◆B5ノートパソコン(2)
さて前回、やっとのことでB5ノートパソをセレクトしたが、今回はそれをモバイル機器に仕立て上げるまでの過程をお伝えしたい。
最初に思いつくのは、手持ちの携帯電話を利用することだ。そのため機器購入時に、一緒に携帯電話用のケーブルを買い求め、そしてその日のうちにインストールを試みた。
余談だがWindowsXPマシンは、厳密には購入時にはOSがインストールされていない。購入して最初に電源を入れたとき、初めてOSのインストールが開始される。
インストールが始まった時の、CPUの冷却用ファンの音が予想以上大きく「ブォーッ」と雄叫びを上げていた。
最近のCPUの性能は素晴らしいものがあるが、それと引き換えにして大量の消費電力と発熱量の大きさを持つに至った。その発熱を逃す仕掛けである冷却ファンの迫力に、少しだけ驚いたりした。
私はWindowsXPの使い方もそこそこに、携帯電話接続用ソフトのインストールを始めた。
付属のCD−ROMを挿入したが、あいにくとWindowsXP向けのインストール方法は見つからなかった。仕方なくWindows2000用のインストール方法を試みることにした。
インストールの最初に警告を示すウィンドウが出現。「これは未認証のアプリケーションで、インストールした後の動作保証は出来ないと、MS社は強く主張しています」とあった。
「強く主張しています」という文言には驚かされたが、かまわずインストールを強行。どうにかインストールは終了した。
さて接続の実験。うん?つながらないぞ。さては電話番号がおかしいのか?
私が持つ携帯電話はJ-PHONEだが、専用のダイヤルアップ接続の回線はないらしい。仕方なく最寄のダイヤル回線の番号を使う。うん、繋がった。
さてWEBページを試してみよう。・・・なかなか画面が出てこない、・・・タイムアウト、何だコリャ?
通信速度がお話にならないほど遅いらしい。
元々J-PHONEは9.6kbpsの極細回線しか用意されていないが、これでは到底使い物にならない。
せっかく買ってきたケーブルと、勇気を出して(?)強行したインストールは一体何だったんだ?
数日後、近所の電器店でモバイル機器化のために探っていたのはH゛(エッヂ)だった。これなら64kbpsというISDNなみの回線速度を、PHS並みの低額料金で実現できるはず。
当初は考えもしなかった出費だが、目的達成のためには止むを得ない。
都合よいことに、基本料金¥1000程度のリーズナブルな接続コースも見つかった。初期投資が大きかったのは痛かったが。
そうして期待に胸を膨らませ、H゛搭載のPCカードを持って帰宅した。
さてパソコンにPCカードを差し込んで設定、そして回線接続。ウンともスンとも言わない。
そういえば、PCカードの受信状態を示すLEDが全く点灯しない。そうか、自室にはPHSの電波が届かないのか。
気づくのが遅すぎた・・・。
まあ良い。本当の目的は、外出時に接続できれば良いだけのこと。
意を決した私は、愛車にノートパソを積み込んでドライブを決め込む。もちろんH゛搭載のPCカードも差し込んでいる。
ドライブの行き先は、久しぶりの首都高めぐりだった。昼間は渋滞が当たり前の首都高も、夜間はそれなりに快適な走りを楽しめる。
中央道から首都高4号新宿線を経由して、C1環状線外回りに入る。
休憩がてらモバイル接続の実験に選んだ場所は箱崎PA。複雑な形状のJCTの真下はロータリー、その一角に駐車場がある。知る人ぞ知る場所だ。
箱崎PAの駐車場は休日夜間らしく、若者たちが乗るドレスアップした車がズラリ。私はそんな人達は意に介さず、モバイル接続の実験を開始した。
自室では故障と思ってしまうくらい点灯しなかったLEDが、赤々と点き始めた。これはいけそうだ。
やがて開いたホームページは、軽快にコンテンツをダウンロードし始めた。よしよし、上手くいっている。
試しに3MB以上あるアプリケーションファイルをダウンロード。いつもメインパソを使っている時よりもずっと速い。
昨今はずっと高速なADSL回線が幅を利かせているが、それよりずっと回線性能が低い、このH゛の性能に満足した。
こうして何とかモバイル機器として、ようやく満足のいく仕様が得られたのだった。
[2001.12.30 by かっきい]