(1968年・東映)
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(スタッフ) 監 督:佐藤純彌
脚 本:石松愛弘 撮 影:星島一郎
音 楽:八木正生 (キャスト) ケン・カトウ……高倉健
ケンの父 ……志村喬
マービン ……ケネス・グッドレッド
ローザ ……モーリン・サリバン
マイク ……ケブン・クーニィー
フランコ ……ロン・リー
カースン ……ヨー・シャー・ウッド |
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(感 想) 5人の無法者(カースン、フランコ、ダンカン、チェック、ビリー)に両親を殺されたケンが、老ガンマンのマービンに拳銃のテクニックを習い、目指す敵に復讐する痛快西部劇……になっていない困った作品。
強盗に襲われて死体だけを乗せた駅馬車が荒野を疾走するオープニングは、西部劇の雰囲気が出ていてグッドなんですが、まともに見れるのはこのシーンだけで〜す。
ケンの父親は咸臨丸でアメリカにやって来たサムライなんですが、病気に罹ってアメリカに残り、開拓者となっています。ケンの母親は白人なんですが、健さんは混血には全然見えませ〜ん。
母親がインディアンだったら納得がいくんですがね。 |
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5人の男が、水を求めてケンの家に来るんですが、彼らが駅馬車強盗とわかります。ケンの父が居合でフランコの片腕を斬り落としますが、他の連中に射ち殺されます。母親もケンをかばって射ち殺されます。ケンが死んだかどうかも確認せずに立ち去るなんて、マヌケな無法者だ。
彼らを追う旅の途中でケンはマービンという老ガンマンに出会います。でもって、マービンから拳銃の手ほどきを受けるんですね。拳銃の抜き射ちをの居合の呼吸でマスターします。
拳銃のファースト・ドローと居合斬りは、テクニック的には全く違うものなんですがねェ。
それから、あんなにコインに穴をあけて、もったいないよなァ。 |
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ある日、マービンが命を狙われ、二人で返り射ちにしますが、命乞いをする相手を、「生かしておいては、また命が狙われる」と言ってマービンが射ち殺します。
ケンは、「アンタにゃ、ついていけない」とばかりに、マービンと別れます。
この辺の設定は、マカロニ・ウエスタンの『怒りの荒野』や『新・夕陽のガンマン』から頂いている感じですね。
町に行ったケンは、酒場で5人の一人ビリーを見つけ、格闘になります。この格闘が実にショッパイ。ドタバタしているだけで、アクションになっていないんですよ。
ビリーはイカサマがバレて、縛り首になろうとした時、マービンがビリーを助けます。マービンはビリーの父親だったんです。ケンは二人に追いつき、マービンはビリーに1対1でケンと正々堂々戦うように命じます。しかし、ビリーは後ろからケンを射とうとして、マービンに殺されます。
ビリーから、敵の一人フランコの行方を聞いたケンは、フランコの牧場へ行きます。フランコは留守でしたが、フランコの息子マイクと仲良くなり、荒馬を乗りこなしたことから牧場に雇われます。
ケンが牧場の牛を追っていたら、牛泥棒と間違われ、縛られて馬で引きずりまわされます。ケガをしたケンは、フランコの妻ローザに納屋で介抱されます。
荒馬乗りや、馬での引きずりまわしといった西部劇でのお馴染みのシーンが、全然迫力な〜い。落馬シーンにしても、前述した格闘シーンにしても、西部劇のスタントマンを使っておらず、素人芸の世界だよォ。
マービンとビリーの悲しき父子関係とか、ケンに好意を持つ人妻の登場とかで、内容がドンドンひどくなっていきま〜す。 |
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フランコが帰ってきて、ケンの正体を知り、ケンを殺そうとしますが、納屋にいたマービンがケンを助けます。「ローザとマイクの前で殺し合いをしたくない」と言うケンの提案で、町で決闘することにフランコは同意しますが、フランコはダンカンとチェックを呼び寄せ、彼らを町に行かせます。
ダンカンとチェックは、酒場でケンとマービンを待伏せします。不意射ちをくらったマービンは倒れますが、ケンがダンカンとチェックを倒します。マービンを埋葬したケンは牧場に引き返し、怒りのあまりマイクの前でフランコを殺します。マイクの恨みのこもった弾丸を受けケンは、ローザの応急手当を受け、保安官に引き渡されます。しかし、保安官は町の有力者となっていたカースンの手先で、ケンを治療しないままに殺すつもりだったんです。ケンは脱獄すると、ローザのところへ行き、マイクに自分を殺して仇を討つように言います。しかし、ローザは、ケンがフランコを殺した理由を知り、ケンの介護をします。
おいおい、マイクに討たれてやるのは、カースンを殺してからだろう。ケンの行動は、極めて情緒不安定で、イジイジして意気があがりませ〜ん。 |
ローザの献身的な介護のおかげで、ケンは一命をとりとめ元気になりますが、牧童たちは全員、牧場を去り、ケンが牧場を手伝います。ケンとローザが仲良く仕事をしているのを見て、マイクは家をとびだし、牛の暴走に巻き込まれます。ケンがマイクを助けますが、マイクは大ケガをします。
医者はカースンの屋敷に捕らえられており、ケンがカースンの屋敷に殴り込みをかけ、カースンを倒します。マイクは、自分を救ってくれたのがケンだとわかり、恨みを捨てます。ケンは、マイクとローザに別れを告げ、旅立ちます。エンド。
カースンの屋敷に殴り込む前に、カースンが雇った黒づくめの殺し屋とケンの決闘シーンがあるんですが、この殺し屋が貧相で全然迫力なし。健さんのガンベルト射ちにあって、あっさり殺されて退場します。とにかく、中途半端なんですよ。
折角オーストラリアでロケして、西部劇の雰囲気を出しても、出演料の安いアルバイト役者とおぼしき外人俳優ばかり。その上、西部劇のスタントマンも使っていないんじゃないかなァ。西部劇のアクションができていないんですよ。
ケンの復讐物語に主題を絞って、5人の無法者との戦いに工夫を凝らせば、もっと力強い内容になったと思うのですが、仇の妻子との愛憎などという陳腐な話を挿入して、ダラケちゃってますね。 最低レベルのマカロニ・ウエスタンより、出来の悪いウエスタンで〜す。 |