◆らーめん「むつみ屋」
ある日小平市内のラーメン屋へ行ったときのこと。このお店には自分の店が掲載されている雑誌を置いてあるのだが、それらを何気にめくっていると、東久留米市内に北海道ラーメンの店があるのを発見した。
後日、そのお店を見付けだしたのは言うまでもない。それが私とらーめん「むつみ屋」との出会いだった。
らーめん「むつみ屋」の特徴として、建物の外観にあることに気がつく。丸太を組み合わせたログハウス風の建物は、「北の家族」の影響もあるだろうが北海道をイメージするのに難くない。
それが都内の一角にあるとなると、いやが応でも目立つというもの。建物の外観に感心して内部へ。なるほど内部も木を多用した装飾で、外観のイメージそのままだ。
早速注文してみる。ここで使われる小麦は、春豊(はるゆたか)小麦という品種で、もしかすると普通のラーメンにはあまり使われないのかもしれない。
北海道ラーメンの定番として、味噌ラーメン、バターラーメンなどがメニューにあった。ここのラーメンのスープは何と言っても"コクがある"と言うことに尽きる。それほど味が濃い訳ではないが、いつまでも喉の奥に心地良い味が残るのが良い。
また麺も素材にこだわっている為だろう。美味しく頂ける。材料にカンスイを使っていないのも、普通のラーメン屋とは違った食感を与えている。
私はすぐにこの店のラーメンを好きになってしまった。この店はチェーン店の一つだが、その総本店の創業はいまから15年ほど前。北海道の月形町という小さな町にある店が、そのハシリだそうだ。
月形町といえば、私の実家からそう遠くはない。そこで夏休みに実家に帰省した際に、ラーメンの味にはやけにうるさい兄貴と共に、月形町の総本店に行った。はたして総本店は、月形温泉の向い側にあった。外観は東久留米市の店より、ひと回り大きなログハウス風。そして建物には少々年季が入っていた。
午後2時過ぎに行ったが、先客が10組ほどいて30分ほど待った。それだけ人気の店なのだろう。やっとこ席に付いて注文。着いた席は近くの池を2Fから見下ろせるロケーション。
兄貴は赤味噌ラーメン、私はバターラーメンを注文した。
私は東久留米でもバターラーメンを食べていたが、味は余り変わりがなかった。そう、どちらも美味しかったのだ。
味にうるさい兄貴も今まで食べたことがないようなその味に驚き、すっかり満足したようだ。こうして月形の総本店にて、味の源流を楽しんできた、というわけ。
このらーめん「むつみ屋」北海道、東京都、神奈川県に数店舗出している他は、まだ出店数が少ないもよう。
北海道ラーメンの定番として、すっかり有名になった「山頭火」のように、渋谷や恵比寿のような一等地に店をだしているわけでもないようだ。そういうわけで、今回の「ひとりごと」に興味を持たれた方の近所に、必ずしもチェーン店があるわけではない。
ホームページから何とか最寄の店を探し出して、その独得の味をお試し下さい。
[2001.09.29 by かっきい]