『姿なき訪問者』(1953年/監督:W・リー・ワイルダー)
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謎の飛行物体がカリフォルニア上空で消え、サンタモニカで連続殺人事件が発生する。バウアー警部(ハリー・ランダース)が捜査を開始し、目撃者の証言から犯人は宇宙服を着た人物とわかる。政府からワイアット博士とアンドリュー大佐に会うように命じられたバウアーは、彼らから犯人が異星人である可能性を告げられる。一方、電波障害を調べていたハウゼン(テッド・クーパー)は、障害場所が殺人犯人の移動と一致していることに気づく。異常電波から殺人犯を追い詰めるが、犯人は宇宙服だけを残し、姿を消す。ワイアット博士の研究所で宇宙服を調べていた女性科学者ベティ(レイラ・ネルソン)に何者かが忍び寄り…… 50年代の典型的な安物SF映画です。宇宙人の身体はケイ素(ガラスの成分)からできていて、地球では透明になるんですよ。おまけに、死んだら気体となって消えていきました。特殊撮影なんてあまり必要なく、ナレーションとセリフで説明してくれます。 監督のW・リー・ワイルダーは名匠ビリー・ワイルダーの兄さんとのことだけど、作品を見るかぎるでは、う〜ん。 |
『砂漠の三銃士』(1933年/監督:コルバート・クラーク&アーマンド・シェイファー)
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恋人エレイン(ルース・ホール)に逢いにサハラ砂漠を飛行中のトム・ウェイン(ジョン・ウェイン)は、アラブ匪賊に襲われている3人のフランス軍曹を助ける。ウェインと3人の軍曹はダルタニアンと三銃士の如く意気投合する。エレインの兄アルマンドはアラブ匪賊に武器を密売しているシェタン一味に加わっており、ウェインを利用して武器を密輸しようとする。それは当局に知れることとなり、ウェインは真相を糺すためにアルマンドのところへ急ぐが、アルマンドはシェタンに殺された後だった。フランス政府からはスパイと疑われ、砦の指揮官からは武器密売人と疑われ、エレインからは兄殺しと疑われたウェインは、唯一彼を信じてくれる3軍曹とシェタン一味に戦いを挑むが…… 『ビッグ・トレイル』(1930年)でコケて、『駅馬車』(1939年)で復活するまでの間、多くのC級映画に出演していたジョン・ウェインの連続活劇物です。ジョン・ウェインはこの時期、マスコット社で3本の連続活劇に出演しており、その1本です。 連続活劇というのは、週替わりで劇場にかかり、主として子供向けに作られていました。毎週毎週、ハラハラさせる場面、ヒーローあるいはヒロインのピンチで終り、翌週ピンチを脱するというパターンで展開していきます。最初の挿話は通常三巻(上映時間30分)で登場人物が紹介され、それに続く挿話は二巻で平均約18分、全12〜15巻というのが平均的なものです。 このDVDは、それを一本に編集(上映時間2時間30分)したものですが、一本に編集されると同じパターンの繰り返しなので、観ていて飽きてきますね。子供向けなので、ご都合主義が多いのもね。 監督が二人なのは、連続物の撮影は24〜5日間休みなく行なわれ、休養を取らせるために監督二人制が採られたようです。 |