SFホラー


『ヴァイラス』(1998年/監督:ジョン・ブルーノ)

気になる女優、ジェイミー・リー・カーチスが出演しているので録画してしまった。

ボーイシュなマスクに抜群のスタイル。1985年に婦人雑誌「マッコールズ」が、“アメリカで最高のボディを持つ女性10人”の一人に選んでいます。

ひところは、“スクリーミング・クィーン(悲鳴の女王)”と呼ばれていたが、本来そんな被害者タイプではない。この作品でも戦う女性を演じていますよ。

宇宙ステーション(ミール)を襲った謎の電磁波生命体が、通信リンクを介して太平洋の衛星探査船ボルコフに侵入。乗員を殺して機械と融合した新しい種族を生み出す。大型台風のため、避難を兼ねて移乗したタグボートのクルーは、人類皆殺しを図る殺戮軍団と戦うはめに……。

『アビス』『トゥルーライズ』などを手がけた視覚効果の第一人者ジョン・ブルーノの監督デビュー作。モンスターの動きを監修したのがモデル・アニメーターの巨匠フィル・ティペット。ジェイミーの他に、ドナルド・サザーランド、ウィリアム・ボールドウィン、ジョアンナ・パクラといった個性派を揃えているのに、平凡なB級SF映画におわっていました。結局どこかで見たようなシーンばかりで、新しいところがなかったんですよねェ。

 

『オクトパス』(2000年/監督:ジョン・エアーズ)

テロリストを護送中の潜水艦がタコの化け物に襲われ、さらにテロリスト救出のためにシージャックされた豪華客船も襲われるというモンスター・パニック映画。

典型的なB級怪物映画です。シーンによって怪物の縮尺は違うし、生き残るのも予定通りの人物だし、悪い奴は都合よく怪物が片付けてくれるしで、スリルなんてありゃしません。独創的なところがなく、映画に対する情熱も感じられな〜い。

一杯飲んで、寝転がって見る分には丁度いいですかね。

 

『クローン』(2001年/監督:ゲーリー・フレダー)

異星との戦争状態にある未来の地球が舞台。地球のリーダーを暗殺するために送り込まれた異星人が造ったクローンの疑いをかけられた科学者(ゲーリー・シニーズ)が、自分が本物であることを証明するために妻(マデリン・ストウ)が働く病院へ忍び込むが……

フィリップ・K・ディックの原作を読んでいないこともあって最後まで楽しめました。ラストは予想通りと思いきや、さらにドンデン返しがあってね。

 

『クモ男の復讐』(2001年/監督:スコット・ジール)

ダン・エイクロウド

生化学研究所に押し入った強盗に相棒を殺された若い警備員が、“天の声”を聞いてマンガの主人公のような超能力者になろうと、研究中のクモの体液を注射するんですな。単細胞な主人公は、まさにB級です。

恋人を襲った連続殺人犯や、絡んできたチンピラを圧倒的パワーでやっつけて、ウキウキ気分だったのが、そのうち制御できなくなりクモ男に変身していきます。『スパイダーマン』と『ザ・フライ』からのアイデアを摘み食いして作ったような作品です。

不可抗力でなく、結果を恐れないバカとしか言いようのない主人公には感情移入できませんねェ。ある面で最近の若者像を浮き彫りにしているのでしょうが……

それにしても、ブクブク太ってB級スターに格落ちしたダン・エイクロウドは侘しいなァ。それと、ダン・エイクロイドの浮気妻役のテレサ・ラッセルもね。『ブラック・ウィドー』では存在感のある悪女ぶりを見せてくれましたが、最近はB級ホラー専門になってきましたねェ。

 

『アライバル』(1996年/監督:デビッド・トゥーヒ)

宇宙観測員のゼイン(チャーリー・シーン)は、地球外からの通信をキャッチするが上司のゴーディ(ロン・シルバー)に無視されただけでなく、解雇されてしまう。ゼインは証拠をつかむために独自に観測し、再び通信をキャッチする。そして、メキシコから地球外に向けて返信されていることがわかり、メキシコへ調査に行くが……

地球人の知らないうちに宇宙人が地球にやってきていて、侵略を開始しているというSFホラー。ストーリーに無理がなく、それなりに楽しめました。

それにしても、米映画にはこの手の侵略ものが多いですね。『ゼイリブ』、『ヒドゥン』、『ボディ・スナッチャー』などがパッと頭に浮かびます。他民族国家なので、他人に対する潜在的恐怖があるのかなァ。

ところで地球の温暖化は、宇宙人が自分たちの住める星にするための改造なのだぞ、気をつけろ。

 

 

『ビッグ・バグズ・パニック』(2009年/カイル・ランキン)

主人公(クリス・マークエット)が上司に叱られていたら、耳鳴りがして気絶し、気づいたら繭で覆われているんですな。なんとか繭から脱出し、同じように繭の覆われている人たちを助け出しますが、巨大な昆虫に襲われます。気絶している間に、巨大昆虫に町が支配されていたのね。主人公は生き残った人たちと決死のサバイバルを展開するというコメディSFホラーです。

理由なく巨大昆虫に町が支配される発端が適当なら、昆虫の吐く息が引火性で巣窟を爆発させて退治するというのも適当です。繭から脱出したら何故か嘔吐し、吐瀉物と昆虫の臓物が何故か同じ。昆虫に刺されたら、何故か虫に変身します。犬も虫に変身したのは笑えましたけどね。ヌードシーンもサービスして、適当に作ったC級作品という感じです。

主人公のダメ男キャラも好きになれず、劇場公開されたようですが、金を出してまで観に行く映画じゃありませ〜ん。

 

 

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