酔田鶏

 田鶏(デンチー)ていうのは蛙、食用蛙ですわ。蛙は前から食ってみたかった食材の一つ。
 こないだ潮州蒸魚を食べた店の前に生きた食用蛙が置いてあるから、ずーっと 前から気になっとったんですわ。いや、蛙を食うていうことへの躊躇やなしに (そんな神経は最初からない)、高いんちゃうかなぁ、ていう心配。
 こないだの潮州蒸魚の値段がそない高いことなかったから、蛙もそない高いこ とないやろ、思て値段聞いてみたら、18$(1300円ぐらい)。潮州蒸魚とおん なじやん。
 出てきたんは、日本風にゆったら、蛙鍋。
 スープには、クコの実、千切り生姜、キクラゲと、あと名前の分からん香辛料 ・漢方薬の材料がいろいろ。ゴボウみたいな根菜を平たぁに切ったやつとか、ゴボウのひげみたいな苦いもんとか。う〜ん、知識がない。味付けは、塩と醤油と 酒かな。ごく薄味。
 で、蛙。  「田鶏」ていうから鶏のささみみたいな感じかな、て思とったけど、これは 「鶏」とは全然別系統の味やわ。筋肉の繊維は縦方向にはっきりしとって噛んだ ら繊維の方向に裂けて崩れる。このへんは貝柱にちょっと似てる。んで弾力たっ ぷり。
 脂肪分がほとんどないねんな。そやからものすごあっさりしてる。味だけでゆ ったら、白身の上品な魚みたいな感じ。
 味でゆったら、ぴったり日本人好みの味やと思うけどなぁ。そやけど蛙いうだ けでゲテモン扱いされるんやろなあ。
 いや〜、うまかった!
関西グルメガイド