(1955年・東映)
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(スタッフ) 監 督:佐伯清 原 作:高垣眸 脚 本:西條照太郎 撮 影:吉田貞次 音 楽:高橋半 (キャスト) 黒頭巾 ……大友柳太朗 オランダお蝶……喜多川千鶴 豊春 ……日野明子 百合絵 ……春日倶子 類吉 ……目黒裕樹 松平主水正 ……神田隆 益満休之助 ……加賀邦男 バン・バーレ ……薄田研二 白刃に埋まる長崎唐人街! |
(感 想) 大友柳太朗のシリーズ物として、“快傑黒頭巾”、“丹下左膳”、“むっつり右門”がありますが、一番大友はんらしかったのが“快傑黒頭巾”ですね。他のシリーズには、極めつけと云われた先人(丹下左膳=大河内傳次郎、むっつり右門=嵐寛寿郎)がおり、大友はんは、彼らとは異なるキャラクターで大友柳太朗としての魅力を出してはいましたが、独自のものではなかったですからね。だけど、快傑黒頭巾は違います。 ♪〜いつも正しく明るく強い、みんな夢見るおじさんは〜、と子供たちが歌う黒頭巾は、大友柳太朗以外には考えられませんよ。お子様向けの映画ですが、西部劇タッチのアクションとスピーディーな展開は、いつ観ても愉しく、胸躍るものがあります。 このシリーズは、1953年の『快傑黒頭巾』から60年の『危うし!快傑黒頭巾』まで9本(2作目の題名は『快傑まぼろし頭巾』だが、内容は黒頭巾)製作されています。でもって、この作品は第3作目でラジオドラマ(日本放送)の映画化。 薩摩の益満休之助は、オランダ人のバン・バーレから新式銃を購入しようとしていたが、長崎奉行の松平主水正も幕府建て直しのため新式銃の購入に躍起となっていた。バーレの条件は、長崎のどこかにあるという世界一のブルーダイヤ“マグナの瞳”を探し出すことだった。その所在は、密貿易の冤罪で奉行所に捕らえられている有馬屋夫婦が知っていたが、どんな拷問にも口を割らなかった。そこで、密航の罪で入牢している弟の釈放を条件に、オランダお蝶が有馬屋の子、百合絵と類吉姉弟をおびき出すが、黒頭巾が現れ…… “快傑黒頭巾”には、定まったフォーマットがあります。 親を捜す姉弟を黒頭巾が助ける。姉弟の支えになるのが、黒頭巾が変装している易者の天命堂。敵にまわるのが幕府の大身旗本で、旗本に雇われている莫蓮女が黒頭巾を窮地に追い込む。黒頭巾は“七つの顔の男”のごとく変装し、最後に正体をあかし、敵をやっつける。この作品では、薩摩藩士・山鹿絃二郎となっています。 それにしても、馬上ゆたかに赤熊をつけ、歓呼の声で倒幕に向けて行進するラストシーンは気に入らないなァ。仕事を終えた黒頭巾は、組織に属さず、独り去って行かなくちゃあ…… |
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