右門捕物帖・紅蜥蜴

(1962年・東映)


(スタッフ)

監 督:松田定次

原 作:佐々木味津三

脚 本:鈴木兵吾

撮 影:川崎新太郎

音 楽:富永三郎

 

(キャスト)

むっつり右門 ……大友柳太朗

おしゃべり伝六 …堺駿二

あばたの敬四郎…進藤英太郎

紅蜥蜴    ……戸上城太郎

上総屋    ……三島雅夫

大貫屋    ……多々良純

お直     ……丘さとみ

お志乃    ……桜町弘子

山崎浪人  ……里見浩太郎

神尾元勝  ……黒川弥太郎

風流亭    ……菅貫太郎

小富     ……久保菜穂子

 

江戸の連続殺人事件に
        右門の名推理が飛ぶ!

 

(ストーリー)

滝見茶屋「新月」のそばで、鋳掛け屋が殺される。そこへ右門の子分の伝六が、カラスを連れ、紅蜥蜴の刺青をした男と鉢合わせをする。

敬四郎は、紅蜥蜴を単なる殺人鬼と決めつけて逮捕するが、右門は事件の背景に複雑なものがあると推理し、奉行の神尾元勝の内諾を得て、紅蜥蜴を破牢させる。

しかし、事件の起きた夜に「新月」に逗留していた上総屋、大貫屋、湊屋のうち、大貫屋が行方不明に、湊屋が殺されたことから、奉行は責任を問われ、右門は5日以内に事件を解決しなければならなくなる。

上総屋を奉行所に保護し、鋳掛け屋の女房を安全な場所にかくまう。そして、鋳掛け屋の女房の隠れ場所が短銃で射たれたことにより、右門は犯人の決め手をつかむ。

 

(感 想)

大友右門のシリーズは、1959年の『片眼の狼』から始まって『蛇の目傘の女』まで7本あるのですが、これは6作目。チャンバラよりもミステリー性を重視しています。事件の関係者を全員、芝居小屋に集めて右門が謎解きをするラストが見せ場ですね。といっても、それほど深い謎があるわけではありませんが。

セリフに難のある戸上城太郎に殆ど喋らさず、不気味な雰囲気を出そうとしていますが、残念ながら成功しているとはいえません。トリックらしいトリックもなく、サスペンスが盛り上らないんですよ。それに、大友はんのチャンバラを期待しているのに、それすらないのですから。

捕物映画は、犯人が勝手に動いて墓穴を掘り、最後は大立回りで締めくくるのが本道ですよォ。

 

 

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