ボナンザ


テレビ西部劇『ボナンザ』のDVDボックスで、シーズン1のエピソード15本とシーズン2のエピソード18本を観ました。『ボナンザ』は、父親のベン(ローン・グリーン)を中心にアダム(パーネル・ロバーツ)、ホス(ダン・ブロッカ)、ジョー(マイケル・ランドン)の三人兄弟が互いに助けあって牧場を守っていく物語です。

アメリカでは1959年から15年以上続いた人気西部劇で、日本では1960年7月から放送されました。最初は月曜日の7時〜8時放送でしたが、私が観たのは1963年に『カートライト兄弟』とタイトル変更された土曜日8時〜9時放送分からでした。『ボナンザ』はシーズン1からカラーで製作されていましたが、当時の日本でカラーテレビを見ていた人って、何人いたでしょうかね。

DVDは字幕ですが、放送時はもちろん吹替えでした。最初と二度目(カートライト兄弟)では声優が異なります。ベンは高塔正康→市川中車、アダムは保科三良→戸浦六宏、ホスは西桂太→相模武、ジョーは朝戸正明→関根信昭に変わりました。歌舞伎の市川中車が吹替えを担当したことで話題になったことを憶えています。

カートライト一家の他に、セミレギュラーとして出演していた中国人コックのホプシンも忘れられませんね。

カートライトの三人兄弟は母親が全部違っています。今回のDVDではアダムの母親のエピソードは出てきませんでしたが、ホスとジョーの母親については出てきました。ホスの母親はノルウェー人で、バイキングの末裔です。母親の弟(ネヴィル・ブランド)は無法者のリーダーになっていて、カートライト家を訪ねてきます。彼がベンのことをベンジャミンと呼んでいたので、ベンの正式名もわかりました。

ジョーの母親はマリーといいまして、ニューオリンズの歓楽街で水商売をしていたようですね。フランス人なので、『モンテ・ウォルシュ』のジャンヌ・モローのような女性かも。ベンはマリーの過去など意に介せず結婚してジョセフ(ジョーは愛称)が生まれたのです。日本語吹替えではわからなかったのですが、ベンはジョーを呼ぶ時にジョセフと言っています。

『ボナンザ』の舞台は、ネバダ州のポンデローサ地区とバージニアシティ周辺となっています。今回、タイトルにでてくる地図がおかしいのに気づきました。その地図ではカーソンシティとリノが東西の位置になっています。実際のカーソンシティとリノは南北の位置関係になります。それにネバダとカリフォルニアはタフ湖をはさんで東西に位置しています。地図の上部が北でなく東なんですね。最初、ポンデローサはタフ湖の北に広がるエリアだとばかり思っていましたよ。ちなみに、ネバダはスペイン語で“雪をいただく”の意味で、1776年に最初の欧米系白人としてスペイン人が到来しているんですよ。

時代背景は南北戦争前で、シーズン1のエピソードではお馴染みのコルトSAA(ピーシメイカー)は使われておらず、60年代のテレビ西部劇では珍しいコルト・アーミーやレミントン・アーミー、リトル・ドラグーンといった拳銃や、ヘンリーライフルしか出てこないのは、それなりに時代を考えてのことだったのでしょう。ただ、シーズン2からは、コルトSAAのオンパレードになりましたけどね。

ネヴィル・ブランド、クロード・エイキンズ、ハンク・ワーデン、ロバート・ミドルトン、ジョン・デナー、ハリー・ケリー・ジュニア、ジャック・イーラム、ダン・デュリエ、リー・ヴァン・クリーフ、リカルド・モンタルバン、エドガー・ブキャナンといった西部劇に欠かせない役者がゲスト出演しているのも西部劇好きには堪えられません。

でもって、『ボナンザ』のDVDを観終えたのですが、カートライト一家は1960年代のアメリカそのものですね。豊かで恵まれていて、勝者としての余裕が感じられます。彼らの正義はアメリカの正義で、アメリカ国民の心情を具現化していたと思いますよ。アメリカにおいて絶大なる人気西部劇だったのが解る気がしま〜す。

 

『ボナンザ』のレコードジャケット。

サントラと思ってゲットしたのですが、カートライト一家の面々が自慢のノドを聴かせてくれるレコードでした。

サブタイトルに「PONDSROSA PARTY TINE」とあるように、父親ベンの誕生パーティの余興という形態をとっていて、ローン・グリーン、パーネル・ロバーツ、ダン・ブロッカ、マイケル・ランドンが得意のウエスタンソングを披露してくれます。上手くはないけど、各人味があって楽しめますよ。

 

 

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