◆「買ってはいけない」論争!?
9/21にこの「ひとりごと」でも紹介した、「買ってはいけない」(週間金曜日刊)が売れているそうだ。きっと消費者は飲食物や日用品にたいする安全性に高い関心があるのだろう。この本は時代のニーズにマッチした内容だといえそうだ。
私がこの本を紹介した時も、「内容に誤りや根拠が不明確な点が散見されるが、情報公開という観点で評価できる」という趣旨のコメントを書いた。
ところがである。ここへきて「買ってはいけない」の批判本が相次いでいる。知るところでは、“「買ってはいけない」は買ってはいけない”(夏目書房刊)、“「買ってはいけない」は嘘である”(文藝春秋刊)がある。
いずれも「内容に誤りや根拠が不明確な点が散見される」と私が評した部分を強く非難する内容だった。また両者の本ともそれなりに売れ行きを見せ、週間セラーの上位に名を連ねているのだ。
また本のタイトルから連想される趣旨から、批判本を買った人達の大多数は「買ってはいけない」をすでに購入したものと想像される。批判本の内容は、たとえば私が引き合いに出した、味の素の成分グルタミン酸ソーダ(MSG)の毒性については、「30年前の論文の引用であり、後の追試試験で強い毒性は否定されてきている」ということだった。
概して批判本の内容は「買ってはいけない」の文中で危険性があると評価した商品に対して、「実際の危険は少ない」「成分分析に誤りがある」「危険性の有無が未確定なのに、さも危険性があるかのように書いている」などと、論文を引用しつつ危険性を否定していくものだった。
そして、どちらかといえば批判本の方が、化学的な検証という観点で軍配が上がるように思えた。私は三者の本を読み比べてずいぶんと勉強させてもらった。昔は危険だと言われた物質が、後に危険性がないと言われても、いまだにその物質が危険であると喧伝されている事実。研究予算を取りたいがために、とある物質の危険性をことさら強調している事実。そして厚生省で使用を認可されている物質でも絶対安全ではないということも。
三者の本は「情報公開」という観点ではその論旨に一致が見られる。「この商品は○○という物質が含まれていて取りすぎると危ない」とか、「この商品の製造メーカーは成分の開示をしていない」といったことを知ることができる。
今まではこういった情報を知りたくても、なかなか知ることができなかった。今までは商品の選択肢を示されても判断基準がなかったり、選択肢自体が無いように思われたのだ。
三者の本ともよく売れているのだから、「知りたくてもなかなか知り得ない」と同じ想いをしていた人もきっと多かったのだろう。ところで“「買ってはいけない」は嘘である”の著者である日垣隆氏は、著書の中で「ダイオキシンの虚構」というサブタイトルで、猛毒と言われるダイオキシンの危険性は作られたもの、と言う指摘をしていた。最初読んだ時は、本の趣旨からはややはずれた内容と思ったのだが。しかし読み進んでいくうち、その重大性に気がつかされた。
著者は「過去にダイオキシン汚染を疑われた地域で、実際に死者が出たり、生物の奇形をもたらしたという事実は確認できなかった」と指摘、「ダイオキシンの猛毒性は作られたもの」と断定していた。
ちなみに化学辞典をひも解くとダイオキシンの項には、悪性ニキビの発生原因になる、などと書かれているそうだ。人の致死に至る量に関しての記述はないらしい。マスコミなどでは青酸カリよりもはるかに毒性が高いと報じられている割りに、その内容は何だか拍子抜けだ。では近頃、新聞や雑誌で盛んに報道されている「ダイオキシン汚染」や「ダイオキシン対策」という見出しは一体何なのだろうか?そう思わされてしまう。ごみの焼却炉が危ないと言われたり、多額の調査対策費用が計上されているのは何のためだろうか、と私はにわかに疑問を抱くようになってしまった。
世間で言われているほどに、ダイオキシンは本当に猛毒なのか・・・本当の真実がどこにあるのかをもっと知りたいなあ、と思うようになりました。
[1999.10.31 by かっきい]
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