時代は戦国


『独眼龍政宗』(1942年・大映/監督:稲垣浩)

合戦で目に矢が刺さり、片目になるところから始まって、人質になった父を死なせた悲しみを乗りこえて、奥州の平定のために出陣する姿でもってエンドとなる伊達政宗(片岡千恵蔵)の物語です。戦時中の作品なので、聖戦がテーマになっていますね。戦死した者のためにも戦うということが前面に出ています。

合戦シーンは現在ではCG処理されて誰が撮ってもそれなりの映像ができますが、当時はロケによる人海戦術なので監督の技量に左右されます。稲垣浩は合戦のようなモブシーンを得意としているので、それだけを観ていても楽しめました。

画像は、伊達政宗(片岡千恵蔵)と片倉小十郎(月形龍之介)

 

『独眼竜政宗』(1959年・東映/監督:河野寿一)

奥州の若き武将・伊達政宗(中村錦之助)は隣国を次々攻略していた。政宗の知勇を恐れた豊臣秀吉(佐々木孝丸)は、石田三成(徳大寺伸)に政宗暗殺を命じる。政宗は暗殺団に襲撃され、右目に矢をうける。傷治療のために身分を隠して温泉郷にやってきた政宗は、村人の勘助(大河内伝次郎)や千代(佐久間良子)と過ごすうちに、両目がそろっていた時には気づかなかった新しい世界が見えてくる。腹心の片倉小十郎(岡田英次)から居所をきいた愛姫(大川恵子)が政宗をたずねてきた時、政宗の父・輝宗(月形龍之介)が政宗を憎んでいる畠山義継に人質にとられ……

合戦シーンよりもチャンバラを主体とした史実無視の娯楽作品です。伊達政宗の片目は幼時に患った疱瘡によるものなんですが、この作品でも、矢傷が原因になっていますね。子供の頃、私は伊達政宗の片目は矢傷だと信じていましたよ。

映画的には史実より伝説の方が面白くなりますねェ。

 

 

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