2003年7月度MCTツーリングレポート |
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2003年08月03日 第1版公開 |
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日時 |
7月20日(日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
目的地 |
栃木県日光〜群馬県方面 “峠づくし”ツーリング | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
天候 |
曇り ところにより一時晴れ のち一部雨 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
AM3:30、携帯のバイブレーター目覚ましが枕の下で振動している。実は前日は外せない仕事が急に入った関係もあってAM1:30まで仕事をしていたため、実睡眠時間はたったの2時間だ。よく起きれたもんだと自分でも驚いている。 外に出て天気の状態をチェックする。寝る直前(AM1:30頃)にもチェックしていて降っていなかったため期待していたが、目覚めの時点でも雨は降っていない。こりゃ絶対に行けるな、と確信したが、一応 i-mode と「Yahoo!天気情報」で各地のピンポイント情報を見てみることにする。まず i-mode のチェックでは
とあまり期待できない数値が並んでいる。軒並み「曇り時々雨」だ。次は「Yahoo!天気情報」で各地のピンポイント情報を見てみることにする。出発地の東京都東久留米市、ルート予定の埼玉県熊谷市、群馬県大間々町、栃木県日光市、群馬県片品村、同富士見村、同前橋市などを次々とチェックするが、いずれも日中は「曇り」、降水量の欄は「0mm」が並んでいる。いずれの通過地も雨が降り出すのはPM6:00以降の予報だ。これはもう間違いなく行けるだろう! そう思って朝食をとっていたらAM3:54に幹事のU海氏から電話が入った。 私 「おはようございます」 そうと決まったら急いで支度をせねば。前日遅く(ほとんど今日未明?)まで仕事をしていた関係でツーリングの準備は何一つしていなかったが、My Wife の協力ですぐに済ますことができた。寝る直前にやっと食事ができていたこともあり、この日は家での朝食はとらず(......というより、2時間前に食べたばかりなので食欲が無い)コーヒーを一杯だけ飲んでいく。 KATANA の暖気もサクッと終わらせ時計を見るとあと10分強で集合時間だ。今日は誰にも見送られることなく、AM4:50に家を後に。
集合場所の Motor Cycle Shop Kiyomiya にはAM4:55に到着する。すでに約半数の人が集まっており、ほどなくして全員が集結した。
天候は何とか持ちそうな気配を見せているが、M尾氏によると飯能の辺りではものすごい霧だったそうだ。「(50 m 先も見えなくて)怖かったですよーー」この東久留米界隈では霧とかはないが、山あいに入る飯能では霧が出ていた。ということは、これから向かう峠道とかも霧が出る可能性があるということだ。気をつけて行かねば。 簡単な朝ミーティングの後、AM5:10出発。私は最後尾でケツ持ちすることにした。
都道4号【所沢街道】から都道15号【小金井街道】へと右折し北上していく。この時間はほとんど信号にも引っかからずに進んでいける。西武池袋線の踏切を越え【柳瀬川通り】〜【三本木大通り】からR254【川越街道】をちょこっと経由してR463【浦和所沢バイパス】に出る。R463に出るルートとしてはいつも利用する定番の道だ。 R463【浦和所沢バイパス】は“無料高速ステージ”で有名?な道だ。が、この日はいつにも増して“無料高速ぶり”がすごかった。オービスがあるところでは多少減速したものの、それ以外のところではみんなスロットルはワイドオープン!スピードメーターの針がすごい勢いで回っていく。 それでも少しするとR463は片側一車線のそんなに太くない道になる。そこでようやくスロットル開度が閉まっていった。埼玉大前から脇道経由でR17【新大宮バイパス】に出る。
R17【新大宮バイパス】もR463に負けず劣らずのハイスピード道路だ。ところどころ信号で前走車と寸断されるが、再び青になると同時に猛然とダッシュ!またしてもメーターの針は休むことを知らない状態に。....f^^; R17に入ってから、それまで先頭で引っ張っていたO川氏が、本来の幹事であるU海氏と交替して後ろに下がってきて私のすぐ前に着けた。ある信号でO川氏の方が早くブレーキを効かせたために私の方が一瞬前に出る形になったところがあり、その後停車した時にO川氏がバイクを降りて私の方に近づいてくる。何かな?と思ったら私の前ブレーキを握ってストップランプの確認をしている。え?どうした? O川氏「前ブレーキのレバーの根本のところにあるストップランプのスイッチがバカになっているよ」 えーー?それってブレーキ掛けてもストップランプが点かないってこと? O川氏「リアブレーキを踏んだ時にはちゃんと点いているから、フロントのスイッチに間違いないよ」 ガーーーン!朝出てくる前に見た時は異常なかったんだけどなーー。 O川氏「フロントだけ掛けるんじゃなく、リアもしっかり使って下さい。そしたら点きますから」 普段からリアブレーキもしっかり活用する派の私なのだが、先ほどO川氏を一瞬抜いた時はそれほどスピードが出ていないケース(ほとんど停車直前)でのブレーキングだったこともあり、フロントブレーキだけで済ませていたのだ。それがかえって異常部分を発見できることとなったのだ。それにしても、ほんの一瞬見ただけで気づいてくれるO川氏に感謝だ。さすがバイク整備のプロだなぁ。
R16との合流&再分岐を越え上尾市に入っていくと、R17もようやく片側二車線のフツーの道路に戻る。それでも時間の早い朝のせいか、あまりストレスとならずに走っていける。調子よく走って行くと、R17が二手に分岐する〔箕田〕交差点にいつの間にか到達しようとしていた。左側車線をそれなりのスピードで走っていた車列は慌てて一番右の右折レーンへと進路を変更していく。後ろを走っていたクルマさん達、急な動きをしてゴメンなさいね。 信号で停まった時、目の前のO川氏とT島氏がバイクを交換している。かつてはO川氏も“RZ 乗り”(ただしO川氏は 350 乗り、T島氏のは 250 だが)だったこともあり、O川氏が RZ に乗っても違和感が全く無い。反対にT島氏が GSX1400 に乗ると、タダでさえデカい 1400 が小柄なT島氏の体躯と相まってさらに大きく見える。 信号で前車から寸断され、青信号とともに発進!甲高い音を発しながらO川氏運転の RZ250 がすっ飛んでいく。その後をT島氏運転の GSX1400 と私の KATANA が追いかけていく。さすがに排気量の差から追いつくのはワケない。O川氏は RZ のスロットルを目一杯捻って空気の壁と闘っている。同じスピードを出すにも小排気量の方が大変なのだが、その分「走ってるぅ〜!」感、「頑張ってるぅ〜!」感は大排気量車では味わえないものだ。RZ オーナーのT島氏も大型二輪に乗っていたこともあるが、この「走ってるぅ〜!」「頑張ってるぅ〜!」感を味わい続けたくて、あえて大型から RZ に乗り換えたような感じだ。
行田市に入る辺りから霧が出始めたが、熊谷市に入ると一旦霧は晴れた。〔代〕交差点からR407【妻沼バイパス】に入っていくが、この辺りから本格的な霧となった。ジャケットも状態が濡れてきだすほどだ。路面も濡れみるみるうちにバイクも汚れていく。まぁ、雨は多少は覚悟していたからバイクが汚れてしまうのは致し方ないのだが、中途半端に濡れるのが一番やっかいだ。レインウェア着るほどでもないしかといって着ないと濡れていくばかり。結局この場では停まることなく進んでいって、太田市中心部に入ると霧もやんでしまった。ほどなくして現れたR122を左折し、さらに〔只上〕交差点を左折してR50へと進んでいく。 R50に入って間もなくするとまた霧が出始めた。隊列も信号で寸断され、O川氏、T島氏、私の3人が取り残された。信号青と共に前走車に追いつくべく猛ダッシュ!さらに深くなっていく霧の中を走って行く。霧の中からふと前方に“記念撮影装置”が姿を現した。結構速く走っていたこともあり、気づいた時には減速する余裕もなく、O川氏、T島氏、私の3台が仲良く赤い光とともに“記念撮影”された。O川氏やT島氏も全く減速できなかったから、もし記録があったら3人とも同じくらいなのだろう。
記念撮影できるほど?トバした甲斐あって、前走車にはほどなくして追いついた。簡単に追いついた最大の理由はさらに深くなった霧のために隊列がスピードダウンしていたからだが、私らの負ったリスクも多大に影響していることだろう。 少しすると先頭がコンビニに向けてウィンカーを出している。ここで朝食休憩のようだ。AM7:05、セブンイレブン【桐生広沢店】到着。
「いやーー、さっきの“記念撮影装置”、光ったねーー(3人)」「え?光らせちゃったの?(3人以外)反対車線ではねずみ取りしていたし、白バイもいたのに危ないなーー」「え?そんなのいたの?気づかなかったよ(3人)」 どうやら先ほどの“記念撮影装置”のところ、こちらサイドの車線ではその装置が、反対車線では朝も早くからねずみ取りを霧の中していたらしい。危ない、危ない。気をつけねば....(^^; 夏だというのにかなり涼しい(人によっては「寒い!」という人も)ため、暖かいもので暖をとる人もいる。朝早かったこともあり、みなしっかりとした朝食をとっている。私もおむすび2個と缶コーヒーの定番メニュー?を食べる。 比較的ゆっくりとした朝食タイムとなり、AM7:45、コンビニをあとにする。
再びR50にバイクを投じる。すぐに〔広沢町四丁目〕交差点(立体交差)が現れ、ここからR122へと進んでいく。大間々町に入ったところでR122が右に折れ、さらに渡良瀬川にぶち当たる〔上桐原〕交差点を左折すると、ここからほとんど停まらない区間の始まりだ。 少ししたところで3台前を走るM尾氏が右側にあるGSに入っていく。それを見てH詰氏がM尾氏に付き添うようにストップした。私はこの二人が後ろにいることを認識したうえで、本隊の最後尾で走って行く。どうせすぐ追いついてくるだろう、激走コンビだもの。....(^^; さて本隊の方は、前をあまり速くないクルマに遮られながらも淡々と走って行く。地図をめくる暇なくドンドン進んでいく。道の方も適度なコーナーがあり、速すぎないペースと先ほどの食事の影響からか睡魔がちょっとだけやってきた。この“適度なコーナー”ってのが、睡魔に襲われている人にとってはちょうどゆりかごのようなもので、だ〜んだんと気持ちよくなっていくんだな、これが。いかんいかん、寝るわけにはいかないんだ、こんなとこじゃ! 気づくと既に草木湖も越え栃木県に入っている。ふとミラーを見ると、3〜4台後ろのクルマの後ろにヘッドライトが灯っているのが見えた。ようやく追いついてきたか、M尾氏とH詰氏。安全な直線部分で確実にクルマをパスしてやっとの事で私の後ろまで到達した。30 km 前後に渡って離れて走っていたことになる。走りながら隊列に合流してもらい、何事もなかったかのように本隊はさらに進んでいく。 長い【日足トンネル】を抜けるとR120が見えてくる。これを左折してほどなくして現れたGSに何台かがすべり込んでいく。給油しない人もいたが、私は念のため補給しておくことにする。AM9:05、GSで給油のためストップ。
ふと気づくと、なんと渡良瀬川にぶち当たる〔上桐原〕交差点の少し手前のところから全く停車しないでここまで来てしまった。この間当然ながら地に足を着いていない。約 50 km ノンストップだったのだ。 「ここで給油するんだったら、もしかしたら(先ほど自分だけ入れたところで止まらなくても)ガソリン持ったかも」とM尾氏。でもこのGSで給油するとは私も聞いていなかったし、どこが給油ポイントかわからないまま、山あいを少ない燃料状態で走るのも不安だったことだろう。だからM尾氏の判断は決して間違っていない。 10分ほどで給油が必要なバイクの給油が終わり、AM9:15、おもむろにR120を走り出す。
少しするといろは坂が現れる。あるポイントから、登り一方通行の第二いろは坂となる(第一いろは坂は下り専用)。さぁ、久々のいろは坂だ!と意気込むが、すぐにコーナー途中で停車した。おや?なんでこんなところで停まるんだ?別に眺望がいいわけでもないのに........と思ったら、どうやらM.I 原氏が先に行ってコーナーで待ちかまえ、みんなのコーナリングシーンをビデオに撮ってくれるのだという。そうか、それでビデオのセッティングが終わるであろう頃まで停まっているのか!これが、M.I 原氏による【MCTツーリング撮影高度化計画】のことだったのだ。
しばらくして先頭から順々にスタートしていく。撮影してもらえる以上、映像的にクルマとは被りたくないから、クルマが登ってきたらその直前にスタートする形にする。そうすれば最低限、クルマの陰に隠れちゃった!的な失敗はしないで済むだろう。私の直前にO川氏もスタートした。
走り出して「さぁ、これから!」という頃に、前方のコーナー奥にM.I 原氏の姿が。え?もう撮影ポイントなの?ちょっとまだリキ入っていないよーーと心の中で叫んでいる。ペースが上がっていないのであんまりバンクしていないだろうな、と思いながら、せめて視線だけはコーナー奥を見つめるようにしてヘルメットの向きを意識しながらM.I 原氏の前を通過していく。....(^^;
撮影ポイントを通過するまではペースもあまり速くなくO川氏と2台連なって走っていたものの、それ以降はどんどんO川氏に引き離されていく。KATANA はブレーキが効かない分早めのブレーキングを余儀なくされるし、コーナーからの立ち上がりでもO川氏の GSX1400 は「トルクのお化け」ぶりをいかんなく発揮して、余裕で私を置いてきぼりにしていく。まぁ、頑張っても敵わないことを知っている私としては無理することなく自分のペースで走って行くまでだが、深いバンク角と軽快さ、どこからでも湧き出てくる怒濤のトルクに誰にでも乗りやすい従順さと何拍子も揃っている GSX1400 に浮気心が湧くのは当然の心理か?....(^^; 少しすると右コーナーの左脇にある駐車スペースにメンバーが停まっているのが見えた。次のコーナリングの体制づくりをする前に気づいたので難なく駐車スペースにすべり込んでいく。 私から遅れること2〜3分後、みんなの撮影を終えたM.I 原氏がやってきた。M.I 原氏だけ動画が無く気の毒なので、せめて私のデジカメで連写して差し上げよう。
こうしてAM9:30、いろは坂の名もない駐車スペースに全車がまた集まることができた。「お疲れ様」「まさかあんなすぐに(M.I 原氏が)いるとは思わなかったよ」「ご苦労様」みんな口々にM.I 原氏の労をねぎらう。
M.I 原氏が到着してから5分後のAM9:35、「そろそろ行きましょう」のO川氏の号令で再出発する。さて、この次はどこに停まるのかな?....(^^; 次々に来るクルマ達の間を縫って順次スタートする。次のヘアピンを回り込んで........と、いきなり先行車が左脇のパーキングに入って停まっている。おいおい、もう停まるんか?右車線にいた私は慌てて左車線に移り、後続のクルマさんに多少の迷惑をかけながらパーキングにすべり込む。 そこは明智平のバスストップだった。まさかここで停まっているなんてことはないだろな?と思ってはいたが、なんで停まったのかは不明だ。幹事から「戦場ヶ原のあたりまでフリーにします」とのお達しが。われ先にと飛び出していくメンバーもいたが、この先はあまり飛ばせる道は無いと思うよ? 私はタイミングが悪く観光バスの後ろに入ってしまったため全然スピード出せなかったし、私より後ろの人はさらに遅いクルマに引っ掛かっていたようだった。この区間はフリーにしてもしなくてもあまり変わらなかったかな?
トンネルを抜け信号で停まる。このタイミングでようやく先行するバスをすり抜けでかわせた。時既に遅しの感があるが。....(^^; 左折すると先行していたO川氏が停まって後続メンバーの目印役になっている。手を挙げてO川氏に合図しながらかわすと、左手に中禅寺湖を望ながらの走行となる。道も【日本ロマンティック街道】なる名前が付けられている。何が“ロマンティック”なんだかイマイチわからないが、景色を楽しみながら走って行く。 ちょっとだけクネクネした部分を抜けると長い直線路のところに出る。左手にはかの有名な【戦場ヶ原】の湿原が広がっている。するとここでも先行車が左脇に停まっている。よく停まるなぁ、などと思っていたら、M野氏が「ここで写真撮りましょうよ」と提案してきた。え?ここで?歩道はあるけれどバイクは道路上に停めたままだし、右から左からクルマが結構走ってくるから写真撮れるかな? ........で、撮ってみた。全部で5枚撮影したが、うちリモコンで4枚、セルフタイマーで1枚撮影した。そのうち見られる写真はこの3枚かな? 小さい2枚はリモコン撮影なのだが、リモコン電波の到達距離は最大でも5mと意外と短い。加えて明るいと電波の到達距離が短くなりがちなのだという(デジカメのマニュアルより)。なので道路の反対側に設置したデジカメまで6〜7mはあったため、リモコン撮影だと私が道路の中央付近まで行ってリモコンを動作させた後メンバーのもとまで戻ろうとするが、リモコン動作後3秒でシャッターが切れるため、どうしても満足いく写真が撮れない。考えた末、通常のセルフタイマー撮影に賭けてみることにする。すると、そういう時に限って大きなトラック等が迫って来るではないか!こりゃダメだな、と諦め半分でトラックをやり過ごすとなんと!その直後にフラッシュが光って撮影完了できたではないか!そこにいた全員が「あ〜!」とトラックを眺めていたので、むしろ自然な表情の写真が撮れたように思う。
撮影も無事終了し、荷物をまとめてすぐスタートする。【湯ノ湖】を過ぎると道路も【金精道路】となり、峠道のスタートだ。金精峠部分は道路的にはトンネル(金精トンネル)で、その前後がタイトな峠道となっている。トンネルを抜けるとそこは再び群馬県だ。 ふと、前から3台目を走るT島夫人のことが気になった。みな結構なペースで走っている。普段は街乗りしかしておらず、以前のバイク(ボルティ)から替えてそんなに日も経っていないT島夫人のところで隊列のペースがガクッと落ちるのでは、と思っていたのに、そんな心配をよそに隊列のペースは速いのだ。こりゃ旦那さんに鍛えられて相当腕を上げたな? そうこうしているうちに【菅沼】を越え【丸沼】を越え、峠道もだんだん終了の気配が出てきた。天気も良くなり、青空が覗いてくるようになった。信号もなくひたすら前に進んでいけるのはいいが、たまには地面に足着かないと膝に力が入らなくなってくる。バイクのホールド自体はかかと&くるぶしでガッチリ挟み込んでいるので問題はないのだが、膝の曲がりがキツい KATANA では足全体が痛くなってくるのだ。どうにかしてーー!と心の中で叫びながらの走行が続く。 道幅が広く平坦になってきた。ステップの上に立ったりしながら足を伸ばしてリラックスしていると、先頭が左急カーブのところで右にあるお店に向けてウィンカーを出している。上り坂の途中の左カーブなので入る時は見づらかったのだが、ここは釜飯などの食事処のようだ。ここで昼食なのか?時計を見るとAM10:55だ。お店の人に聞くと開店はAM11:00からだという。あと5分待てばお店が開く。それを聞き、ここで昼食にすることにした。AM10:55、釜めし・天ぷらのお店【竹屋】に到着した。
ここではやはり看板通り“釜めし”を頼むとしよう。一口に“釜めし”といってもいろいろ種類があるようで、私が頼んだのは「五目釜めし」だ。他にも何種類かあったが忘れてしまった。....f^^; 開店直後の最初のお客だったこともあり比較的ゆったりとした昼食タイムとなった。店内のテレビでは「笑っていいとも増刊号」が映っている。そうか、まだそんな時間なんだなぁ。朝早く出ればかなり距離走れてしまうものだなぁ。ま、ペースも早めだけど。....(^^; 1時間強ほどゆったりとした昼食タイムを過ごし店の外に出るがまだPM0:00、つまり正午だ。正午に昼食が終わって走り出すなんて、今までのツーリングでは無かったのではないだろうか? ふとお店の隣を見ると、みんなが寝っ転がれそうな芝生が広がっている。それを見たM野氏が、出発しようとしている隊列を止めて「ここで昼寝タイムにしない?」と幹事のU海氏に話している。しかしその意見は採用されず、とりあえず出発することにする。PM0:10、【竹屋】をあとにする。
R120を南下していき、次は赤城を目指す。まだここから峠道が待っているのだ。「峠」と聞いて楽しみにしていたメンバーの目がさらに生き生きとしている。 昼飯処を出て間もなく、O川氏がH詰氏に「(バイク)換わる?」と話している。H詰氏も「いいよ」と応じ、GSX1400 は今度はH詰氏のライディングとなった。H詰氏は「いや〜、楽チンだわ。楽チンだけどあまり盛り上がりが無いね」そりゃそうだ。“トルクのお化け”と言えるほど有り余るトルクの GSX1400 だと、スロットルをほんのちょっとだけ捻るだけでズズズイッ!と走ってくれるので、楽チンだけど、エンジン回転の上昇を楽しむとか小排気量ならではの“楽しみ要素”が無いのだ。H詰氏の感想ももっともなことだ。 反対にH詰氏の ZEPHYR750 改に乗ったO川氏は楽しそうだった。H詰氏が改造の中でハイスロを入れていることもあり、ZEPHYR750 にしてはゴキゲンなスロットルレスポンスとパワー感が楽しめるのだ。以前に私もH詰氏の ZEPHYR750 に乗らせてもらったことがあるが、ハイスロのセッティングと車体のコンパクトさが相まってとても楽しいマシンになっている。 H詰氏とO川氏のバイクチェンジはこのまま赤城の大沼まで続いていた。
県道との分岐でR120に別れを告げ、群馬県道267号に入っていく。先ほどから隊列の前を塞いでいる遅いクルマも県道の方に入っていく。さすがに遅いペースにイライラしていたのだろう、先頭から順にクルマを追い越しにかかる。クルマの方も抜かれ慣れているのか?左に寄って抜かしやすくしてくれている。最後尾の私が追い抜き完了した時点で、手を挙げてお礼をする。峠道では、こうしたちょっとしたコミュニケーションが大事だと思う。お互い気持ちよく走りたいのは同じだし。 ちょこまかした道路の接続を経由し、いよいよ本日の峠第二ステージである【赤城道路】にやってきた。2001年7月度のツーリングでも走った道だが、2年ぶりなので楽しみにしていた。前回は途中で事故があり救急車も見かけた【赤城道路】だが、今回は事故をしている気配はなさそうだ。加えて、前回はすんごい勢いで隊列を追い抜いていく、通称「赤城族」なる走り屋さん達がいっぱいいたが、今回は全く見かけなかった。 右に左にコーナーを抜けていき、さぁもっと楽しもう!と思った矢先に前回も停まった大沼脇の大駐車場に到着してしまった。あれ?前回より距離が短く感じたけど気のせいかな?PM0:55に着いてしまった。
みんな喉が渇いているので自販機で缶ジュース類を買って飲む。飲み終わった後にゴミ箱が無いことに気づいた。みんなどうしようか迷っていたが、飲んだら必ずゴミになるものを売りっぱなしで回収しないのはお客に対して失礼だ、と思う。なので、自販機の横にきれいに並べて空き缶類を“返却”しておくことにする。 この後のルート確認をする。このままで行けば高速に乗らなくても十分早く帰れそうなので、一般道でのルートどりをする。さっきまで晴れていた天気も再び雲が厚くなり霧も出だした。ルートどりしながら40分ほど立ったまま休憩し、PM1:35、大駐車場をあとにする。
群馬県道4号を前橋方面に向かって走り出す。O村女史によると「(赤城の)南側の道の方が面白いのよ」とのことだ。そんなに走りに来ているの?O村女史?ま、確かにクネクネ度合いは南側の方が楽しく走れるような気がした。下りなのでスロットルを開け気味にしないとうまく走れないが、うまくコントロールできた時は上りよりも楽しい。ある意味、峠は上りよりも下りの方がライダーの技量・度胸の差が出やすいとも言える。ビビってアクセルを閉じると曲がりづらい上に不安定になりがちだからだ。 ある程度下っていくと道はなだらかになっている。それはつまり、今回の“峠ツーリング”の終焉を意味していた。この先はもう、フツーーの道があるのみだ。 ここで今度はM尾氏とO川氏がバイクチェンジしている。O川氏の GSX1400、人気あるなぁ....(^^; で、M尾氏の感想。「信号で停まった時、エンジン止まっちゃったのかと思いましたよ」。いつも迫力ある排気音のバイクに乗っているのと、普通に聞いてもとても静かな GSX1400 の排気音のギャップからか、エンジンが止まったような錯覚になったらしい。それだけ最新バイクの騒音規制対策(=消音装置の技術力)がすごいことでもある。
ひたすらひたすら群馬県道4号を前橋方面に走る。途中、右手にあるGSにH詰氏が入っていったため隊列がストップ。短時間で給油を終え出てきたH原氏を再び隊列に組み入れ再スタート。ここからはあまり時間もかからずに前橋市街に入っていく。意外と赤城って前橋から近いんだなぁ。このへんに住んでいる人は峠が近くってうらやましい!?....(^^; ほどなくしてR50に突き当たり、これを左折する。このあたりは特徴のない風景で、道幅が広めな他は特に印象に残っていない。淡々と隊列を進めていく。〔今井町〕交差点で右折しR17【上武道路】に入っていくと、この道もまたスピードの出しやすい快調な道だ。ダーーーッと走って行くイメージだ。ツーリングマップルにも「ハイウェイのような快適ルート」と紹介されている。しかしあくまでも一般道である。スピードの出し過ぎにはご注意を。 隊列が東村に入ったあたりで左にウィンカーを出す先頭。どうやらここで午後の休憩のようだ。PM2:50、セーブオン【あずま上武国道店】に到着。 結構喉も乾いていたものの、ほとんどの人がアイスなどでクールダウンしている。 ひとしきり経ったあと、ふとバイクの方を見るとH原氏がエンジンをかけなにやら首を捻っている。その音を聞いたH.I 藤氏やO川氏、H詰氏らが近寄っていく。すると........ズボッ、ズボボッ、ってな具合でギクシャクしたエンジン回転とともにどこかで聞いたことのある、1気筒死んだようなイヤな音。明らかに異常だ。トラブル発生だ。 聞くと、先ほどH原氏が単独でGSに入った直後から症状が出ていたらしい。「走りながら直るかな?」とそのまま走ってきたようだが一向に良くならず、ここでトラブルとしてみんなに周知したようだ。 H.I 藤氏が様子を見る。ガソリンがボタボタと漏ってきており、タンクを外してキャブを見てみなければならない様子。CBX1100XX スーパーブラックバードはタンクの下にエアクリーナーボックスがあり、これも外さないとキャブに到達できない。 詳しいことはわからないが、どうやらキャブだけの問題のようだ。H.I 藤氏の手によりしばらくして調子を取り戻したCBX1100XX スーパーブラックバード。よかった、よかった。しかしこのトラブル対処で時間を使ってしまい、このコンビニに到着してから1時間が経過しようとしていた。こうなると一般道だけでは時間的にキツいので再度ルート変更を検討しなければならない。当初予定していなかった高速を使うことにし、それに伴いルートも大幅に変更する。高速は関越道の本庄児玉 ICから乗ることにし、PM3:50、コンビニをあとにする。
R17から群馬県道68号を経由しR462に出る。伊勢崎市内のちょこまかしたところを通り〔板東大橋〕を渡って埼玉県に突入。〔若泉一丁目〕交差点を右折し一旦R17に入り、すぐ次の信号を左折して再びR462に入る。3 km ほどで関越道・本庄児玉 ICが現れるのですべり込んでいく。 「ここから高坂SAまでフリーにします」O川氏の声とともに早速飛び出していく“飛ばし屋サン”たち。ここまではケツ持ちしていた私もお言葉に甘えて?先に行かせてもらうことにする。 先を行く 250 の人たちにはわりとすぐ追いつき、追い抜かせてもらう。400 の人たちも同様だ。CB1300SF に乗るN.T田氏も飛ばすはずだが、カウルがない辛さからか風圧と闘っているように見える。その横をパワーで劣る KATANA で難なくパス。お先に! しばらく行くと前方にO村女史が見えてきた。結構飛ばしているな。普通に走っていたんじゃなかなか追いつかないぞ。よし、ちょっとスロットルを足すか........まぁ、追いつこうと思えばすぐ追いつく。排気量差があるし。追いついてからしばらくO村女史の走りを観察してみることにする。速度は 150 km/h くらい出ている。私が追い抜いていかない、と見たO村女史、そこからさらに加速して(!)突き進んで行くではないか。超高回転型エンジンとはいえ 250 cc しか排気量がないのに、そんなにスピード出るモンなの?最近の 250 は?いずれにしろレッドゾーンギリギリまで回っていたに違いない、O村女史の BALIUS II。そんなに回して大丈夫?
この間に雲行きがどんどん怪しくなってきていた。そして道では渋滞が。花園 IC付近からいくらかの渋滞が発生しているが、ここは迷わず車線間をすり抜けでかわしていく。中にはバックミラーを全く見ずに車線変更してくるクルマもいるので、細心の注意を払いながらの走行を余儀なくされる。 嵐山PAの手前あたりから、ついに雨粒がヘルメットのシールドに当たり出した。と思ったら、途端に雨足が強くなってきてしまった。この日は降られずに済むのでは、と淡い期待を抱いて出発した朝だったが、終盤になってもろくも崩れる結果となった。すぐやむかも、と期待し、すぐにあった嵐山PAには寄らずに(=レインウェアは着ずに)そのまま休憩予定地の高坂SAを目指して走る。しかし期待もむなしく、雨足は弱まるどころか逆に強まってしまい、ジャケット等はあっという間にずぶ濡れ状態だ。 東松山 ICを越えるあたりからは渋滞も解消する。すっかり“濡れネズミ状態”となってしまったがスピードを緩めることはなくひたすら前を見て走り続け、ようやく高坂SAの案内表示板が出てきた。この頃にはO村女史、M.I 原氏らも近くを走っており、何台かでまとまって高坂SAへとすべり込んでいく。PM4:55、高坂SA着。 「いや〜、降られちゃったねぇ」バイクを停めるなりそそくさとレインウェアを着だすメンバーが。そんなに急いで着なくても、と思うが........案の定、休憩している間に小降りになってきたゾ。 今回もここから別れて帰るメンバーが、と思っていたら、O川氏からここで流れ解散とする旨の話が。雨ということもありここから別れて帰る人が多そうだったからと思うが、何とも締まりのない終わり方だ。それでもそれぞれに方面が一緒の人同士である程度固まっての解散となった。この頃には雨もすっかりやんでしまい、今度はレインウェア着た人が脱いだりと忙しい。ね、ほら、慌てて着なくて大丈夫だったでしょ?....(^^; 解散の挨拶の後みなそれぞれに最後の出発を。私は東久留米方面組で、PM5:15、高坂SAをあとにする。
圏央道との分岐の鶴ヶ島JCT手前でM.I 原氏、H.I 藤氏、M尾氏ら圏央道利用組を追い越しざま手を挙げて別れる。三芳PAあたりで練馬まで行くU海氏、M.I 藤氏、H原氏らも追い越し、東久留米方面組は所沢 ICで高速を下りる。料金所で一旦停まり、T島夫妻らに別れを告げ再スタート。R463【浦和所沢バイパス】から〔亀ヶ谷〕交差点を左折し、いつもの“裏道ルート”で東久留米を目指す。 東久留米駅の東側に出た時、本隊はさらに裏道を進んで Kiyomiya を目指すのだが、流れ解散であることを思い出した私は「別にお店まで行かなくてもいいよな、行っても『じゃあお疲れ様』だけで終わっちゃうし」と思い、私のすぐ前を走っていたH詰氏にここで別れる旨合図し、ひとり家路に就くことにする。
本隊と別れ自宅近くのGSに立ち寄った後、PM6:10、無事家に到着した。
今回はツーレポを書いている私が、ツーレポ史上初めてゴールのお店まで行かずにツーリングを終了させた形になった(遥か昔、横浜や浜松在住時代には途中サヨナラはあったが)。ゴールまで走らないと、なんか切りが悪いというか、「ツーリングが終わった!」的感じがしない。やっぱりお終いまで走ればよかったかなぁ?....(^^; |
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なお、今回の走行は私のカタナで383.5km、燃費は17.86km/Lだった。前回(6月度)以上にハイペース区間が多かったこともあってとても良好な燃費だ。峠もあってこれくらい走ってくれるととても嬉しいなぁ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(終) |