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『六番目の男』(ハヤカワ・ポケット・ブック) フランク・グルーバー:著(尾坂力:訳) 1956年5月15日 第1刷発行 西部劇の先輩から頂いた年代物の西部小説。 ユタ州の奥地でインディアンに5人の男が殺される。殺された5人の中に父親がいたスレイターは、父からの手紙で6番目の男の存在を知り、6番目の男を捜していく先々で色々な事件に遭遇する。 ジョン・スタージェスによって映画化されていますが、6番目の男の正体は映画とは異なります。でもって、映画より小説の方が面白いですよ。テキサス・レンジャーのリアンダー・マクネリーが登場したりしてね。 何しろ古い本で、駅伝騎馬郵便(ポニー・エキスプレス)、海軍式コルト拳銃(コルト・ネイビー・モデル)なんて訳にぶつかると、年代を感じます。 |
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『峡谷の銃声』(新鋭社) マックス・ブランド:著(有高扶桑:訳) 1958年1月15日 第1刷発行 お尋ね者のリアノンは、追ってきた保安官のキャラダックを防衛のために射つが、手厚い看護で命を救う。そして、放ったらかしにされていたキャラダックの農場で働くうちに二人の間に友情が芽生える。ある日、隣地の大牧場・ディー一家に殺されたモーガン一族の美女と出会い…… |
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『ブレット・ハート短篇集』(研究社新訳註業書) ブレット・ハート:著(植村郁夫:訳) 1952年10月1日 初版発行 ページ見開き半分が英語の原本で、半分が訳文という英語教材本です。 1850年代のカリフォルニアを舞台に、そこに生きる坑夫や賭博師、酒場の女を題材にした6つの西部小説が収められています。 「ロアリング・キャンプのラック」は、親を失ったインディアンの赤ん坊を、金鉱さがしの坑夫たちが皆で世話をする話なのですが、その設定が山川惣治の『荒野の少年イサム』の最初の部分と全く同じなんです。 ロアリング・キャンプの連中は、悪いことをして役人に追われている者やら、飲んだくれやら、ケンカ好きやら、何をやってもうまくいかないでヤケになって故郷をとびだしてきた者やらで、荒んだ生活をしていたのですが、赤ん坊の無邪気さに心が和み、ラックと名付けて崇拝するんですね。父と離ればなれになった赤ん坊のイサムがロッテン・キャンプ(名前まで似ている)の荒くれ男たちに拾われ、サンボーイと呼ばれて可愛がられるのと同じです。そして、キャンプが洪水で跡形もなく流されるところもね。 山川惣治は、西部劇(絵物語)のアイデアを西部小説を参考にしたと語っていましたから、この小説が元ネタになっていることが考えられます。 |
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『西部開拓決闘史』(平和新書) 大森貝介:著 1964年3月10日 初版発行 実録とありますが、ダイムノベルを元にしたフィクションです。 “ワイルド・ビル・ヒコック”の話は映画『平原児』とまるで同じだし、“ワイアット・アープ”の話には、「OKコラルの決闘」の後日談が全く触れられておらず、コロラド州知事から招きでトゥームストンを立ち去った後、コロラドで余生を過ごしたとあるんですよ。 著者の大森貝介氏は、日本新聞協会放送課長のかたわら、拳銃ならぬペンを持ち、放送評論、推理小説評、西部物、SFまで幅広く活躍している(本誌、著者紹介)とのことだけど、こんないい加減な内容で本になるんだから、1964年当時はノドカなものだったんですね。 |
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『大きな森の小さな家』(角川文庫) ローラ・インガルス・ワイルダー:著(中村凪子:訳) 1991年9月20日 第5刷発行 200ページに満たない薄い文庫本なので簡単に読めました。 ローラが自分の体験を書いた本は全部で7冊あり、これは第1作目です。 『大草原の小さな家』以前の物語で、1872年のウィスコンシン州の大きな森の中の一軒家に住むローラの5歳の誕生日から始まります。 西部開拓時代の生活が少女の目を通して描かれているんですね。都会生活に疲れた時、自然の中で生き抜く一家の物語は癒しになりますねェ。 『大草原の小さな家』(角川文庫) ローラ・インガルス・ワイルダー:著(中村凪子:訳) 1993年5月10日 第3刷発行 父親は家を作り、野に出て獲物をとり、畑を耕して作物を育てる。母親は、炊事・掃除・洗濯に子供たちの教育。子供たちは、親の言いつけを守る。そして、互いに協力しあって暮らしていく。現在では失われた理想の家族像で〜す。 |
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