、スティング、ブライアン・アダムス、ロッド・スチュアートの3人が歌っています。

 

三銃士(1948年/監督:ジョージ・シドニー)

時は17世紀、ルイ13世治世下のフランス、田舎貴族の息子・ダルタニアン(ジーン・ケリー)はパリにやって来て近衛銃士隊に入る。ひょんなことから豪勇をもってなる三銃士アトス(ヴァン・ヘフリン)、アラミス(ロバート・クート)、ポルトス(ギグ・ヤング)と意気投合し、国王へ忠誠を誓う。アン皇后(アンジェラ・ランズベリー)の侍女コンスタンス(ジューン・アリスン)を宰相リシュリュー卿(ヴィンセント・プライス)の部下から救ったことから二人は相愛の仲になる。リシュリュー卿はアン皇后とイギリス宰相バッキンガム公の恋をタネに国王を煽って戦争を起こそうとしていた……

ジーン・ケリーがダンスのノリで軽やかなチャンバラを見せてくれます。スピーディーでアクロバチックな動きは、ジーン・ケリーならではですね。

悪女ミラディのラナ・ターナーも妖艶さイッパイでグッドです。悪女は金髪が似合いますねェ。当時人気バツグンだったジューン・アリスンには、私はあまり魅力を感じないんですよ。清純派より悪女が好きで〜す。

 

花咲ける騎士道(2003年/監督:ジェラール・クラブジック)

ジェラール・フィリップが主演した1952年の同名作品を、リュック・ベンソンが製作・脚本でリメイク。

ファンファンのヴァンサン・ペレーズはジェラール・フィリップほど美男子でなく、アドリーヌのペネロペ・クルスはジーナ・ロロブリジーダほど艶っぽくありませんが、色彩豊かなロマンに満ちた作品に仕上がっていました。

ハリウッドのノンストップ・アクションに辟易していた私としては、エスプリ溢れるフランス映画を満喫できて嬉しいので〜す。

 

プリンセス・ブライド・ストーリー(1987年/監督:ロブ・ライナー)

風邪で寝ている少年を見舞いにきたお祖父さん(ピーター・フォーク)が、孫に「プリンセス・ブライド・ストーリー」なる本を読んできかせる。ウエスリー(ケーリー・エルウィズ)とキンポウゲ(ロビン・ライト)は恋人同士だったが、旅に出たウエスリーが消息を絶ち、キンポウゲは王子(クリス・サランドン)と結婚する羽目になる。王子はキンポウゲを敵国に拐われたことにして戦争を起こそうと考えていた。王子に頼まれた盗賊三人によって、キンポウゲは誘拐されるが、黒覆面の剣士に救出される。黒覆面の正体は恋人のウエスリーだったが……

プロレスラーのアンドレ・ザ・ジャイアントが出演しており、映画の中でも大巨人ぶりを見せてくれて嬉しかったですね。ケーリー・エルウィズとマンディ・パティンキンのチャンバラもサマになっていて、颯爽としているのも良かったです。ロビン・ライトも魅力的だったし、意外によく出来た作品で〜す。

 

 

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