荒野の決闘(雑感)


元ネタの『フロンティア・マーシャル』(2005年4月)

ランドルフ・スコット

ジョン・フォードの名作『荒野の決闘』が、『フロンティア・マーシャル』(1939年/監督:アラン・ドワン)のリメイクであることは、西部劇ファンなら周知のことで、機会があれば観たいと思っていた作品で〜す。

銀鉱山ブームにわくトゥームストンで、ワイアット・アープ(ランドルフ・スコット)は酒場で酔っ払って拳銃を射ちまくるインディアン・チャーリーを単身取り押さえる。それをよく思わないカウボーイたちの不意打ちをくらい、アープはのされてしまう。一度は保安官になることを辞退したアープだったが、無法者たちの横暴を抑えるために保安官となる。酒場で決闘を吹っかけていたドク・ホリデー(シーザー・ロメロ)を、彼が咳き込んだ隙に射ち殺そうとした賭博師からアープが救ったことから、ドクとアープの間に友情が芽生え……

『荒野の決闘』のような格調はありませんが、B級西部劇の面白さにあふれていましたね。とにかく、やたらと射ち合いが多いんですよ。『荒野の決闘』では単なる酔っ払いのインディアンだったインディアン・チャーリーが、この作品では凶悪犯でアープに射ち殺されます。ちなみに、インディアン・チャーリー役は両作品ともチャールズ・スティーブンスでした。

ドクに惚れている酒場女ジェリー(ビニー・バーンズ)が、イカサマ・ポーカーに手を貸してアープに水槽へ押し倒されるシーンや、ドクを捜しに東部からやってきたサラ・アレン(ナンシー・ケリー)とジェリーの恋のサヤ当など、『荒野の決闘』にもあったシーンが多々でてきますが、大きな違いは“OKコラルの決闘”です。クラントン一家が出てこないんですよ。

射ち合いで巻き添えとなった少年の手術を終えて酒場から出てきたドク・ホリデーが、カーリー・ビルの闇討ちにあって殺され、アープがカーリー・ビルを追って“OKコラル”で倒すんです。トゥームストンを牛耳ろうとしていた酒場のオーナーで、悪党たちのボス的存在であったベン・カーター(ジョン・キャラダイン)は途中から姿が見えなくなって、アレレ。

真実がどうだとか、演出がどうだとかを考えずに、気軽に楽しむ作品で〜す。

 

 

 

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