(1962年・東映)
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(スタッフ) 監 督:河野寿一 原 作:佐々木味津三 脚 本:高岩肇 撮 影:伊藤武夫 音 楽:鈴木静一 美 術:冨田治郎 |
(キャスト) むっつり右門……大友柳太朗 お喋り伝六 ……堺駿二 あばたの敬四郎…進藤英太郎 ちょんぎれ松……南道郎 神尾元勝 ……黒川弥太郎 石川杉弥 ……里見浩太郎 歌川巨泉 ……三島雅夫 才兵衛 ……柳永二郎 山城屋 ……原健策 お蘭 ……桜町弘子 みすず ……花園ひろみ お染 ……北条喜久 おみつ ……三沢あけみ |
(感 想) 歌舞伎約者の沢村鶴之丞が赤い矢で殺される。石川弥太郎という名入りの煙草入れを落として現場から逃げた若い浪人が犯人として指名手配されるが、鶴之丞の吹替え役の虎松が同じように赤い矢で殺されたことから、右門は鶴之丞が間違って殺されたと推理する。 虎松の胸には卍蜘蛛の刺青があり、天井裏から南蛮渡来の金銀細工と下田唐人廟の護符が発見される。島抜けをして江戸に潜伏している海賊卍蜘蛛一味の海猫の権十郎を奉行所は探索するが、胸に卍蜘蛛の刺青がある金貸しの鬼源が顔をつぶされて殺される。現場には、またしても下田唐人廟の護符。 右門が記録を調べると、3年前に下田で海賊卍蜘蛛がポルトガル船を襲って莫大な金貨を奪った事件があり、卍蜘蛛一味の手引きをしたのが下田奉行所の石川弥太郎だった。石川弥太郎は切腹しており、石川の上司だった片桐下記は奉行所を辞め、行方不明になっていた。右門は事件解決の糸口は下田にあると考え、三年に一度開催される唐人祭りで賑わう下田へ…… |
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下田へ行くまでは歯切れの良い演出でミステリーの雰囲気が出ていて楽しめるのですが、下田へ行ってからは間延びした演出で見え見えの展開になります。脚本が悪いのか、演出が悪いのか、決められた通りに作っている感じで工夫がないんですよ。犯人は例によって例の通りで意外性はありません。 歌手になる前の三沢あけみが出演していますが、里見浩太郎は定石通りだし、花園ひろみも同様。金髪の桜町弘子は逆立ちして見ても混血娘には見えませ〜ん。綺麗ですけどね。 ラストの大殺陣も平凡。立回りに大友柳太朗らしさが出ていません。竜頭蛇尾的作品で〜す。 |
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