アメリカンアウトロー

(AMERICAN OUTLAWS)


(スタッフ)

監 督……レス・メイフィールド

製 作……ジェームズ・G・ロビンソン

脚 本……ロデリック・テイラー、ジョン・ロジャース

撮 影……ラッセル・ボイド

音 楽……トレヴァー・ラビン

 

(キャスト)

コリン・ファレル = ジェシー・ジェームズ

スコット・カーン = コール・ヤンガー

アリ・ラータ = ジー・ミムズ

ガブリエル・マクト = フランク・ジェームズ

グレゴリー・スミス = ジム・ヤンガー

ウィル・マコーマック = ボブ・ヤンガー

ロニー・コックス = ドクター・ミムズ

ハリス・ユーリン = サデュウス・レインズ

キャシー・ベイツ = ジェームズ兄弟の母

ティモシー・ダルトン = アラン・ピンカートン

 

2001年/モーガン・クリーク・プロダクション製作
カラー・95分/ビスタサイズ
(2003年7月3日 キネカ大森)

 

(解 説)

 

 “西部のロビン・フッド”として歌にまで謳われ、アメリカの民衆に絶大な人気のある無法者、ジェシー・ジェームズの物語は、これまで多くの映画で語られています。

 私が観たものだけでも、『地獄への道』(39)、『無法の王者』(57)、『ミネソタ大強盗団』(72)、『ロング・ライダーズ』(80)、『荒野のアウトロー』(85)、『ワイルド・ガンズ』(95)があり、それぞれがジェシー・ジェームズについて色々な解釈をしていました。

 この『アメリカンアウトロー』では、無法者としての悩みは、“どこ吹く風”で実にアッケラカンとしており、青春映画に近いノリを見せていますね。当然、史実とは違った内容になっています。

 

 映画は、南北戦争終戦間近の戦闘シーンから始まります。ジェシーたち南軍ゲリラが北軍に待ち伏せされ、部隊はピンチに陥りますがジェシーの活躍で危機を脱します。北軍のガトリング機関銃や、フランク・ジェームズが狙撃に使用するヘンリー・ライフルなどが登場して、銃器ファンはそれだけで嬉しくなりますよ。

 

 南北戦争が終り、故郷に戻ると、サデュウス・レインズ率いるロック・アイランド鉄道会社による用地買収が行なわれていた。その買収は政府の意向を盾に取った強引なもので、用心棒としてピンカートン探偵局を雇っていた。

 鉄道会社による用地買収はジェームズ伝説になっていますが、ジェームズ一家の土地に鉄道が通るという事実はなかったようです。アラン・ピンカートンが鉄道会社に雇われるのは、ジェームズ強盗団が銀行や鉄道を襲うようになってからですから、これも史実と違います。

 

 ある日、買収交渉人と争いとなり、護衛の探偵局員を殺したコール・ヤンガーが逮捕される。ジェシーたちは、死刑執行されようとするコールを救出するが、ジェシーはピンカートンに射たれて負傷してしまう。負傷したジェシーを看護したのが従姉妹のジーで、二人の間に愛が芽生える。

 負傷したジェシーを看病したことが縁で、従姉妹ゼレルダ・ミムズ(通称ジー)とジェシーが後年結婚するのは事実ですが、ジェシーが負傷したのは南北戦争からの帰郷中のことです。1865年5月か6月、北軍兵士から不意射ちされ、胸に銃弾を受けたまま母のもとに帰りついたといいます。

 

 農民たちの団結を崩すために、鉄道会社はジェームズ兄弟の家を襲う。家が爆発し、母親が死亡し、その復讐のために強盗団を結成する。

 ジェームズ兄弟を追っていたピンカートンの部下が、兄弟の家を爆破したのは事実ですが、死んだのは8歳になる異父弟でした。母親も片腕を失う重傷でしたが、一命は取りとめています。このことで、ピンカートンは民衆からの支持を失い、ジェームズ兄弟に同情が集まるようになったんですね。多額の賞金をかけても、ジェームズ兄弟が捕まらなかったのは民衆の支持があったからなんです。

 

 ジェームズ強盗団の襲撃はおもしろいように成功をおさめた。ピンカートンは、彼らの行動を分析し、罠を仕掛ける。コール・ヤンガーの計画によるハイパリオン銀行の襲撃は失敗し、ヤンガー兄弟の末弟ジムが死に、多くの仲間を失う。
 モデルはノースフィールドのファースト・ナショナル銀行襲撃でしょうね。この時、8人が参加しましたが、行員の抵抗に会って市民に気づかれ、射ち合いになります。ジェームズ兄弟は逃げのびましたが、ヤンガー兄弟は捕まり、残りの3人は射ち殺されました。

 ジェシーは仲間と離れ、フロリダでジーと結婚するが、ピンカートンによって逮捕される。しかし、移送中の列車でジェシーは拳銃を看守から奪い、看守を皆殺しにする。ちょうどその時、ジーの知らせを受けた仲間が結集し、列車を待ち伏せし……

 ラストは鉄道のないテネシーで、ジーと幸せに暮らすことを暗示させるハッピーエンドになっています。50年代のB級西部劇によく見られた終り方で、暗い結末よりスッキリしていて良いですね。

 深刻ぶった西部劇が多くなって、西部劇がつまらなくなっていったのですから、原点復帰として評価したいと思います。

 

 

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