(1961年・大映)
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監 督:三隅研次 脚 本:浅井昭三郎 撮 影:本多省三 音 楽:鈴木静一 配 役 銭形平次(長谷川一夫) 八五郎(船越英二) 笹野新三郎(林 成年) 琴江(宇治みさ子) 五島屋(嵐三右衛門) 京極近江守(香川良介) 投げ銭、投げ縄スタイルも鮮やかに、長谷川一夫の極めつけ当り役となった銭形平次シリーズ最終作(78分/カラー) |
(物 語) 武蔵屋の娘が殺された事件を追っていた平次は、事件の背後に江戸で蔓延している麻薬犯罪と娘さらいの組織があることをつきとめる。平次の動きを知った悪の組織は、平次を罠にかけ、寺社奉行に捕えさせ、そのすきに、さらった娘たちをつれて船で長崎へ脱出してしまう。彼らは、娘を海外に売りとばし、それと引換えに麻薬を手に入れているのだった。 平次は、笹野新三郎の配慮で無事脱出し、麻薬密売団を追って長崎へ向かう。長崎の廻船商・五島屋が麻薬密売団であることをつきとめた平次は、五島屋に乗り込む。しかし、五島屋は仲間割れから殺され、真の黒幕が正体を現す。 (感 想) シリーズ18作目となると、さすがの長谷川平次もトウがたってきました。動きも鈍くなり、立回りもスロー。後年、大川橋蔵がテレビで、鎖鎌のように紐に結んだ十手を頭上で回す殺陣を見せましたが、その原型となる殺陣を長谷川一夫が見せてくれるのが目新しいぐらい。 長崎を根城にする密売団、若年寄りの命を受けて長崎に潜入した隠し目付け、その彼を追って長崎にやって来た許婚者、父を殺して船を奪った密売団を父の仇とつけ狙う中国娘、平次救援のために江戸から駆つけた奉行所与力、これらの多彩な登場人物が巧くさばけておらず、ご都合主義的な展開となっています。とくに、ラストはミエミエで馬鹿らしくなります。 三隅研次は、映像感覚に冴えた演出を見せるのですが、この作品においては、その片鱗すらありません。長崎を舞台にした異国情緒だけでは客は呼べないよォ。 |
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