小畑絹子を知ってるかい
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『0線の女狼群』(1960年/監督:三輪彰) 上野駅に着いた小夜子(小畑絹子)は、売春組織の旭商事に捕まり、ボスの長島(丹波哲郎)の餌食となる。小夜子は何度も脱出を試みるが。その度に捕まりリンチを受ける。仲間の美智子が組織に殺されたことから、小夜子をリーダーに女たちが反抗を開始する…… 主演の小畑絹子は、三原葉子や前田通子のようなグラマーではありませんが、愁いのある美貌で意外とそそるんですよ。新東宝のエログロ路線に貢献した女優さんで、私のお気に入りです。 丹波のトッツァンも嫌らしくてグッド。ビルの壁を伝わって逃げようとするところを、女たちに石をぶつけられて転落死する丹波哲郎のブザマな死に方がユニークで〜す。 『少女妻 恐るべき十六歳』(1960年/監督:渡部祐介) |
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売春組織に身をおく少女・ユキ(星輝美)は、地回りの不良少年・五郎(鳴門洋二)と愛し合っていたが、組織のボス(江見俊太郎)に囲われることになる。二人は組織から抜けようと、姉貴分の銀子(小畑絹子)に相談する。銀子の恋人だった黒木(宇津井健)は今は堅気となっていたが、かつてはハジキのブラックと呼ばれた凄腕のヤクザだった。銀子は富士山麓で生活している黒木のところへ二人を逃がすが、ボスに雇われた殺し屋の三宅(天知茂)が黒木に対決をせまる…… ビート喫茶(看板がそうなっているのです)を根城に、売春婦とヒモがペアで暮らしているんですよ。そこでは人事異動(セリフで出てきた時には笑いましたね)が定期的に行なわれてヒモが替わるんですな。それが嫌で組織を抜けようとすると、リンチの上、殺されてしまいます。こういう設定は、まさに新東宝の世界ですね。 小畑絹子は宇津井健と天知茂の両方から愛されますが、ヤクザに殺されます。でもって、宇津井健と天知茂はヤクザ組織をつぶし、拳銃日本一をかけて対決。西部劇(それもマカロニウエスタン)ですね。 脚本が途中から、あらぬ方向へ走り出すのは、う〜ん、新東宝だァ。 |
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『女の防波堤』(1958年/監督:小森白) 終戦直後の日本、戦火に家を焼かれたふみ子(小畑絹子)は行くあてもなく特殊慰安婦に応募する。特殊慰安婦は進駐軍相手の公娼で、“日本女性の防波堤たれ!”という名のもとに作られた売春制度だった。ふみ子は荒んだ生活を送るが、ブラウンという空軍少尉と愛し合うようになる。しかし、その幸福な生活も朝鮮戦争でブラウンが戦死し、ふみ子は昔の荒んだ生活に戻り…… 主演の小畑絹子をはじめとして、新東宝女優陣が下着姿で熱演してくれます。出番は少ないですが麻薬組織にリンチされる三原葉子は、パンツ丸出しボリューム満点でスケベーおじさんには嬉しくなるのです。 “戦争さえなかったら!肉に飢えた野獣の列を待つ悲劇の貞操!”というコピー通り、戦争の悲劇というより、男は洋の東西をとわず飢えた狼で、女を見たら襲いかかるというのが、この映画のテーマなので〜す。 『黒い乳房』(1960年/監督:土居通芳) 桂子(小畑絹子)はヒモの塚本(高宮敬二)によって、昼は闇ドル買い、夜はキャバレーという荒んだ生活をしていた。母が交通事故に遭い、息をひきとる時に、妹・芳子(池内淳子)とは異父姉妹で、桂子の父が殺人者で網走刑務所にいることと、芳子が大会社の社長の娘であることを告げられる。桂子は、その場にいなかった芳子にそのことを知らせず、自分が社長の娘として名乗りをあげようと考える。そのため、邪魔な塚本を警察に密告して逮捕させ、会社を訪問する。社長秘書の谷口(菅原文太)が、桂子の素性を調べるが…… 題名だけで観客を引き寄せようとする新東宝らしい作品で、内容はサスペンス映画ですが設定がムチャクチャなので、真面目に観れば観るほど笑えます。 殺人犯の娘と、大会社の社長令嬢が異父姉妹というのは、笑えるテレビドラマ・大映テレビが踏襲しましたけどね。それにしても、小畑絹子が悪女となったのは、遺伝子のせいとでも云わんばかりの差別的内容で〜す。 |