(1963年・東映)
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(スタッフ) 監 督: 沢島 忠 原 作: 柴田 錬三郎 脚 本: 結束 信二 撮 影: 伊藤 武夫 音 楽: 鈴木 静一 (キャスト) 室戸修理之助……大友柳太朗 柏木新蔵 ……里見浩太郎 宇留田兵馬 ……江原真二郎 由利姫 ……高倉典江 謎の尼 ……美空ひばり 蔵之助 ……原田甲子郎 忍者馬兵衛 ……西村晃 公家の姫 ……北条きく子 大野修理 ……佐々木孝丸 所司代の侍 ……加賀邦男 四角四面が侍ならば、俺たちゃサムライ落第生! 名誉と金と女が欲しい! 三人三欲むきだしで、戦国乱世を駆けめぐる! |
(物 語) 関ヶ原で石田方について戦った修理之助は、瀕死の老武士から、石田三成の娘・由利姫を大阪城まで送り届けてくれるよう頼まれる。修理之助は落ち武者狩りに捕まった剣友の新蔵を助け、二人で姫の隠れ場所へ。 知らずに姫をくどいていた兵馬も仲間に加え、京へ向かうが落武者狩りに見つかり、修理之助が姫を守って戦っているうちに三人は離ればなれとなる。 京についた新蔵は、仲間を裏切り徳川方へ寝返って所司代の役人となっている蔵之助に襲われ、負傷するが謎の尼に助けられる。 修理之助と姫は、所司代の役人に捕まるが、新蔵と尼の助けにより、やっとの思いで京都を脱出し、大阪城へたどりつく。しかし、そこも安住の場所ではなかった。徳川と友好を図ろうとする大野修理に、二人はにべもなく追い出されてしまう。 二人は愛し合うようになっていたが、これまでの旅の心労から由利姫は病に倒れる。徳川方の追手が迫ってきた時、一目惚れした公家の姫を連れて逃げていた兵馬と出会い、瀬戸内海の小さな島に逃れるが、そこでの平和な生活もつかの間だった。由利姫を執念深く追いかける蔵之助一味の手が迫っていた…… |
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(感 想) 沢島作品の中では、取りたてるほどのものではないですが、チャンバラ映画としては及第点に達していますよ。大友柳太朗が出演しているだけで点数が甘くなるのは別としてね。 大友、里見、江原の3人のキャラクターがキッチリ描き分けられており、特に江原のC調女好き演技は、それまでの陰気な感じだった江原の新しい面を見せてくれました。このへんが沢島監督の巧さなんでしょうね。沢島演出はコミカル・タッチに本領を発揮します。 大友柳太朗と高倉典江の描き方は平凡。でも、いいんです。新国劇の美人女優だった高倉典江に会えたのと、大友はんのチャンバラがあればね。高倉典江は緒形拳と結婚して、さっさと引退してしまったので、活躍の時期が短いんですよ。スクリーンで姿が見られるのは、現在ではこの作品ぐらいじゃないかな。 大友はんのチャンバラは、ラストの立回りが西部劇タッチで面白い味を出していました。大友柳太朗と里見浩太郎が、お互いを援護しながら敵と斬りあうところや、家の壁を背にしたショットや、路地からみたショットが西部劇の決闘シーンに似ているんですよ。 美空ひばりはゲスト出演的(歌わないひばりは珍しい)な感じで、取りたてて言うことはありません。それより、西村晃がこの時期、東映のバイプレイヤーとして光っているんですが、この作品でも存在感のある演技をしていました。 |
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