ひとりごと(2002年6月分)

#1 W杯を終えて

 

◆W杯を終えて

 横浜で行われたW杯の決勝戦は、ドイツの堅い守りを突き崩した、ブラジルが優勝を果たして終了した。
 にわかサッカーファンの一人であろう私も、少なからず感動する場面に遭遇した。久しぶりのひとりごとは、そんな今回のW杯を振り返ってみよう。

 まず最初に挙げたいのは、日本チームの活躍だろう。予選ではベルギーを押し気味で引き分け、ロシアに競り勝ち、チュニジアを圧倒した。
 正直ここまで日本チームが強いとは思わなかった。後方でゆっくりをパスを回しながら、隙を衝いて前線にパスを送り、敵ゴールに切り込む。
 そんな日本チームの戦術は頼もしく思えた。敵チームだったら、何とも憎らしいプレーに写ったことだろう。

 韓国の活躍も素晴らしかった。予選突破を果たしただけでなく、決勝リーグでも相対する強豪チームを相次いで破り準決勝まで上がってきた。
 韓国のチームプレーヤーやサポーター達には「相手チームを尊重する態度がみられない」と批判を受ける向きもあった。
 しかし3位決定戦でトルコに敗れた時、観客席に大きなトルコ国旗が翻った時、少なからず韓国サポーター達の協力していたことを感じ取り、まだまだ韓国サポーターも捨てたものじゃない。そう思ったものだ。

 思えばこの6月は日本中がW杯一色で沸き返った時期だったと思う。TVの瞬間視聴率が80%を越えた。いつもは何かと物議を醸す日本国の国旗だが、サポーター達は自分たちの顔を、日本の国旗の色でペイントするのに、何の躊躇も感じていなかった。
 決勝トーナメント、対トルコ戦で日本は敗れたが、その直後に近所の商店街を通りかかった時、買い物客の初老のオバちゃんが挨拶代わりに「負けちゃったね〜」と店員に話し掛けていたのが印象的だった。

 日本中がW杯に沸く光景に、ナショナリズムの台頭という言葉も聞かれた。しかし日本の歴史を紐解くと、過去より何度となく国中が一つにまとまってきたことを忘れてはいけない。それが幸福に結びついたかどうかは別として。

 祭りが終わると、切なさが残るのは仕方の無いことだ。また日本人が熱しやすく、冷めやすい国民なので、日韓共催のW杯のこともしばし記憶の片隅に追いやられてしまうかもしれない。

 しかしこれから4年後のW杯で再び盛り上がることと、日本チームの再度の活躍に期待したい。

[2002.6.30 by かっきい]


[ホームに戻る]

[「ひとりごと」表紙に戻る]


#1 W杯を終えて