『ジャンケン娘』(1955年・東宝/監督:杉江敏男)
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東京の女子高生二人(美空ひばり、江利チエミ)が、京都へ修学旅行に出かけて舞妓(雪村いづみ)と知り合い、彼女から名前しかわからない恋人(山田真二)探しの手伝いを頼まれる…… 原作は中野実の小説です。「平凡」に連載されていたので宣伝のためか、いづみの旅行カバンから、「平凡」の表紙がハッキリわかる形で画面に出てくるのはご愛敬。 ひばり、チエミ、いづみという当時人気バツグンの三大スターが、劇中劇の形で歌い踊るのが見どころという他愛ない映画なのですが、それぞれの個性が活かされて愉しいんですよ。 ところで彼女たちって、西洋的美の基準から見ると大きくはずれていますね。顔だって、アイドル顔じゃない。だけど、何故か魅力的なんですよ。本物の芸に裏打ちされた実力が、最近のアイドルにはない大きさを見せているんですねェ。 |
『ロマンス娘』(1956年・東宝/監督:杉江敏男)
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ルミ子(美空ひばり)、エリ子(江利チエミ)、ミチル(雪村いづみ)は、商店街の仲良し三人娘。夏休みにボーイフレンドと自転車旅行に行くことを計画し、デパートでアルバイトを始める。親切な店員ということでお客から賞められ、三人はデパートの会長の邸宅に招待される。 その邸宅の豪華なこと。昭和30年代に、靴のまま上がる洋風の家があったんだ。庭には芝生が敷いてあって、アメリカへの憧れが、よ〜く解かります。 ボーイフレンドのいないルミ子は、会長の甥・久保田(宝田明)にひそかな想いを抱き、久保田も満更でもない様子。会長の孫(行方不明になっていた勘当した娘の子供)を連れてきた森下(森繁久弥)を二人は怪しむが…… 卑屈なペテン師を演らしたら、森繁は巧いですねェ。森繁は小ずるい悪党がよく似合います。 それから、三人の中では、ひばりが一回り大きく見えます。人気だけでなく、芸歴の長さが関係しているかもしれません。 |
『大当り三色娘』(1957年・東宝/監督:杉江敏男)
ひばり・いづみ・チエミ共演による“三人娘”シリーズの3作目。三人はお手伝いさんに扮して、歌に恋に青春します。 ひばりが働いている小島家の主人の弟・江原達治は、ひばりの友人の雪村いづみにゾッコン。しかし、いづみは小島家に下宿している宝田明に一目惚れ。チエミは宝田明の親友・山田真二と見合いをするが、警察に届けた財布が縁で知り合った宝田明に夢中。ひばりも宝田明が好きなのだが、友人の手前、すげなくしている。ひばりが好きな宝田明は、煮え切らないひばりの態度に嫌気がさして下宿を引っ越すが…… 三人それぞれの特徴がはっきり出ていて面白いのですが、やっぱり、ひばりが良い娘、良い娘していますね。三人揃って主題歌を歌うラストシーンは、『ジャンケン娘』ではジェット・コースター、『ロマンス娘』ではサイクリング、この作品では水上スキーになっています。水上スキーは、当時の若者にとって先端をいくカッコいいスポーツでした。 ところで、この作品は東宝スコープ(画面比率1:2・35、パースペクタ方式による立体音響)の第1回作品とのことで〜す。 |
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『ひばり チエミ いづみ 三人よれば』(1964年・東宝/監督:杉江敏男)
三人娘が共演した第1作『ジャンケン娘』から10年目を記念して作られた作品です。 ひばりが宝田明と、チエミが夏木陽介と、いづみが岡田真澄と、何やかやあって目出たく結ばれるという他愛ないラブ・コメディ。 ミュージカル・シーンは洗練されたものになっていますが、十代の頃にみられたエネルギーは感じられません。何で今更、といった感じの駄作ですな。 昭和39年といえば、東京オリンピックの年。国立競技場が、ロケに使われていました。それと、清川虹子が演っていた仲人業(お見合いさせて、結婚仲介の労をとり、謝礼をもらう)が存在していたんですね。個人の人脈が全てなので、最近の結婚斡旋ビジネスより、はるかに健全で〜す。 |
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