怪獣西部劇


『原始怪獣ドラゴドン』(1956年/監督:エドワルド・ナサウア)

ジミー(ガイ・マディスン)とフェリペ(カルロス・リヴァス)の牧場から牛が消えるという事件が発生する。ジミーが牛の足跡を追うと、ホロー山の麓の底無し沼で消えていた。ホロー山には魔物が住んでいるという言い伝えが昔からあったが、ジミーたちの牧場に敵対心を持っているエンリケ(エデュアルド・ノリエガ)の仕業と思い、ジミーは町の有力者ドン・ペドロに相談する。ジミーに好意を持っているペドロの娘サリータ(パトリシア・メディナ)は、婚約者のエンリケがジミーと仲良くなることを望むが、エンリケはジミーを益々敵視するようになり……

ウィリス・オブライエンの原案を大幅に変更した怪作。カウボーイが恐竜と戦うという発想は素晴しいのですが、特撮レベルがあまりに酷いです。

ドラゴドンが人間(明らかに人形とわかる)を咥えて振り回すシーンには笑えました。それ故にカルトファンがいるんですけどね。ドラマ部分もダラダラした展開で盛り上がりに欠け、パイオニア精神だけが評価できます。

 

『恐竜グワンジ』(1969年/監督:ジェームズ・オコノリー)

ワイルド・ウエスト・ショーの一座で働くカルロスは、女座長のテレサ(ギラ・ゴラン)を訪ねてきたタック(ジェームズ・フランシスカス)に兄の形見の袋を見せる。その袋の中には、5000年前の動物エオヒプス(世界最小の馬)がいた。タックは商売になると考え、カルロスに案内させて禁断の谷に行く。そこは恐竜の谷で、やがてグワンジが現れ……

『原始怪獣ドラゴドン』と同じウィリス・オブライエンの原案を基にしていますが、流石にレイ・ハリーハウゼンで、特撮は素晴しいです。

『原始怪獣ドラゴドン』と比べると西部劇的要素は少ないのですが、カウボーイが投げ縄でグワンジを捕えるシーンは見事にシンクロしていてウハウハしますよ。

ワイルド・ウエスト・ショーを舞台にしているだけで、私にとっては西部劇なのだァ。

 

『トレマーズ4』(2004年/監督:S・S・ウィルソン)

1889年のネバダの銀鉱山に怪物グラボイズが現れる。鉱山オーナーのハイラム・ガンマー(マイケル・グロス)は、ガンマン(ビリー・ドラゴ)を雇って怪物を退治しようとするが……

第1作から観ていて、西部劇ファンならずとも愉しめる作品です。ハイラム・ガンマーは、第1作に登場した銃器マニアのバード・ガンマーの曽祖父という設定なんですよ。演じているのも、同じマイケル・グロスでした。

銃器ファンにとっては、ラストでガンマーがグラボイズ退治に用意する武器が、シャープス52口径バッファローライフル、エル・シー・スミス社10ゲージ・ショットガン、レミントンのローリング・ブロック・ライフル、ヘンリー・ライフル、それに口径2インチのパントガンなので嬉しくなります。パントガンというのは20〜30発のバラ弾を一度に発射するバケモノみたいな銃でした。鴨撃ち用に使われていたらしいのですが、映画で見たのは初めてです。

それはそうと、グラボイズは4匹単位で生まれるようですね。

 

 

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