『名探偵登場』(1976年/監督:ロバート・ムーア)
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謎の屋敷に招かれた5組の名探偵が、招待主からの予告殺人と犯人捜しに挑戦するミステリー・パロディ。脚本はニール・サイモン。 名探偵というのが、チャーリー・チャン的な中国人探偵のシドニー・ウオン(ピーター・セラーズ)、ニックとノラのチャールズ夫妻そのもののディックとドラのチャールストン夫妻(デヴィッド・ニーブン、マギー・スミス)、エルキュール・ポワロとネロ・ウルフを足して割ったようなミロ・ペリエ(ジェームズ・ココ)、同じくジェシカ叔母さんとミス・マープルを足して割ったようなジェシー・マーブルズ(エルザ・ランチェスター)、そしてサム・スペードらしきサム・ダイアモンド(ピーター・フォーク)なんです。招待主がトルーマン・カポーティで、その盲目の執事がアレック・ギネス。 これだけ役者を揃えていたら、面白くないわけはありません。探偵小説ファンの私としては、最初から最後まで顔が緩みっぱなしでした。中でも、アレック・ギネスのボリス・カーロフ風の演技には笑えたなァ。 |
『名探偵再登場』(1978年/監督:ロバート・ムーア)
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ニール・サイモンによる『マルタの鷹』と『カサブランカ』のパロディ・ハードボイルド。 主人公のサム・スペードならぬルー・ペキンポーは前作に続きピーター・フォークです。徹底したハンフリー・ボガートぶりを見せてくれて、笑わせてもらいました。 殺された相棒の女房(マーシャ・メースン)、謎の依頼人(マデリーン・カーン)、大富豪夫人(アン・マーグレット)、ナイトクラブの歌手(アイリーン・ブレナン)、昔の恋人(ルイーズ・フレッチャー)と曲者女優が顔を揃えているので面白くないわけはありません。 中でもマーシャ・メースンは秀逸。ニール・サイモンの夫人だけあって、すこぶる可笑しいのです。『シンデレラ・リバティー』や『オードリー・ローズ』の彼女しか知らない人は信じられないかもね。 |
『SF超人ヘラクレス』(1970年/監督:アーサー・A・シーデルマン)
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天上オリンポスの生活に飽きたヘラクラス(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、ゼウスの許しをえずに地上に降りる。ニューヨークにやって来たヘラクレスは、超人パワーを発揮して注目を浴びる。怒ったゼウスはヘラクラスを冥界で謹慎させようとするが、ヘラクラスを嫌うゼウスの妻ヘレネがネメシスに命じて、超人パワーを奪う薬をヘラクレスに飲ませる。人間となったヘラクレスはギャング団に狙われ…… シュワちゃんのデビュー作品です。ギリシャ神話の英雄が現代のニューヨークに現れたらどうなるかというコメディ・アクション。 パロディともつかぬ底の浅い笑いばかりで、面白くも可笑しくもありません。筋肉ムキムキのシュワちゃんを見せるだけの映画で〜す。 |
『メル・ブルックスの新サイコ』(1978年/監督:メル・ブルックス)
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精神病の権威であるソーンダイク教授(メル・ブルックス)は、新任病院長としてサンフランシスコにやってくる。迎えにきた運転手(ロン・ケリー)から前任の病院長は何者かに殺されたことを知らされる。病院では副院長のモンターギュ(ハービー・コーマン)と婦長のディーゼル(クロリス・リーチマン)が怪しい気配。ソーンダイクの恩師リロルマン教授(ハワード・モリス)が、その病院の顧問をしていたが…… インスタント知識を切り売りするアメリカ医学会への皮肉と、人間の貪欲と変態的残虐性をヒッチコックの映画をパロディにして面白可笑しく描いた作品。 『サイコ』、『鳥』、『レベッカ』、『白い恐怖』、『ダイヤルMを廻せ!』、『めまい』、『裏窓』、『北北西に進路を取れ』といったヒッチコックの有名シーンが色々でてきて楽しくなります。ヒッチ・ファンには必見ですよォ。 |