◆積雪(2)
今回は前回と同じく積雪の話題でお送りします。前回の積雪に関する話題から東京には2回の積雪。今年1月の1ヶ月だけで、3度も雪が積もりました。
3度が3度とも週末の積雪だから、週末ドライブを楽しみにしている私にとってはとても残念なことです。
最近、北海道は函館から私が在籍する職場に転勤された方がいますが「東京の積雪は、函館と変わりないね」と驚いたご様子。
どうやら北海道の中でも積雪が少ない函館と、雪が積もっては解けていく東京地方の風景が、オーバーラップしているご様子でした。
先週土曜日の積雪は3年ぶりの大雪ということで、私はもちろんドライブを控えていました。
しかし外出したい衝動で気持ちがはやるのは抑えられず、昼間の雪がさんさんと降りしきる中、電車で新宿まで出かけることにしたのです。
電車のダイヤが乱れているのは容易に想像がつくところでしたが、雪の中にうずもれた都会を一目見たいという好奇心があったのでしょう。
私の住所から電車で新宿まで行く方法は2通り。JR中央線か西武新宿線を利用することです。私の想像ではJR中央線は自然災害に弱そうなので、事故なし・ストなしが評判の西武新宿線を選びました。
最寄の駅までたどり着き、ホームで待つこと10数分。電車が来るまでの間が妙に長く感じられました。
ホームではこんな雪の中でも、いつもの休日の7〜8割くらいの人がおり、私と同じように電車が来るのを待っていました。
乗り込んだ電車が動き出すと、平時に比べてかなりゆっくりと走っているのが分かりました。
そして乗換駅に到着。駅の電光掲示板は行先表示のみで、出発時刻の表示はありません。
時々駅のアナウンスで「次の電車は○○駅を出発しました」と案内しており、電車が来る予告としては、それが唯一の手掛りです。
さらに「この後の天候次第では運休もありえます」とアナウンスされ、それを聞いていた人達がどよめき始めました。
そして駅のホームにたたずむ人々の間で、何ともいえない不安が募っていく様子がわかりました。
向い側のホームに電車が滑り込む。こちら側の電車ではないのが何となく悔しい気持ち。
しかし向いの電車はなかなか発車しない。良く見ると鉄道作業員の方が、電車の上に登ってパンタグラフ周りの雪を除去していました。
こんな時の最前線の方達のご苦労が、悪天候の中でも電車を円滑に運行させていることに気がついたのです。
30分ほど待っただろうか?ようやく乗り継ぎの電車がやってきた。電車に乗り込んだ時の暖かい空気の心地良さが何ともいえない。
そうして電車がゆっくり走り出し、各駅停車ののんびりとした運行の末、ようやく西武新宿駅に着いた。
新宿の街はいつもの休日午後の満員電車のような人だかりではなかったが、それでもかなりの人出。あれだけ降りしきっていた雪も、ここでは雨に変わっていた。
また道行くクルマが一様にタイヤチェーンの音を響かせながら走っているのが印象的だった。
路面の方々で雪の固まりが滑りやすく危険な状態。でもそれを除けばいつもとそれほど変わらない賑やかな街の風景に、ちょっと拍子抜け。
若い女性が高ゲタのように高い厚底ブーツ姿で、よたよたしながらもちゃんと歩いていた。
新宿ではいつも通り書籍やCDの店に立ち寄り、早々に立ち去ることにした。
帰りの電車は間引き運転のためか、身動きも取れないほどの満員電車。しかしホームで待つ時間が長く感じられた往路のように、乗換駅で待たされることはほとんどなかった。
というわけで好奇心半分に出かけた、雪の都会はいつも変わらない活況ぶりにパワーを感じ、ちょっと驚いてしまった1日でした。
[2001.02.05 by かっきい]