知ったかぶりRPG用語集

 

RPG

ロール・プレイング・ゲームの略。
直訳すれば「役割を演じる遊戯」だが、事実上は、
「主人公一行が、敵を倒したり道具を集めたりしながら謎を解き、
様々な人の助けを借りつつ、最終的に何らかの目標を達成する」
というようなゲームのことを意味する。

というか「役割を演じる」という定義なら、この手のゲームに限らず、
ほぼ全てのゲーム(コンピュータゲーム以外も)に当てはまるじゃないか。

 

アイテム

本来は、「項目」とか「品目」という意味。
RPGにおいては、武具、防具、薬、貴重品など、あらゆる道具類を総称してこう呼ぶ。
なぜ素直に「道具」といわないのか、考えてみれば不思議だ。

 

RPGにおける信頼度は限りなく100%に近い。
たまには裏切ってくれないかなぁ。

 

エンカウント

イベントなどではなく、普通にフィールドやダンジョンを歩いているときに敵に出会うこと。
「エンカウント率」「エンカウント歩数」などの用法もある。
この場合、正しくは「ランダムエンカウント」といい、
イベントなどの固定遭遇は「ブランドエンカウント」と呼んで区別する。
しかし、素直に日本語で「遭遇」と言えばいいのだが、
カッコつけたいゲーマーは横文字を使うのか。

 

海賊

ファンタジーRPGにおいて欠かせないもの。
基本的に善玉が多く、主人公一行に情報を教えてくれたり、宝や船を譲ってくれたりする。
「初めは襲ってくるが、懲らしめられて改心」も定番の展開。
親分は女性というのも定番。

 

勧善懲悪

敵との戦いを絡めた冒険物語のシナリオとして、古今東西で好まれる形式。
「勧善懲悪は古くさい」「人間の影の部分が出たようなシナリオがいい」
等というのは、一部のオタク連中だけだと思うので、
シナリオライターの皆さんは遠慮なく勧善懲悪シナリオ書いてください。

同じ勧善懲悪でも大きく分けて二つあり、
一つは「悪を倒すことそれ自体が目的、または、悪を倒すことが
目的と密接に関わっている(お姫様を助ける、等)」の直接勧善懲悪、
もう一つは「目的そのものは悪とは無関係だが、
悪が主人公の邪魔をするのでつぶす」の間接勧善懲悪がある。
ちなみにどちらも勝手に考えた言葉なので、公で使って恥をかかないように。

 

古代文明

ファンタジーの世界観で近代的なものを出したいときに便利な設定。
少し工夫すれば、文明批判にもなるため、
シナリオを高尚に見せたい連中は好んで使う。

 

子供向け

本来、RPGに限らずテレビゲーム全般は子供向けのはずなのだが、
RPGについてこの言葉が使われた場合、たいていは悪い意味である。
子供が言う分には「背伸びしたいんだな」と、笑い飛ばすだけで済むが、
大の大人が悪い意味でこの言葉を使っていれば、子供を馬鹿にしているにも程がある。

 

四大元素

いわゆる「地水火風」。魔法の基本的な属性だったり、
世界を支える要素だったりする。
この言葉から西洋的ファンタジー世界を連想する人も多いだろうが、
日本語の「四大」は、本来は仏教語であり、
この場合も地水火風を意味する(「空」を加えて五大元素とすることもある)ことから、
この発想はどうやら洋の東西を問わないらしい。
当然、RPGにも世界観を問わず割とすんなり受け入れられる。

 

収集、育成

最近のRPGの特徴だと思っている人が多いが、
ウィザードリィの頃からのRPGの基本要素だということを忘れてはならない。
一時期のゲームが、この要素をないがしろにしていただけだ。

 

石化

本来は「せきか」ではなく「せっか」と促音便するのだが、
なぜかRPGでは「せきか」ということになっている。
おそらく、初期のゲームでは漢字が使えないため、わかりやすく「せきか」としたのだろう。
それはさておき「回復手段が限られ、完全に行動不能になる永続状態異常」という点は、
多くのRPGに当てはまるものと見てよい。

 

戦闘不能

HPが0になった状態を表す、「死亡」に替わる表記。最近のRPGによく見られる。
「むやみに死という言葉を使うのはよくない」という倫理的な側面よりも、
ストーリー重視の風潮の中、イベントによる死と戦闘による死を区別するための意味合いが強い。

 

大臣

「王様の裏で糸引く」というイメージが非常に強い。

 

裏側にはダンジョンが隠されている。お約束。

 

ダンジョン

本来は迷宮という意味だが、RPGにおいては、
敵のいる洞窟や建物を総称してこう呼ぶ。

 

使う

薬は飲んだり塗ったりする。鍵は差し込んで回す。地図は開いて見る。
しかし、「伝説の水晶」みたいな品はどうやって使うのか。
「使う」といういい加減なコマンドでごまかしている。
まぁ、たいていは「○○を天にかざし祈った」みたいな感じなんだけど。

 

ドーナツ型の星

船などの移動手段で、世界を自由に回れるRPGの世界は、
ほぼ例外なくドーナツ型の星の上にある。
四角いマップで、「上は北で下は南」を実践したらこうなるに決まっている。
どうしても丸い地球を再現したければ、地図の原則とは違ってしまうが
マップの中央に北極をおき、マップの四隅に南極をおく(もしくはその逆)などの工夫が必要である。
あるいは、主人公が行動できる範囲を一定区間に区切るというのも一つの手であろう。

 

HPが4桁までインフレしているゲームでさえ「1歩ごとに1ダメージ」というケースを見かける。
この場合キャラがピンチだから治療するのではなく、
画面のフラッシュがうっとうしいから治療する。

 

ドラゴン

日本語でいうところのリュウ。
時には頼もしい味方であり、時には恐ろしい敵であり。
いずれにせよ、ファンタジーRPGの花形である。
ちなみに、「龍は東洋もの(ヘビ型)で、竜は西洋もの(トカゲ型)」などというのは、
一部のファンタジーマニアだけに通じる約束事であって、
実際には「龍」と「竜」には意味上の違いはない(龍は竜の旧字体)ので、勘違いしないように。

 

日本刀

ファンタジーRPGにおいては、最上級の武器として位置づけられることが多い。
中世ヨーロッパにおいて、日本は神秘の国なんだろう。
しかし、海外RPGを意識してか、日本人がわざとカタカナで書いたり、
「〜ブレード」みたいな書き方をすると寒い。

 

ファンタジー

本来は空想物語の意。しかしRPGのジャンルとしては、例外なく
「中世ヨーロッパの世界観を基調とした、剣と魔法の冒険物語」を意味する。
「中世ヨーロッパでは、魔法はタブーではないのか?」というつっこみは黙殺される。
古くからRPGの世界観として定番。

この世界観は、本来のヨーロッパのファンタジーではなく、
「ホビットの冒険」や「指輪物語」で知られるJ.R.R.トールキンの著作の世界観が元になっているらしい。
もはやファンタジー世界の普通名詞となった「ホビット」や「ミスリル」も、元は彼の独自の用語だった。
RPG(当時はコンピュータでは無く、テーブルトークしかなかった)の元祖である、
「ダンジョン&ドラゴンズ」は、指輪物語のファンが作ったものであり、
それをコンピュータゲーム化したいという思いから生まれたのが「ウィザードリィ」であるといわれる。
いうまでもなく、現在に至るまでのRPG(ファンタジーに限らず)は、
直接的にせよ間接的にせよウィザードリィから多大なる影響を受けている。

強力な兵器や移動手段などが登場しないのでストーリーが作りやすく、
神話や伝説からキャラやアイテムを引用することで、神秘的な雰囲気が出せるのが魅力だろう。
しかし一番のポイントは、シナリオ、システム上の不都合を
「魔法の力」の一言で片付けられる点だったりする。

 

フィールド

基本的に、ダンジョンや町などの外側にある、いわゆる全体マップの部分をさす。

 

フラグ

たとえば、「ある村にいるAさんに会おうとしたが、彼は留守だった。
しかし、Bさんに話してからAさんの家に行くと、Aさんは帰ってきていた」
この場合「Bさんに話す」という行為が「フラグを立てる」行為である。
このくらいの用語の知識が無くては、攻略サイトで馬鹿にされても文句は言えない。

この作業が多すぎるRPGは酷評されることが多い。
しかしほとんどのRPGはフラグの連続で、
それを立てる作業が普通にゲームを進めているうちに行われるため、
違和感なく進むだけである。

 

ブレス

息。特に炎や吹雪、毒などの特殊な息のこと。
モンスターの特殊攻撃としてポピュラー。
そういえば、呪文のことをスペルという人はあまり多くないのに、
息のことをブレスと呼ぶ人はたくさんいるのはなぜだろう?

 

北欧神話

日常生活においては、あまり見聞きする機会はないが、
ファンタジーRPGでは、古くからキャラやアイテムの元ネタとして多用されている。
具体的な単語を挙げれば、世界樹(イグドラシル)、オーディン、ラグナロク等々。
「〜ガルド」「〜ヘイム」みたいな地名も。
いい加減飽きてきたのは僕だけであろうか。

 

ホビット

ドワーフと勘違いしていませんか?もはや確信犯ですか?>堀井雄二先生

 

魔王

ファンタジーRPGのボスの総称として使われる。
人間を絶滅させるとか、世界を破滅させるとか、
とりあえず絶対悪の目的を持たせておくと、
シンプルな勧善懲悪シナリオがうまく機能する。

 

モンスター

主人公を襲う存在。広くは、その世界に住み着いている異形の存在をこう呼ぶ。
これといった説明など無く、ダンジョンなどに自生するもの、
現実の動物のように生態系に組み込まれているもの、
魔王に従うものなど、様々な種類がある。
まあ、経験値などの形でキャラ成長の糧にしたり、
アイテム収集の対象であることに変わりはないのだが。

 

宿屋

どんなに激しい傷や精神疲労でも、ゲームによってはあらゆる状態異常ですら一晩で治療する。
よく考えてみればとんでもない施設である。

 

「竜退治はもう飽きた」

ファミコン末期に発売された某戦車RPG一作目の宣伝文句。
今ならさしずめ「獣集めはもう飽きた」になるんだろうか。