ラーメンについて

 ラーメンは中華料理の一つやのに、専門店がどこにでもある日本人に人気のある不思議な食べ物やわな。
 そやけどラーメンは難しいわ。凝りに凝ったスープを売り物にする店が多いんや。おれ程度の舌やと、ベースが鶏か豚骨か、ゆう程度しか分らん。鶏でも、鶏ガラを使うか、鶏を丸のまま使うかで違うし、豚骨でも、白濁したもんとそうやないもんがある。さらにそれに、野菜や他のものをあわせてスープを取る。しかもラーメンスープの場合、スープの材料が何か分らんぐらい材料を煮込まなうまない。さらにさらに、タレが絡んでくるんやからもうお手上げ。
 麺は卵麺がええ(らしい)。細いか、太いか、縮れているか、まっすぐかはあまり関係がない(らしい)。個人的には、コシがあったら何でもええわ。
 ニンニクラーメンがメニューにある店があるけど、ニンニクはすり下ろしたんを直接加えても臭いだけでうまない思う。ニンニクはバターや油で炒めたりしたほうが美味しいし、栄養の面でもその方がええらしい。
 チャンポンや皿うどんもこのコーナーに入れてます。
 ラーメン好きの人に食べてみてほしいのは、ちゃんとした中華料理屋のラーメン。ラーメン屋のラーメンと違い、ハッタリをきかすようなとこは何もない。でも、スープがうまい。具も、中華料理の技法で調理されてるから、ラーメン屋の中途半端なトッピングとは全然違う。中華料理屋のちゃんとしたラーメンを食べると、真面目にスープを取る、ゆう基本を忘れて、変わった材料を使ったり、トッピングを売物にしたり、という表面的な営業テクニックに走っているラーメン屋がいかに多いかが分る思うわ。
 ラーメンは、中国や東南アジアの文化。そやから、中華料理や東南アジア料理の店で麺類を食べてみたら、一風変わったラーメン屋のラーメンのルーツがどこにあるか分るわ。トッピングに凝ってる店も、中華料理の技法を取り入れてることが多い。
 他の料理やと、おいしい店は大通りから外れたところにあることが多い思う。でも、ラーメンの場合はむしろ一見の客が入りやすいところにある店にうまい店が多かったりする。
(1998/12/31) 


関西グルメガイド