次郎長コメディ


次郎長意外伝

三木のり平と中田康子

『次郎長意外伝・灰神楽の三太郎』(1957年東宝/青柳信雄)

“次郎長三国志”シリーズの喜劇版として、三木のり平主演で作られたシリーズ第1作。

三木のり平の気のあった連中で結成した“虻蜂座”のメンバーが協力しています。小野田勇とキノトールが脚本を書き、森繁久弥が友情出演しているんですよ。

“次郎長三国志”シリーズから派生しているので、次郎長役は小掘明男です。次郎長の代わりとして、下田の親分のところへ初孫誕生の祝いの品を届ける旅に出た三太郎(三木のり平)のズッコケ物語。ギャグは落語ネタが中心で、印象に残るものがありませ〜ん。

 

『次郎長意外伝・大暴れ三太郎笠』(1957年東宝/青柳信雄)

シリーズ第2作で、前作の続きです。第1作で登場した雪路(越路吹雪)の仇討ちの介添役として、一緒に旅をすることになった三太郎のズッコケ道中記。

雪路の仇として間違われる、ヤクザの用心棒役の有島一郎がメチャクチャ面白いです。風呂場で、のり平と有島一郎が見せる“幡随院長兵衛と水野十郎左衛門”のパロディは、シナリオにないアドリブじゃないかなァ。

第1作と第2作は、どちらも上映時間が1時間に満たない、完全なB級プログラムピクチャーでした。

 

『次郎長意外伝・灰神楽木曽の火祭り』(1958年東宝/青柳信雄)

シリーズ第4作で最終作。“高利貸し殺し”の犯人として、役人に追われることになった三太郎が、真犯人を捜しに木曽へ旅する物語。

前2作より上映時間(99分)が長くなりましたが、ギャクはレベルアップしておらず、おおむね退屈です。

次郎長役は、河津清三郎に変わっていました。3作通じて変更がないのは、石松の幽霊役の森繁と、三太郎の恋人役の中田康子だけです。

中田康子の役名が“まりん亭のお紋”というのは、もちろんマリリン・モンローのパロディ。モンロー・ウォークで歩いたりして、当時のモンロー人気がわかりますね。

 

クレージーの殴り込み清水港(1970年・東宝/監督:坪島孝)

ゲバルト村の仏一家のお葉(内藤洋子)に援助を頼まれた清水の次郎長(ハナ肇)は、森の石松(谷敬)に金を持たして仏一家へ使いにやる。途中で浪人・荒船五十郎(内田良平)に絡まれた石松は追分三五郎(植木等)に助けられるが、三五郎が調子のいい奴で……

一連のクレージー喜劇の最終作。ゲバルト村とか荒船五十郎とか座等吉とか、ギャグにもならないギャグばかりで全然面白くありませ〜ん。

クレージーのキャラクターだけで笑わそうとしてもムリですよ。せっかく、内田良平、天本英世、高品格といった可笑し味のある悪役を出演させているのに勿体ないなァ。

脚本が悪すぎます。田波靖男って喜劇がわかっているのだろうか。怒りの大放屁チャブ台返し!

 

『歌くらべ荒神山』(1952年・新東宝/監督:斎藤寅次郎)

荒神山の物語を、泣いて笑わせアクションもと、欲張った内容になっていますが、どれも中途半端で退屈な作品で〜す。

広沢虎造(清水の次郎長役)の浪曲がナレーション代わりに流れ、田端義夫と川田晴久の歌がはいるミュージカル時代劇。川田晴久と永田とよ子が歌う主題歌が収録されたCDを持っているぞォ。どうでもいいことですが……

 柳家金語楼、伴淳三郎、堺駿二が笑わせようとしているのですが、一向に可笑しくありません。真面目に演技をしている高田浩吉の方がむしろ可笑しいので〜す。

画像は、左から柳家金語楼・川田晴久・田端義夫です。

 

 

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