『ノーカントリー』(2007年/監督:ジョエル&イーサン・コーエン)
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テキサスの荒野で散乱した死体を見つけたモス(ジョシュ・ブローリン)は、大金の入ったカバンと麻薬の袋を見つける。麻薬取引のトラブルから相撃ちしたことが想定され、モスは金を持ち去る。しかし、金の中に発信機が仕掛けられていたことから、組織は殺し屋のシガー(ハビエル・バルデス)に金を取り戻すように命じる。シガーを追っていた保安官のトム(トミー・リー・ジョーンズ)は、モスを保護するために、二人を追跡するが…… コーエン兄弟の作品だけに、アクション映画の形をとった不条理ドラマに仕上げています。特殊なエアガンで次々に射殺していくハビエル・バルデスの殺し屋が圧倒的な存在感を持っていますね。彼なりの行動哲学を持っているのですが、それは常人には理解できないもので、動機薄弱な殺人事件が多発する現代社会を反映しています。旧いタイプの人間が住める世界じゃないですよ。まさに、“No Country for Old Men”です。 それにしても、旧い西部男を表現できる役者が数少なくなり、トミー・リー・ジョーンズは貴重な存在ですね。それと、誰にも頼らず殺し屋と対決しようとするジョシュ・ブローリンも西部劇が似合う役者だと思います。テレビ西部劇『ヤングライダーズ』が懐かしいで〜す。 |
『マイ・フレンド・フリッカ』(2006年/監督:マイケル・メイヤー)
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夏休みになり、女子高生のケティ(アリソン・ローマン)は故郷のワイオミングの牧場に帰省するが、進級に必要な論文が未提出のため、気が重たかった。ある日、ケティは野生馬(マスタング)に巡り会い、気分が晴々となる。馬は父(ティム・マッグロウ)によって捕らえられ、牧場に連れてこられる。独立心の強いマスタングは人に馴れようとしなかったが、ケティはフリッカと名付けて調教を始める。しかし、借金のためにフリッカはロデオ用の馬として売り渡され…… ワイオミング高原の美しい自然を背景に少女(アリソン・ローマン)と馬の友情を描いたハートウォーミングな作品です。野生馬との出会いから、フリッカと名付けて父親に内緒で調教し、別れそして再会という筋書きは、動物映画の定番で変り映えしないのですが、野生馬に対する愛情がひしひしと伝わってきて好感がもてます。 原作はメリー・オハラの児童小説で、海外ドラマ全盛の1960年代前半に『名馬フリッカ』というテレビシリーズもありましたね。この時は、主人公は少女でなく少年でした。他にも『走れ!名馬チャンピオン』、『スーパー・ヒューリー(フューリーとソニー)』、『走れチェス』、『ミスター・エド』といった馬が活躍するテレビシリーズがありました。日本では名馬ものはありませんが、アメリカでは西部開拓になくてはならぬ動物だったせいか、身近な存在として活躍するんですね。 |
『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(2005年/監督:トミー・リー・ジョーンズ)
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メキシコ国境に近いテキサスの荒野でメルキアデス・エストラーダの死体が発見される。友人のピート(トミー・リー・ジョーンズ)は、メルキアデスが国境警備員のマイク(バリー・ペッパー)に殺されたことを知り、マイクを拉致して共同墓地に埋葬されたメルキアデスの遺体を掘出す。ピートはメルキアデスとの生前の約束を守るために、マイクを引連れ、メルキアデスの故郷メキシコに旅立つが…… 男の友情とこだわりを、トミー・リー・ジョーンズが渋く演じています。缶コーヒーを飲む異星人もいいですが、やっぱり西部男が一番ですね。 彼の初監督作品で、フラッシュバックを多用していますが、演出そのものがオーソドックスなので解りづらさはありませ〜ん。 |
『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』(1991年/監督:サイモン・ウィンサー)
『レスラー』で復活したミッキー・ロークが落ち目になる寸前の作品で、1980年代のセクシー・シンボルと呼ばれた存在感は見せています。拠り所である古い酒場を買い戻すために、仲間と銀行の現金輸送車を襲ったら、金でなく麻薬だったために殺し屋に狙われ、仲間を殺されたハーレーダビッドソン(ミッキー・ローク)とマルボロマン(ドン・ジョンソン)が復讐する物語ね。 プロットそのものは、よくあるアクション映画ですが現代西部劇仕立てにしているのが嬉しいです。動かなくなったオートバイを馬に見立てて銃で引導を渡したり、駅馬車襲撃のごとく現金輸送車の屋根に跳び乗ったりしてね。ミッキー・ロークが使う拳銃がルガー・ブラックホークのシングル・アクション・リボルバーというのも、コルト・ピースメーカーを感じさせていいですね。 |
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高層ビルの一室でボスと対決し、あわやという時に二人を助けるのがロバート・ギンティ(『エクスタミネーター』などの1980年代B級アクションスター)で、顔見せだけのカメオ出演だけかと思っていたら、美味しいところを頂いていましたよ。傑作とはいえませんが、楽しい作品で満足で〜す。 |