(1966年・東映)
|
(スタッフ) 監 督:山内鉄也 脚 本:伊上勝 撮 影:わし尾元也 特 撮:赤塚滋、国定玖仁男 音 楽:津島利章 (キャスト) 自雷也 ……松方弘樹 綱手 ……小川知子 お咲 ……鈴村由美 結城大乗 ……天津敏 尾形左馬亮……林真一郎 善兵衛 ……原健策 蜘蛛婆 ……原泉 蟇道人 ……金子信雄 大蛇丸 ……大友柳太朗 あッあッあッ! 連続息をのむ 火をふく大がま、水をよぶ大龍、毒を吐く毒ぐも、人食い大わし |
(物 語) 近江の国の霞城。忍者の大蛇丸と組んだ家臣の結城大乗が、城主の尾形左馬亮を殺し、城を奪う。城主の息子の雷丸は城を抜け出すが、怪竜が追ってくる。そこへ大鷲がやって来て、雷丸を救出する。 それから10余年が過ぎ、雷丸は蟇道人のもとで成長していた。雷丸が里へ薬を取りに行く途中、大蛇丸配下の忍者に襲われるが、蟇道人に教わった忍法で逆に忍者たちを倒す。 雷丸は、幼い時に別れた父親を捜して旅をしていた綱手とひょんなことから知りあい二人が蟇道人の庵へ戻ってみると、大蛇丸に騙まし討ちされた蟇道人が瀕死の状態だった。 |
|
蟇道人の今際の言葉で両親の仇を知った雷丸は、近江の国に向かう。一方綱手も、祖母の蜘蛛婆から父親が近江の国にいることをきかされ、近江の国へ向かい、大蛇丸配下の孟兵衛と知りあう。 霞城下で、雷丸は自雷也と名乗り、城下に現われた結城大乗を襲うが、大蛇丸に妨げられる。大蛇丸は、孟兵衛が連れてきた綱手が自分の娘とわかり、綱手を使って雷丸の命を奪うことを考える。しかし、綱手は、父が結城大乗と手を組んで雷丸の両親を殺した悪人であることを孟兵衛から知らされ、雷丸を捕えたと偽って大蛇丸を城からおびき出す。 雷丸捕縛の報を受けて、祝いの宴が催されている霞城へ大蝦蟇に変身した雷丸が現われ、仇の結城大乗を討つ。騙されたと知った大蛇丸は、怪竜に変身して霞城で大蝦蟇の雷丸と激突する…… (感 想) この映画、1966年の12月21日に封切られていて、冬休みの子供向けに作られた作品なんですね。 テレビの怪獣ブームに便乗して、大蝦蟇と怪竜がお城をブッ壊してレスリング。テレビだとまだ我慢できるんだけど、映画だと安っぽいんです。ただ、この大蝦蟇の着ぐるみと、お城破壊シーンはテレビの『赤影』に使い回しされています。『赤影』では凄い迫力だった。(笑) 子供向けにしても、この主人公の脳天気ぶりにはズッコケましたね。自分の生まれ育った城が燃え落ちるのを見て、「あっ、お城が燃えている。キレイだな」ですからね。普通なら、悔し涙を流すとか、復讐を誓うものですが…… 大蛇丸配下の忍者を殺した雷丸を見て逃げ出した綱手を追って、綱手を掴まえた弾みで一緒に坂を転げるのですが、綱手の胸を触って、「君は女だったのか」はないだろう。綱手の姿形を見たら、一目で女だとわかりますよ。 悪党たちを退治して、領主として国造りをするのかと思いきや、「城は壊れたが、田や畑は残っている。後はお百姓さんたちに任せた」と言って、綱手と一緒に大鷲に乗って飛騨の国に帰っちゃうんですよ。また、悪い奴が現われたらどうするんだよォ。 でもって、我らが大友柳太朗はんですが、『ワタリ』に引続き真面目に悪役を演じています。真面目にやればやるほど、可笑しくなるところが大友はんらしくていいのです。 怪竜のまま死ぬのは嫌だと、大友はんが言ったかどうかは知りませんが、ラストは波打ち際での松方弘樹との一騎打ち。 大時代的な歌舞伎の大蛇丸の衣裳を着けた大友はんが、波打ち際を走ってきて松方弘樹と斬り結ぶ。そして斬られた大友はんは、深さが膝ぐらいのところへ、仰向けにザンブと倒れる。それだけで止めておけばいいものを、たちまちスモークがたちこめ、色鮮やかなライトが点滅して泡がブクブク湧き上がってくる。なんだァ、こりゃあ…… 子供にとっては、『ワタリ』よりわかりやすいと思うけど、作品的価値は??? |
|
|