ひとりごと(1999年11月分)

 

◆「間違いだらけのクルマ選び」

 年末になると私にはいくつかの楽しみがあります。その一つが「間違いだらけのクルマ選び(草思社刊)」を読むことなのです。つい先日2000年版が発売されましたので、早速読んでみたのです。
 この本はモータージャーナリストの徳大寺有恒さんの著書で、1976年より毎年発刊しているから、ずいぶんと息の長い著作ということになるでしょう。

 私は著書の中でも特に、最初の数10ページ程度で、現在までの自動車業界の動きや、未来の予測をトピック形式で書いた記事を読むのが好きです。
 すでに「間違いだらけのクルマ選び」を読んだことのある方なら、最初の数10ページはおまけで、その後に続く各クルマごとの詳細な評論こそが主体だと思っている人も多いことでしょう。それはそれで良いと思うのです。
 しかし私に言わせると、最初の数10ページに書かれている記事こそが、この本の最も重要なエッセンスだと思うのです。
 その記事の中からいくつか取り上げてみましょう。

 日本の自動車業界の勢力図はトヨタが優勢で、その勢いは暫く続く。ホンダも好調だが、今の手法で商売を続けると、いつか大きなイメージダウンを被るだろう。日産はルノー傘下に入ったが、会社が存続できるかは五分五分程度だ、という具合。

 新しいエンジン技術として、電気自動車のフューエルセル(燃料電池)を大きく取り上げていた。従来のバッテリーのような鉛蓄電池と違い、化学反応で発電するタイプ。これが電気自動車のスタンダードになっていくそうだ。
 また昨年の「間違いだらけのクルマ選び」では、コモンレールという新しいディーゼルエンジンがヨーロッパで普及していると紹介していたが、今年はそのディーゼルも技術的な問題から頓挫していると紹介されていた。ディーゼルカーというと、日本では排気ガスと騒音を撒き散らす自動車公害の象徴のように見られてるが、ヨーロッパのクルマは排気ガスと騒音のどちらもガソリンエンジン並のレベルになっているという。
 コモンレールはディーゼルエンジンのイメージを一掃する画期的な技術と思えただけに、その技術開発がストップしてしまったことは少々残念。

 周辺機器では、カーナビが将来有望な製品で、これからも成長産業になると書かれていました。このくらいなら私もそう思うのですが。でもカーナビ技術の進歩は本当スゴイですね。

 かくして私はこの本を一晩で全部読んでしまいました。いかにこの「間違いだらけのクルマ選び」を読むのが好きかが想像できるのではないでしょうか。

[1999.11.27 by かっきい]

 


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◆ガソリン価格

 私の愛車はいつもガソリンはハイオクを入れています。当然レギュラーよりも価格は割高で、そのためか人一倍ガソリン価格には敏感なようなのです。

 ここ1〜2ヶ月のことでしょうか。近所のガソリン価格が急騰しているのです。最寄のガソリンスタンドのレシートを見ると、9月に1リッター当り¥96だったものが、11月には1リッター当り¥106に跳ね上がっている。ざっと10%以上も値上がりしているのです。

 理由はまず、原油価格の高騰だと思われます。OPEC(石油輸出国機構)加盟国では今年に入ってから原油の産出量を制限する方向になっており、原油の産出国はどこも産出量を絞っているのです。そして供給量が減ると価格が上がるのは、市場の法則と言うもの。こうしてガソリン価格は値上がりしていくのです。
 また日本の石油元売り会社もきっと同じことを言うことでしょう。

 でもちょっと待てよ。ガソリン価格が上がったのは私の行動範囲では、東京、神奈川、埼玉などの首都圏とその近辺だけのようなのです。
 それ以外、例えば山梨県などでは、ガソリン価格はほとんど値動きを見せていません。また10月末に茨城県の北部へ行った時、この近辺もガソリン価格が元々安いのだけれど、この時も相変わらず安く、1リッター当り¥95で入れることができたのです。
 これらの実例から原油価格の高騰という説はどうも怪しくなってくるのです。

 ではガソリン価格高騰の他の理由は何なのでしょうか?
 可能性として考えられることは、首都圏ガソリンスタンドか石油元売り業者の広範囲な価格カルテルということです。つまり石油業界が結託して、石油価格を統制しているという可能性です。
 もちろんこれには根拠はなにもないのですが。

 近頃、企業の大型合併の話が世間を賑わせているけれど、同業種の大型合併とは、つまり寡占状態を促進するということです。結果として価格カルテルなども結びやすくなります。そしてそれは昨年も大型合併があった石油業界もまたしかり、だと思うわけです。
 大型合併は業界再編とか、生き残りのためということで、どちらかというと好意的に解釈される傾向があります。しかし寡占状態を作りやすいという点で、消費者側から見ると必ずしも手放しで歓迎できないのではないか、そう思うです。

[1999.11.20 by かっきい]

 


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◆新ハイウェイカード

ハイカ

 最近、¥500硬貨や¥100硬貨を偽造して、自動販売機の釣り銭をかすめ取るという犯罪が多発しています。とはいっても、今回の話題とは直接関係ありませんが。

 高速道路のプリペイドカードであるハイウェイカード(以下ハイカと略す)もひところ、偽造品が出まわりました。高額の¥50000ハイカ(額面¥58000)が金券ショップなどに多数持ちこまれて、換金されていくケースが続出しました。
 そのためプリペイドカードに工夫を施して、偽造品が出ないようにすることが必要になったようです。

 過去、NTTでテレホンカードに偽造品が出回った時、対抗策として高額のカードを発行禁止にしていました。今になって考えてみれば、あまり創意工夫のないやり方だったと言えます。

 今回ハイカの偽造対策として、新しいカードが発売されました。《写真》

 「アクアライン物語」というコピーや絵柄のセンスはおいとくとして・・・。
 一見いままでのハイカと同じ大きさ、同じような印刷ですが、写真左下の円形のシール状のものに注目。
 これが偽造対策その1なのです。これはホログラムで、角度を変えてみれば中の絵柄が七色に色を変えて見せるシロモノ。シール状のようですがカードに密着していて、はがすのは難しそう。ということは、後から貼りつけてもすぐ分ってしまいそうだということ。

 またカード下部の「HIGHWAY CARD 58,000」などと書かれている部分が、偽造対策その2。この部分をよくよく見ると、タテ2段に「HIGHWAY CARD」と透かし彫りされているのです。この透かし彫り部分は、光の入射角で見え方が違ってきます。

 このように創意工夫と新しい技術でハイカの偽造を防ごうとしているのは評価できると思うのです。
 ただし今回紹介した偽造対策では、カードの作成コストがかさみそうなのが気になるところ。実際にいくらかかるかは未調査なのですが。恐らく当面、この偽造対策は偽造されたときの損害が大きくなるような、高額のハイカのみに適用していくのではないでしょうか?

[1999.11.4 by かっきい]

 


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