西部小説


『荒野のホームズ』(ハヤカワミステリ)

スティーヴ・ホッケンスミス:著(日暮雅通:訳)

2008年7月15日初版発行

 

主人公はホームズに心酔するカウボーイです。ワトソン役は本書の語り手でもある主人公の弟ね。

胡散臭い牧場に雇われたカウボーイ兄弟が、牧場で起こった事件を推理し、解決するのです。牧場の支配人が牛のスタンピードにより判別もつかないほどのグチャグチャの死体で発見され、牧場のオーナー一家がイギリスから視察にやってきて、今度は黒人カウボーイの死体が密室状態の屋外便所で発見されます。

犯罪トリックはありふれたものですが、19世紀末の西部を舞台にしたことがユニークですね。カウボーイ生活の描写などは、完全に西部小説ですよ。

アメリカではシリーズとして長編4作が刊行されており、日本でも2作目が刊行予定とのこと。今から楽しみにしていま〜す。

 

『荒野のホームズ、西へ行く』(ハヤカワミステリ)

スティーヴ・ホッケンスミス:著(日暮雅通:訳)

2009年6月15日初版発行

 

グスタフとオットーのアムリングマイヤー兄弟が活躍する“荒野のホームズ”の第2作目です。列車強盗対策用にサザン・パシフィック鉄道の鉄道保安官として雇われた二人は、サンフランシスコ行きの急行列車に乗り込むのですが、手荷物係が殺される事件が発生します。事件捜査中に列車強盗が現われ、何とか撃退するものの、犯人に間違われたホーボー(無賃乗客)も殺されます。貨物車両に積んであった荷物に不審を持ったグスタフは、単純な列車強盗でないと推理するんですな。

ブレーキの壊れた手押しトロッコでの犯人追跡からラストに向けてはノンストップ・アクションが展開され、機関車での闘いは真に西部劇ですね。

 

 

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