(1963年・松竹)
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(スタッフ) 監 督:内川清一郎 原 作:林不亡 脚 色:内川清一郎、野口泰彦 撮 影:大田喜晴 音 楽:大森盛太郎 美 術:大角純一 |
(キャスト) 丹下左膳(丹波哲郎) 柳生源三郎(丹波哲郎の二役) 櫛巻お藤(嵯峨三智子) 萩乃(鰐淵晴子) 柳生対馬守(北龍二) 柳生源之丞(園井恵介) 一風宗匠(東野英治郎) 木念和尚(三島雅夫) 田丸主水正(河野秋武) 司馬卜伝(佐々木孝丸) 峯丹波(名和宏) お蓮(宝みつ子) 鼓の与吉(大泉滉) 徳川吉宗(田村高広) 愚楽(笠智衆) |
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将軍家より日光廟修復を命じられた柳生家は、莫大な費用捻出のために一風宗匠の知恵を借りる。一風は百万両の財宝の在処が家宝の名剣・乾雲丸にしるしてあるという。しかし、乾雲丸は司馬卜伝の娘・萩乃と源三郎との婚姻の引出物として江戸の司馬道場に送られていた。柳生家の急場を救うため、弟の源之丞が司馬道場に向かい乾雲丸を取り返すが、萩乃の美しさに惹かれて道場にやってきた丹下左膳に乾雲丸を奪われてしまう。源之丞が卜伝に話した刀の秘密を盗み聞いていた卜伝の後妻・お蓮と師範代の峯丹波は、道場を乗っ取るために卜伝を毒殺し、萩乃を幽閉する。その頃、老臣・田丸主水正のもとへ対馬守から書状が届く。乾雲丸と一対の小刀・坤竜丸が揃って初めて秘密が解るというのだ。坤竜丸は源三郎の双子の弟の守刀として30年前に弟と一緒に捨てられていた。田丸主水正が捨子した金竜寺へ行ってみると…… |
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“こけ猿の壺”でなくて、乾雲・坤竜に財宝の秘密が隠してあるとはね。ボロ壺に隠されているから面白みがあるのに、名剣では面白さが半減します。乾雲・坤竜は互いに呼び合う妖刀の魅力が持ち味なのに、それさえも消してしまいました。おまけに、源三郎と左膳が双子の兄弟とは、目がテンになりましたよ。 丹波哲郎の丹下左膳は、殺陣に迫力を出すために右手を使えるようにしたのですが、左膳の剣法は豪剣というより邪剣なので、ギッチョでないと雰囲気が出ません。丹下左膳というより丹波左膳ですね。 清純で美麗な菊乃役の鰐淵晴子はグッド。嵯峨三智子も櫛巻お藤の妖艶さが出ていて良かったですよ。変な脚色をせずに、オーソドックスに作っていれば、面白くなったと思うのに残念! |