ジャッキ・チェンのアクション


『醒拳』(1982年/監督:チェン・チュアン)

『蛇拳』に始まるジャッキー・チェンの一連のコミカル・カンフーアクション最後の作品です。二人一組で攻撃する必殺技・鬼影の使い手である天鬼・地鬼という極悪武道家に親を殺されたジャッキーが、同じように親を殺された従兄弟と協力しあって親の敵を討つという内容で、日本の時代劇に置き換えることができるようなストーリーですね。

妖術を使う兄弟に率いられた野武士の一団に領地を奪われ、武術指南役の親子と領主の息子と子守役が城から逃れるんですな。しかし、執拗な追っ手に、指南役と領主の息子、子守役と指南役の息子といった組み合わせで離れ離れになります。指南役と領主の息子は山で剣の修行をし、子守役と指南役の息子は隣国の豪族に救われて成長していきます。指南役は旅の武芸者との試合で卑怯な方法で敗れて命を失い、剣客に成長した領主の息子は敵を討ちに山を下ります。一方、指南役の息子も文武に秀でた若者に成長し、ひょんなことから二人は再会します。指南役の息子と豪族のオテンバ娘が好きあっていることに娘の従兄弟が嫉妬して、野武士から今では領主となっている極悪兄弟の手先となって豪族を裏切り……といった東映時代劇の定型パターンを思い浮かべてしまいました。

アクションの方は、ネタぎれのせいか、笑って感心するものがなく、残念!

 

『スパルタンX』(1984年/監督:サモ・ハン・キンポー)

スペインのバルセロナを舞台に、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポーの三人が大暴れするコメディ・アクションです。以前に観た時は日本語吹替えで違和感がなかったのですが、白人たちが中国語で喋るのは異様な感じですね。

トーマス(ジャッキー・チェン)とデビッド(ユン・ピョウ)は、キッチン・カー(車の名前がスパルタン号)で屋台営業しているのですが、ギャングに追われていた美人スリのシルビア(ローラ・ファルネル)を助けたことから事件に巻き込まれていきます。シルビアは莫大な遺産相続人で、2週間以内に名乗り出ないと、遺産は叔父である悪い伯爵のものになるんですな。

しかし、シルビアは伯爵一味に拉致され、二人の友人で、シルビアを捜していた探偵のモビー(サモ・ハン・キンポー)も加わり、伯爵の城に乗り込みます。伯爵一味には強い用心棒(マーシャルアーツの世界チャンピオンだったベニー・ユキーデなのだ)がいて、カンフーの達人トーマスでも歯が立ちません。ジャッキーとユキーデの格闘アクションが見せ場です。二人の生身の格闘は見ごたえがありますよ。

精神病院ネタなどのギャグは泥臭く、ストーリーも平凡ですが、アクションだけは満足で〜す。

 

 

トップへ    目次へ