ハワード・ホークス映画祭(2000年2月)
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東京国立近代美術館フィルムセンターで開催されている“ハワード・ホークス映画祭”に行きました。この映画祭は11月30日から3月2日まで、ホークスが監督した作品だけでなく、関係した作品まで含めて、ホークス映画を一挙に上映するというホークス・ファンにはたまらない催しです。 今回の上映から外されたのは、フィルムが現存しない作品『栄光への道』(1926)、『空中サーカス』(1928)以外では、『新旧恋の三段返し』(1927)、『光に叛く者』(1931)、『今日限りの命』(1933)、『人生模様・第四話 酋長の身代金』(1952)、『男性の好きなスポーツ』(1964)だけだから、驚くべきことですよ。 だけど、運営面は少し考えてもらいたいな。入場料が学生1400円、一般1500円というのは少し高いですね。ロードショー劇場とあまり変わらない値段だもの。毎日見に行く暇があっても、資金面でつらいものがありますね。逆に暇のない私たちサラリーマンにとって、日曜日が休館というのもね。 |
ところで、私はといいますと、西部劇を見に行ったんです。なんとか時間の都合をつけて、『果てしなき蒼空』、『ならず者』、『リオ・ブラボー』を見ることができました。劇場で見たホークスの西部劇は『エル・ドラド』だけなんで、できるだけこの機会に、大画面で西部劇を堪能しようと思ってるんです。特に、未見の『奇傑パンチョ』だけは何としても見なくちゃあ……。 2月29日、フィルムセンターで『リオ・ロボ』を見る。これでもって、ホークス映画祭におけるホークス西部劇7本を全て見たことになります。やっぱり、大画面で見る西部劇はいですね。暇だったら見に行こうという軽い気持ちが、どうしても見なくちゃあという気分に変わりましたからね。 だけど、気に入らない点が二つありました。一つは、フィルムの継ぎが悪いこと。瞬間的ではあるが、映像が止まったり、逆に跳んだりして、見ていてイライラしました。二つ目は、スクリーンサイズ。私が映画館で見たのは『エル・ドラド』だけですが、記憶にあるのは1×1.85のビスタサイズでした。ところが、上映されたのはスタンダードサイズで、両端が切れていたような気がします。公開時と同じフィルムで見せて欲しかったなあ。 だけど、今回の収穫はなんといっても、未見だった『奇傑パンチョ』です。これは正確にはホークス西部劇とはいえない(監督はジャック・コンウェイ)のですが、映画の主要部分であるメキシコ撮影はハワード・ホークスが撮っているんですよ。 ウォーレス・ビアリーは初見参でしたが、いっぺんに好きになってしまいました。でかい図体に、悪党面なのにどこか愛敬のある顔、ガラガラ声のユーモラスな演技は抜群。マネー・メーキング・スターだった理由がわかりましたよ。 |