ひとりごと(1999年7月分)

 

◆「集約型サービスエリア」

 今回は高速道路の休憩場所であるサービスエリア(以下SAと省略する)に関する、ちょっとマニアックな話題です。

 SAは高速道路の休憩所として比較的大規模な場所を指し、駐車施設のパーキングエリア(PA)よりも大きなのが通常です。
 SAの施設としては駐車場やトイレの他、休憩所やレストラン、さらに車の給油や修理ができる施設を伴っているのが普通です。
 またSAは道なりで約50kmに1ヶ所を目安に設けているので、それを覚えておけば休憩時の目安にすることができます。

 SAは高速道路の上下線に1ヶ所ずつ、計2ヶ所あるのが普通。しかし、なかには上下線両方をまとめて1ヶ所だけ、というSAもあるのです。それが「集約型サービスエリア」と呼ばれるSAです。

 全国にある集約型SAは、秋田自動車道の錦秋湖SA、東名高速道路の富士川SAと浜名湖SA、西瀬戸自動車道の来島海峡SAの4ヶ所あります。なお富士川SAは今年の秋をめどに上下線が別々になって分離SAに移行する予定。

 一般に高速道路は、特に郊外などでは上下線が同時に利用が多くなることは少なく、SAの利用も上下線のどちらか一方向のみの利用が多いようです。ですから集約型SAがもっと全国規模的に採用された方が、SAに配置する人員が合理化できて良いのですが、何か別の理由でSAが上下線に分れているのかもしれませんね。とにかく全国各地の高速道路では、ほとんどが分離型のSAで、集約型のSAは珍しい部類に入るのです。

 先日、集約型SAの一つ、秋田自動車道の錦秋湖SAに立ち寄ってみました。SAがある錦秋湖は岩手県にある湯田ダムがせき止めてできた人造湖です。SAにはこの錦秋湖を眺める展望台と、展望台に至る散歩道がありました。

 錦秋湖SAは休憩施設のほかに大きな温泉施設もあり、ちょっとしたリゾート施設という趣がありました。また休憩施設だけでなく給油施設も上下線共通で同一の場所にあるのも、このSAが備える珍しい特徴です。私はこのSAで比内鶏入りのラーメンを食べました。比内鶏はちょっと歯ごたえがあったけれど、なかなか美味しかったです。

[1999.7.31 by かっきい]

 

◆「癒しグッズ」

 先日TVで見た話題だけれども、「たれぱんだ」という、ちょっとへんてこりんで可愛らしい顔をしたパンダのグッズが売れているそうである。
 「たれぱんだ」グッズ自体はもう2〜3年前から存在していたそうだし、私も1年ほど前から知っていたけれども、今になって売れ出した理由は何なのだろう?その理由が「たれぱんだ」こそが「癒しグッズ」に他ならないからだそうである。

 どうもこの「たれぱんだ」グッズを買いに来るお客さんは、可愛いもの見たさの女性達だけではないらしい。なかには、社会の第一線で働く中年男性も数多いそうな。先日ドライブで高速道路を走っていたところ、前を走る車の後部座席にたれぱんだのヌイグルミが置いてあったので、きっと運転手は若い女性ドライバーと思いつつ、その車を追い越してみると、実はいい年をしたオジサンだったことがあった。

 その他、癒しグッズの一つに「癒しの音楽」というのもある。最近では坂本龍一の「ウラBTTB」というシングルCDが良く売れているらしい。坂本龍一が奏でる流れるようなピアノの調べが、心を癒すそうである。

 そういう私も癒しの音楽と分類されるアーティストのアルバムを持っている。アイルランド出身でアメリカで活動している、エンヤ(Enya)のアルバムである。
 だが私の場合、エンヤのアルバムは癒しのつもりで買ったわけではない。むしろ、ドライブ中に腹立たしいことがあったとき、心を静めるためにエンヤの音楽を聞くのだ。さもなければ、ホントに乱暴な運転になってしまうんですよ・・・。

 ではなぜいま「癒し」が必要なのか?人間の歴史をひも解くと、現代社会ほど愛に飢えた時代はないと思われる。現代の先進国は、自然科学の勝利がもたらした溢れんばかりの物質に囲まれてきた。その反面、精神や心の充実がおろそかになっているように思われてならないのだ。

 ということは、今の時代がこのまま続く限り、人間は「癒し」が必要でありつづけるのだろうか?そういうわけで、私はこの癒しグッズを目の当たりにするたび、人間社会が忘れ去られてしまったものを連想してしまい、なにか寒々しいものを感じてしまうのだった。あるいはそれは気の回しすぎかも、しれないけれど。

[1999.7.29 by かっきい]

 

◆夏のドライブの思い出

 夏の暑さが苦手な私は、もっぱら涼しい所を選んでドライブする。北国や山岳地帯、それに林の中などを好んで走っている。郊外の道で窓を開け放ちながら車を走らせると、爽快な風が吹いて来るのがたまらなくいい。
 そんな私にも、かつて夏を満喫するドライブをしたことがあった。

 あれは学生の頃、夏休みに友人たちと九州一周したときのことだ。友人数名と、車2台をしたがえてのドライブ。私がもっぱら助手席の係りだったが、同乗した車は「車の燃費を上げるためや」と言って、エアコンを止めたままで走っていた某友人氏の車。炎天下の真夏の空の下で窓を全開にしていたので、助手席に座っていた私の左腕ばかりが、やけに日焼けしてしまった。

 それにしても長い行程だった。博多で1泊、高千穂(宮崎県)で1泊、宮崎市で1泊、指宿市で1泊、鹿児島市で2泊、長崎市で2泊。合計8泊したことになる。しかも当初、7泊の予定が、鹿児島市内で同行した車の1台が故障したために足止め。故障の原因はタイミングベルトが切れたためだった。
 やむなく桜島の火山活動が活発で火山灰が絶え間なく降る鹿児島の地に、2泊もした。かわりに霧島に宿泊する予定がなくなってしまったのだった。

 とにかくハプニングの連続でハチャメチャな旅だったけれど、気の知れた友人たちと九州の各地を回った旅は本当に素晴らしいものだった。もう一度やってみたい・・・と思っても、今となっては8泊なんて到底無理だろうなあ。

 今回は梅雨明けと、本格的な夏の到来にまつわる思い出話でした。

[1999.7.24 by かっきい]

 

◆「インターネットニュース」と「fj」

 あなたは「インターネット」という言葉を聞き、どんなサービスを連想しますか?
 「WWW?」「http?」「ftp?」
 たぶん「インターネット」という言葉に対し、ブラウザソフト(InternetExplorerなど)を介した絵と文字のサービスを連想する人が、大半ではないでしょうか?

 これから紹介するものは、それとは一線を画したもので「インターネットニュース」と呼ばれる、パソコン通信の掲示板に似たサービスです。このインターネットニュースは掲示板と同様、話し合うテーマ毎にいくつかのグループ(ニュースグループ)に分かれ、その場所でふさわしい話し合いが行われます。

 インターネットニュースとパソコン通信の掲示板は、一見仕組みが似ていても、記事を保存するデータベースの持ち方と、記事の伝達方法が違います。

 パソコン通信の場合、まずホストコンピューターに単一のデータベースがあり、投稿した時は、そのデータベースにのみ保存します。投稿した記事を読む人は、データベースを参照するのです。

 一方、インターネットニュースは、まずプロバイダのデータベースに書きみます。それからインターネット(プロバイダ同士をつないだネットワーク、すなわちWWW)を介して「配送」という転送形態で、全世界に記事を伝達します。
 この「配送」は、しばしば「バケツリレー」という言葉で形容します。つまり記事を、次々に隣の人に水の入ったバケツを渡すように、プロバイダ間を次々に伝達するのです。最終的にプロバイダ毎にデータベースを持ち、記事を保存します。

 インターネットニュースのトップカテゴリー(ニュースグループの大元、根本)には、さまざまな種類があります。全世界に記事を配送するので、記事は世界中の人が英語を始めとしたいろんな言語で書かれますが、そのなかでも日本語が好んで使われる代表的なトップカテゴリーに「fj」「japan」「tnn」などがあります。

 なかでも「fj」は私のお気に入りです。fjはJUNETと呼ばれる学術団ネットが前身です。文字通り大学や研究機関が主体となって設立されたのです。fjでの「営利目的の投稿は禁止」という不文律は、成立過程からの名残りとされています。

 ドライブ好きな私にとっては「fj.rec.autos」の記事を読むのが何より楽しみです。このニュースグループは、車に関する記事で満載。読んで嬉しくなるような記事、車に関して勉強になる記事で溢れています。ただし私はROM(ロム;読むだけで投稿しない人)に甘んじているのですが・・・。

 私がfjを気に言っているところは「物事を追及しようとする姿勢」です。建設的な議論によって、お互い情報交換したり、新しい考え方を追求していくのです。
 ただ全ての参加者が、建設的な議論をしているとは限りません。個人攻撃、議論の本質とは無関係な指摘、意味のない記事の投稿など、パソ通のように確固とした管理者がいないばかりに起こる、不幸な事態もままあります。
 それでも、強い権限を持った管理者(庶務のような管理者は選挙で選出される)がいないのに、それなりに秩序があり、一時的な混乱があっても結局もとのさやに収まるのは、さすがというか不思議というべきか。fjのどこかしこのニュースグループで、年中行事のようにフレーム(喧嘩のような議論)が起きているので、その収め方も慣れっこなのでしょうか。

 最後に・・・この記事を読んでインターネットニュース、またはfjに興味を持たれた方へ。
 記事を読んだり、投稿したりするソフトウェアは「WinVN(フリーソフト)」が最適です。「ベクター」「杜の窓」などから入手できます。OutlookExpressなども使えますが、使い勝手が格段に違うのです。

[1999.7.4 by かっきい]

 


[ホームに戻る]

[「ひとりごと」表紙に戻る]