西部劇マンガ


 

『黒い野牛』(マンガショップ)

堀江卓:著

2007年2月2日 初版発行

 

1961年に「少年マガジン」の35号〜52号に連載されたものを単行本化したものです。1961年といえば、西部劇ブームの頃で、西部劇マンガも色々ありました。だけどこれは、ブッ飛んでいますよ。

最後の一人となった甲賀忍者が父親を捜しにアメリカ西部に行くのですが、父親がインディアンの酋長になっていることを主人公に知らせにきたインディアンはどうやって日本に来たんだ? 次のページでは二人ともアメリカ西部にいて、理屈なんてないんですね。アメリカには、主人公より一足早く宿敵である伊賀忍者も来ていて、悪いインディアンに忍法を教えているんですな。その悪いインディアンが忍法を使って騎兵隊の砦を襲うのですが、それを主人公が援けるわけです。西部を舞台に忍者の戦いが行なわれるんです。

ガントリックガン(ガトリングガンではなくジャンゴ機関銃みたいなもの)のお婆とか、脱走した死刑囚を引き連れた囚人幌馬車隊とか、悪党も魅力があります。

黒い野牛というのはインディアンが主人公につけた名前で、彼の得意技はライフルをつかった必殺!真空射ち。マカロニウエスタンよりも荒唐無稽な物語が展開していき、満足、満足です。

 

『拳銃王子』(マンガショップ)

南波健二:絵(真樹日佐夫:作)

2007年5月2日 初版発行

 

1972年に「少年チャンピオン」の19号〜35号に連載されたものを単行本化したものです。1972年といえば「少年ジャンプ」で『荒野の少年イサム』が人気をはくしており、西部劇マンガを受け入れる環境があったんですね。

内容は、名保安官だった父親が何者かに殺され、息子が東部から帰ってきて父の後を継いで保安官となり、町を支配しようとする悪い牧場主と戦うという、オーソドックスな西部劇です。西部劇映画によくあるパターンをマンガにしただけで、驚きはありませ〜ん。

 

『PEPPER=ペッパー』(ぶんか社)

たがみよしひさ:著

2008年2月1日 初版発行

 

1991年に秋田書店から発売された書き下ろし単行本の復刻版です。

黄金の彫金が施されたナックルダスター銃を持つ主人公ペッパーが、失われた過去と謎の財宝を求めて悪党たちと戦う物語です。同様の彫金銃が14丁あるのですが、銃の種類が全部違うというのがお楽しみ。著者が銃好きだということがわかります。クローバーリーフやサベージなんて西部劇で普段お目にかかることなんてないですからねェ。

 

『ピースメーカー』(ヤングジャンプ・コミックス)

皆川亮二:著

2008年1月23日発行

 

西部劇マンガといっても架空の世界が舞台なんですけどね。

主人公は父の形見のコルトSAAを持って、兄を捜す旅をしています。少女を救ったことから殺戮集団・深紅の処刑人から狙われ、早射ちの腕前を見せたことから訪れる町々で決闘を挑まれることになるんですな。スポットバーストショット、ゲットオフスリーショット、ツイストドローとか、嘘かホントかわからないようなガンプレイを見せてくれます。

小文字で書かれた捨て台詞が面白〜い。

 

 

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