右太衛門時代劇


『あばれ大名』(1959年・東映/監督:内出好吉)

前田利家(薄田研二)の甥・前田慶次郎(市川右太衛門)は名うての暴れん坊で、1万石の捨扶持が与えられていた。おりしも豊臣家が滅び、諸国の大名が歓迎にやってきた徳川家康(大河内伝次郎)の大阪城入りに慶次郎も現れる。そして、家康の面前で狸踊りをし、1万石を返上して立ち去る。本多佐渡守(進藤英太郎)は、慶次郎に恥を欠かされたことのある加藤嘉明(山形勲)を利用して慶次郎を襲わせ、加藤家と前田家の取り潰しを画策するが……

有名な傾奇武将・前田慶次郎の物語ですが、考証無視の東映史劇ね。豊臣家が滅びた直後の時代設定なのに前田利家が生きているんですからね。豊臣家に恩顧がありながら、御家大事のため徳川家康にヘイコラ服従しているんですな。反骨精神あふれる甥の前田慶次郎は、家康の前で狸踊りをして、ウッハッハと笑って1万石を返上。右太衛門の高笑いでスイスイ物語が進行していき、前田家加賀百万石を取潰そうとする本多佐渡守の悪だくみを家康の前で暴き、ウッハッハと笑ってエンド。大仰な動作とセリフも右太衛門だと全然違和感がありませ〜ん。

それにしても、1万石の慶次郎の家来が、腰元(大川恵子)、家老(堺駿二)、小者(千秋実)の3人だけとは、どうなっているの。

 

『あらくれ大名』(1960年・東映/監督:内出好吉)

徳川家康の息子でありながら、豊臣方についた松平直次郎(市川右太衛門)は、大阪冬の陣で自分を信頼してくれる秀頼(里見浩太朗)のために父・家康を窮地に追いこむ活躍をする。しかし、徳川・豊臣の間で講和が成立し、直次郎は家来の浅見弥左衛門(堺駿二)とむささび小金吾(田中春男)を連れて野に下る。京都所司代の板倉勝重(山形勲)は、直次郎を葬るために女間者おりん(花柳小菊)を直次郎のもとに差し向ける。弥左衛門の娘・妙(香川京子)を想う薄田隼人正(近衛十四郎)は結婚の申し込みを直次郎に頼むが、妙は直次郎を慕っていた。隼人正から木村長門守(若山富三郎)の許婚者・浅緒(大川恵子)が人質として板倉勝重に捕らえられていることを聞いた直次郎は……

山岡荘八の『徳川家康』がベストセラーになるまでは、家康は豊臣家を滅ぼした悪人というイメージが強くて、家康に対抗するヒーローが大衆に喜ばれていました。

シーン毎に衣装を替え、ウッハッハと笑って物語が展開する典型的な右太衛門時代劇で、豪快な右太衛門を見て、気分をスカッとさせるだけの映画で〜す。

 

 

 

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