(1959年・東映)
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(スタッフ) 監 督:松村昌治 脚 本:小国英雄 撮 影:吉田貞次 音 楽:米山正夫 (キャスト) 森半助 ……大友柳太朗 和姫 ……美空ひばり 松平信直……中村賀津雄 家老 ……大河内傳次郎 上臈 ……万代峯子 山賊 ……山形勲 おみね ……桜町弘子 剣あり、唄あり、笑いあり! 豪華顔合わせが捲き起こす、 てんやわんやの恋物語!! |
(感 想) 『鳳城の花嫁』、『鶯城の花嫁』に続く“花嫁シリーズ”第3弾。 孔雀城の城主・松平信直は、将軍・家斉の娘・和姫を花嫁に迎えるが、何しろ格式が高く、お付きの上臈の影響もあって、態度もでかい。和姫にキスをしたところ、庭に放り投げられて、信直はタンコブを作るしまつ。 シネスコ画面いっぱいに婚礼行列がやって来るシーンは、まさに良き時代の東映時代劇です。現在では、大量にエキストラを使った金のかかるシーンは撮れませ〜ん。それにしても、葵の御紋入りの使い捨てオマルには笑ったなァ。 でもって、二人の間にヒビが入るが、和姫を離縁すればお家は取潰し、かといってこのままでは家臣にしめしがつかないしで、信直は思いあまって切腹を図る。しかし、お城に忍び込んできていた猟師の半助がそれを見つけ、信直の刀を取り上げて切腹を止める。半助は、易者からお城の姫君を嫁にする相が出ていると告げられ、お城に忍び込んだのだ。信直から事情を聞いた半助は、俺が女房教育をしてやると言って、和姫を雪深い千丈岳にある自分の山小屋へさらって帰る。 城内警護の武士役で大村崑と佐々十郎が出演していたけど、崑ちゃんがトレードマークの眼鏡をかけておらず、一瞬誰かと思ってしまった。時代劇なので、鼻メガネはマズイと考えたのかなァ。この手の娯楽映画は考証なんてあまり必要としないので、鼻メガネでいいのにさ。 千丈岳の山小屋では、山賊をやっつけたり、熊と格闘したりと、まあ何やかやあるのですが、とどのつまり半助は、和姫の教育に成功するんですな。 和姫は半助に淡い恋心を抱くようになり、唄を歌ったりします。ひばりが出演していて、歌わないわけはないですよね。 やがて、半助に懲らしめられた山賊が和姫の居場所をお城に知らせ、城から迎えがきます。和姫は半助に、何でもするから今まで通り山小屋で暮らしたいと言います。そこで、半助が和姫に言ったのは、 「思いあがるでねえ。オメエはこの山の暮らしで、人間一匹が食っていくのがどんなに大変か、よくわかったはずだ。オメエは自分で食っていける奴でねえ。他人に食わしてもらうしかねえ。それが持って生まれたオメエの生まれつきというものだ。領内の民百姓に食わしてもらって生きるだ。それがわかったら、民百姓のために何かつくしてやることだ。自分のできることでな」 大友はんが言うと、納得感があるんですよねェ。政治家にも聞かせてやりたいよ。 とってつけたようなラストは気に入らないけど、明朗時代劇は楽しいなァ。 |
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