DVDで観たテレビ西部劇


『バッファロー・ビルの冒険』

バッファロー・ビルに憧れてジュニアを名乗る若者(ディック・ジョーンズ)が、妹のカラミティ(ナンシー・・ギルバート)と養父の判事を助けて悪と戦う物語です。

主演のディック・ジョーンズは『テキサス平原児』でも動きのよいアクションを見せていましたが、この作品でも毎回スタントなしの素晴しい乗馬と殴り合いを見せてくれます。小柄で足が短いので女性ファンは……?

私が好きだった西部劇で、テレビ創生期の1957年にKRT(現:TBS)系列で放送されていましたが、私が観たのはずっと後なので再放送されたものでしょう。

このDVDには「ブーマーさんの大失敗」、「ジョニー・リンゴーの死」、「エンパイア峡谷」の3本が収録されていますが、お子様西部劇といっても映画フィルムを使い回ししたりして、子供にとっては迫力満点です。

今回見直して嬉しくなったのは、「ブーマーさんの大失敗」には悪党役でリー・ヴァン・クリーフが、「ジョニー・リンゴーの死」にはジョニー・リンゴーの恋人役でアンジー・ディキンソンがゲスト出演していたことで〜す。

 

『幌馬車隊』

アメリカでは1957年から65年にかけて8シーズン(全284話)続いた人気西部劇で、日本では1960年からNTV系列で第3シ−ズンまでの104本が放送されました。

このDVDには「もうひとりのビル・ホークス」、「マラカイ・ホバート物語」、「デンカー先生の願い」の3本が収録されていますが、おそらく未放映のエピソードじゃないでしょうか。というのは、幌馬車隊の隊長がジョン・マッキンタイアになっているからです。

第3シ−ズンまではワード・ボンドが隊長役でしたが、1960年11月に心臓病で急死してマッキンタイアに代わりました。資料によると、ワード・ボンドが出演した最後のエピソードは、ジョン・フォードが演出し、ジョン・ウェインがカメオ出演(クレジットには、マイケル・モリスと表示)しているとのこと。実は、このエピソードを観たかったんですよね。

期待通りには行かなくても、せめてワード・ボンドが出演しているエピソードを収録して欲しかったなァ。

 

『アリゾナ・トム』

主人公のトム・ブルースター(ウィル・ハッチンス)は弁護士志望の青年で、常に法律書を持ち歩いて勉強しています。派手な銃撃戦はありませんが、主人公のキャラが魅力の西部劇でしたね。

1960年にNHKで毎週日曜日12:15〜13:00に放送され、NHK好みのドラマだったのですが、それでも暴力追放の煽りを受けて、たった3ヶ月(12本)で終了してしまいました。後にフジテレビで『シュガーフット』と改題(これが原題)されて56本放映されているのですが、これは観ていません。

このDVDに収録されているのは「カナリアの帰還」の1本だけ。カナリアといっても鳥ではありませんぞ。トムの従兄弟のカナリア・キッド(ウィル・ハッチンスの二役)一味を捕まえるために、トムがカナリア・キッドに化けて一味に加わるのですが、そこへ刑務所を脱走した本物のカナリア・キッドが帰ってくるのです。射ちあいは音だけ聞かせ、死人もケガ人も出ません。健全西部劇ですよ。トムが協力する騎兵大尉役で『コルト45』のウエイド・プレストンが出演していました。

それにしても、収録しているのが、たった1本だけとはねェ。

 

『アリゾナレンジャー』

1959年から60年にかけてNET(現:テレビ朝日)系列で放送されていたらしいのですが、私にとって未見の西部劇です。

主人公のトム・ライニング(トリス・コッフィン)は実在したアリゾナレンジャーの隊長でした。資料によると、彼は1866年にウィスコンシンに生まれ、12歳で両親を亡くした後、親類の家を転々として16歳の時にテキサスでカウボーイになります。その後、第8騎兵隊やラフライダーズで勇名を上げ、ルーズベルト大統領に乞われて、1902年にアリゾナレンジャーの隊長に就任します。隊員は彼を含めてたった26人(原題の26MEN)で、主として国境に出没するメキシコ盗賊退治に活躍しました。

このDVDには、「ツーソンの死人」、「密輸事件」、「ビッグ・ロープ」の3本が収録されていますが、「密輸事件」なんか、実際にあったエピソードのような気がします。

ところで、「ツーソンの死人」には、『ウエストサイド物語』に主演したリチャード・ベイマーが無法者の弟役で出演していましたよ。

 

『胸に輝く銀の星』

アメリカでは2シーズン78本が放映されましたが、日本では1961年にフジテレビ系列で39本が放映されました。毎週金曜日19時からの30分番組で『アニよ銃をとれ』の後番組でしたね。

ヘンリー・フォンダが出演している西部劇ということで話題になったのですが、ドラマの初めか終りに、ほんのちょっと顔を出す程度で、評判が悪かったですね。私もフォンダに期待して観ていたのですが、内容的には悪くない西部劇で、『アニよ銃をとれ』より面白かった記憶があります。

このDVDには、「苦渋の選択」と「首つりの木」の2本が収録されていますが、「苦渋の選択」ではフォンダが最初から最後まで姿を見せているので満足です。それと、この収録エピソードは第2シーズンのもので、日本では未放映じゃないかな。セミレギュラー的な片目の軍曹の記憶がないんですよ。

ところで、原題の“THE DEPUTY”は、保安官代理のことで、最初フォンダ扮するサイモン・フライはシェリフで、主人公のクレイ(アラン・ケース)はデピュティ・シェリフだと思っていたのですが、デピュティ・マーシャル(町保安官補)でした。フォンダはチーフ・マーシャルなんですが、このチーフ・マーシャルという職責がわからない。星の数ほどある西部劇でチーフ・マーシャルが出てきたのは、このシリーズだけじゃないかなァ。

 

 

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