妄想アイテム図鑑

ゲーム内で得られる情報から、裏設定を妄想してみる。
一作目の攻略本「ポケットモンスター図鑑」以外の二次創作物(アニメとか)の設定はほぼ無視。つーか知らない。

 

ボール編

モンスターボール

ポケモンが自身をデータ化し、小さな容器に自らを収納するということが発見され、
それを利用した捕獲装置が開発されてから数十年。
このモンスターボールは、現在も商品化当時と変わらぬデザインで販売されている。
このデザインそのものが、ポケモンに携わる者達の象徴として、様々な図案に用いられていることはご存知であろう。

かつては、天然素材である「ぼんぐり」の実から作られていたが、
現在は人工的に大量生産が可能となり、安価で流通している。
しかし、野生のポケモンとして出現する限り、このボールで捕まえられないポケモンはいない。
コストパフォーマンスに優れるため、初心者から熟練者まで愛用者の多いボールである。

 

スーパーボール

モンスターボールのアッパーバージョンとして、こちらも広く流通している。
ただ、モンスターボールの3倍である値段に見合った効果は期待しない方が良さそうだ。
これは憶測に過ぎないが、この製品は純粋に捕獲性能の向上を狙ったものと言うよりは、
ある程度の収入を得られるようになったトレーナーが、ステータスシンボル的に用いるために
開発、販売されたという側面があるのではないだろうか。
それなりの熟練者になると、デザインが好きなどという理由でもない限り滅多に使わない。

また、かつてはこの名前をもった品目は、
あまり体力が減っていないポケモンをも比較的容易に捕獲することを目的として開発され、
実際にそのような効果が確認できる製品が流通していた時期もあったようだが、
現在は単なるモンスターボールの上位品に過ぎない。
かつてのスーパーボールが持っていた効果は、当時公表されていなかった故に現在でも知るものは少ないが、
もし本格的にこのような効果を謳えるボールが製品化されていたら、
現在の捕獲用ボールのラインナップはより充実したものになっていたと思われる。

 

ハイパーボール

現在、広範囲で流通しているボールの中ではもっとも高性能であるが、
やはりスーパーボール同様、値段に見合うほど高性能とは言い難い。
成金トレーナーを揶揄する表現として「1個のハイパーボールより6個のモンスターボール」
という成句が一部のトレーナーの合い言葉となっているという話もある。

ちなみに、捕獲性能はともかく、物理的な強度の面では他のボールよりもずいぶん強化されているようである。
特にホウエン地方にて事業を展開する、デボンコーポレーションの製品において顕著に見られる傾向であり、
捕獲に失敗しても、壊れないことがある。トレーナーがそれを回収することはまず無いが、
ある種のポケモンが拾ってトレーナーの元に届けることもしばしば見かけられる。

 

ネストボール

ジョウト地方はヒワダタウン在住の、現在では数少ないボール職人であるガンテツ氏。
ぼんぐりを加工するという昔ながらの方法で、様々なボールを受注生産している。
氏の作品のなかでも、もっとも人気を博しているものにレベルボールというものがある。
詳細な原理は不明であるが、トレーナーが連れているポケモンの力量が、
野生ポケモンのそれを上回っているほどに高い効果を発揮するボールである。

これに目を付けたデボン社の開発者が、人工的にこの機能を再現できないか試みた結果、
商品化されたのがこのネストボールである。
相手の野生ポケモンの力量が低いほど効果が大きいのはレベルボールと同様であるが、
肝心のトレーナーのポケモンの力量が無視されてしまう。
レベルボールの原料である赤ぼんぐりの成分が完全に解析できなかったために、完全な再現も不可能だったのである。
今後、よりレベルボールに近づけた製品の開発を期待したい。

このように、まだまだ開発段階にあるので、その実用性は未完成のものだ。
もともと力量が低い状態で野生出現するような種族は、
ただのモンスターボールでも高確率で捕獲できる場合がほとんどなのである。
開発陣はこの商品の存在をより広く知らしめるために、
ポケモン出入時にかわいらしいハート形の閃光を散らせるという性能面以外での工夫をしているのだが、
ボールの地味な外観とかみ合わないのが難点だ。やはり技術屋にデザインを任せるものではない。

 

ネットボール

ネストボール同様、ガンテツ氏のボール効果を再現するというコンセプトで開発された。
これは、釣り上げられたポケモンに対して絶大な効果を発揮するルアーボールがモデルである。
文字通り、ルアー(疑似餌)のように、水越しで見た場合にポケモンが引き寄せられるという作用のようだ。

開発陣が注目したのは、同じ釣り用具の中でもルアーではなく網だった。
現在ではポケモン捕獲に使われる事は滅多にないが、
かつて水ポケモンは、釣り上げた後に網ですくい上げていた。
ルアーの効果は釣り竿自体に任せ、ボールの役目はあくまでもその後の捕獲であるという発想の元で開発した結果、
釣り上げたポケモンのみならず、あらゆる場所で遭遇した水ポケモン全般に効果を発揮する高性能なボールになった。
水ポケモンが多いホウエン地方における売れ筋商品の一つである。

なお、このボールはどういうわけか虫タイプのポケモンにも高い効果を発揮する。
これは開発中は想定していなかった二次的な効果である。
ネットボールの閃光デザインが水しぶきであることからもそれはうかがえる。
なぜそのような効果が現れたのか?水ポケモン同様、かつては虫ポケモンも網による捕獲が主流だった。
水網と虫網は異なる道具ではあったが、その構造、外見は極めて近い。
水網の構造を捕獲システムに応用したネットボールはまた、虫ポケモンにも有効なのである。

 

タイマーボール

汎用的に高捕獲率を誇るボールを開発するというプロジェクトの産物。
ボール自体に記録装置を埋め込み、戦闘中の野生ポケモンの動きを観察する。
観察時間が長いほど、捕獲システムの人工知能がその動きをよりよく把握し、
結果的に高確率での捕獲が望めるというわけだ。
さらにそのデータは、トレーナーが所持する他のタイマーボールにも共有される。
よって、たとえ1投目が失敗したとしても、ボールが続く限り高確率の捕獲が期待できる。
その機能を最大限に生かしたときの捕獲性能は、他に製品化されているどんなボールよりも高い。

ただし、ここで収集されるデータは、あくまでもそのポケモンの個体的なデータであり、
そのポケモンを捕獲する場合にしか活かされない。
たとえ同種であっても、別の個体には何の効果もないのである。また1からデータを集めなければならない。
記録媒体もそれほど高性能とは言い難く
(もともと「捕獲」のための機能は使い捨てが前提なので、安価での供給を目指す以上当然ではあるが)、
一度逃がした相手と再び対峙することがあったとしても、前回の戦いの記録は失われている。

 

リピートボール

タイマーボールと同様のプロジェクト上で開発されたが、
それとは対照的にポケモンの種族的な動きを記録するのが特徴である。
トレーナーの図鑑に記録されたデータをダウンロードすることで、
そのポケモンを捕獲するときに高い効果を発揮することが出来る。
同種を複数体捕獲したい場合において非常に役に立つボールであり、
特に熟練のトレーナーの間では人気商品となっている。

なお、理論上はあらかじめ種族データを入れた状態で販売することも出来るのであろうが、
そこはやはりコストの問題が大きいのであろう。まだまだ実用化には至っていない。

 

ダイブボール

陸上の草むらがそうであるように、海中の海藻帯にもポケモンは生息する。
それらの捕獲に特化したのがこのダイブボールだ。
水中でも相手に向かって飛んでいくように重量バランスが調整され、
さらに推進装置によってまっすぐ相手に向かって行く。

ただ、水中に生息するポケモンは例外なく水タイプであるため、ネットボールが商品化された今となっては価値が薄れた。
それに、水中にポケモンが生息しているような場所は限られているし、
水中を探索することが許されたトレーナーの数も決して多くない。非常に用途が限定されたボールなのである。
しかし、根強い愛用者がいるために現在でも小規模ながら生産は続いている。
また、その限定性故に、水中探索とは縁のない地方からわざわざ取り寄せる好事家も存在する。

 

プレミアボール

デボン社が創業を記念してホウエン地方で販売した限定品のボールがモデル。
当時はほとんど知名度のない企業であったため、そのボールはほとんど売れることはなかった。
時は流れ、デボン社はホウエン地方を代表するポケモン用品メーカーに成長。
かつての限定品ボールを、モンスターボールをまとめ買いした客へのおまけに、
プレミアボールという名前でプレゼントするというキャンペーンを「こっそりと」開始した。
キャンペーンは人から人へ口コミで広がり、結果としてデボン社の売り上げを激増させた。
この時から、ホウエン地方におけるデボン社の優位はますます絶対的なものになったのである。

初期のプレミアボールの在庫がとうに尽きた現在でも、
新たにプレミアボールは生産され、このキャンペーンは継続されている。
もはやプレミアでも何でもないのだが、当時を記念して呼び名はそのままとなっている。
また、他社も現在では同じようなキャンペーンを展開しているようだ。

 

マスターボール

言わずと知れた、野生ポケモンを確実に捕獲することが可能なボール。
これはシルフカンパニーでしか生産されていない。
その原理、製法はトップシークレットとなっている。

かつてのロケット団襲撃により商品化が中止されたという話は有名ではあるが、
実際は製品化、量産化に伴うコストも大きな要因であったようだ。
現在、ごくわずかな量が生産され、主に賞品として研究者などに贈呈される。
ラジオ局やデパートのくじ引きの目玉賞品にもなっているのは、万人にマスターボールを入手する機会を与えるためだ。
ナンバー確認にPCの預かりシステムを使うため、無認可のトレーナーの手には渡らない仕組みとなっている。

このボールの存在自体は有名であるが、実際に目にし、手に取ったことのある人は限られるだろう。
幸運にも手に入れた人が、一般のショップに下取りに出した場合(もちろんその行為が愚の骨頂であることは言うまでもないが)、
店員はそれを作り物だと判断して値段すら付けないか、あるいは足が着くのを恐れて買い取ることさえためらうだろう。
いずれにせよ、このボールには金に変えられない価値があることは間違いない。

 

ゴージャスボール

ガンテツ氏のフレンドボールに似てはいるが、全く別のボールである。
捕獲時の機能ではなく、ボール内部に工夫を凝らすことにより、
このボールの中のポケモンは常に居心地の良い状態に保たれ、結果としてトレーナーに懐きやすくなるのである。

その名前や外見が示すとおり、高性能よりも高級を目指していることは言うまでもない。
マスターボールほどではないが少量生産で、直接購入するには財力、人脈の両方が必要である。
かといって一般人の入手が不可能であるかと言えばそんなことは無い。
ポケモンコンテスト協会が、同じポケモンに2回以上同じコンテストのマスターランクを制覇させたトレーナーに贈呈している。

コンテストの参加料が無料なのは、その興行収入によって利益を得ているからであるので、
運営のため客を惹きつけるためには優れたコンディション、アピール能力を持つトレーナーが不可欠だ。
しかし、今までは優勝と共にコンテストを引退してしまうケースが多かった。
その賞品が「優勝」した事を示すリボンだけだったからである。「優勝」したかしないかが記録されるだけなので、
何回優勝しても「優勝」以上の記録にはならない。
かといって、新たにリボンを制定することはコンテスト協会の独断では出来ない。
マスターランクまで駒を進めるポケモンはそう多くないのに、次々と引退してしまい、
コンテスト自体が開かれなくなってしまうケースも多々あった。
ご存知のように、コンテストは4人の参加者がいないと成り立たない。協会は存続の危機に立たされていた。

そこで、マスターランクのリピーター参加者を増やすために別の賞品を用意することになった。
賞品になり得るような、一般人が手に入れにくいものとして、
協会が特殊契約でデボンから購入しているゴージャスボールを使うことにしたのである。
リボンだけでなく、ゴージャスボールの数がコンテストの技量を示す一つの指標となった。

結果、優れたポケモンとトレーナーがいつでもマスター会場で見られるようになる。
マスターを目指す為に、下のランクも常に盛況である。
いつでも相手がいるので、挑戦者もすぐにコンテストに参加できるようにもなった。
今日のコンテストは、まさにゴージャスボールによって支えられていると言っても過言ではないだろう。

 

サファリボール

サファリゾーン専用のボール。カントー、ホウエンの各サファリゾーンで用いられている。
サファリゾーン専用なのは、出るときに係員に残りを没収されてしまうからではない。
サファリボール自体の性能が低すぎるのである。
参加料を含めて、30個で数百円という異常な価格を考えれば当然であろう。

サファリボールは、本当にただのボールに過ぎない。言ってみれば玩具自販機のカプセルに毛が生えたようなものである。
そもそも、ボールの捕獲機能は、ポケモン自身の閉所収納能力を利用したものであるので、
理論上はボール側に何の工夫が無くてもポケモンを捕獲することは可能だ。
とは言っても「可能」であると言うだけで、通常の野生ポケモンには到底通じるものではない。

サファリのポケモンは、決して人を襲わないことから分かるように、かなり調教されている。
だからただのボールでも捕獲できるのである。
サファリボールはスーパーボールと同程度の性能である、とはよく言われるが、
それは相対的にそう見えるだけであって、サファリの外では通用しない。